2016年5月31日火曜日

読書感想文

先月まで半年におよぶNational Geographicの翻訳講座を受講してました。毎月送られてくる同誌の英語版と日本語版。日本語版は英語版のダイジェストのようになっており、さらっと読めるのですが、英語版の情報量が多い!苦痛ではないですがやはり日本語読むより時間がかかります。そしたら、ど〜しても日本語の小説が読みたくなり、去年、山岳会の納山会で恒例のオークションで落とした「標高二八〇〇米」(樋口明雄著、徳間書店)を読んだら、さらにさらに読みたくなり図書館に行って2冊借りてきました。その内の一冊が、「南アルプス山岳救助隊K-9 ハルカの空」(樋口明雄著、徳間書店)でした。もう一冊はまた後日紹介します。

「標高〜」は短編集で、山にまつわる心霊、不思議、怖い話を集めたものだと思っており、先に読んだハズに怖くないのを選んでもらって読みましたが、結局、そんなに幽霊とかなんとかっていう話はなかったので、全小説を読みました。幽霊とか好きじゃないので。

山を舞台にした小説が多いのですが、十分楽しんで読めると思います。また、原発について問題提起をするような内容の小説もありますが肩肘張らずに読み進められます。

「ハルカの〜」は、南アルプスにある日本第二の山「北岳」を舞台に、実在しない山岳救助隊と救助犬を主人公とした話が5編収められています。
山の話や映画というと結構つっこみどころ満載の作品が多かったりするのです、最近の小説は作者や作り手が実際に山に入って体験&経験されて書いてらっしゃるのだろうな、という話が多く突っ込むどころではないのが読み手として嬉しいです。
ちなみにヤマ屋の間でつっこみどころ満載の映画として、いの一番に名前が挙がるのがシルベスター・スタローン主演の「クリフハンガー」です。私はまだ見たことないですがジャケット写真で思わずいきなりつっこみを入れてしまうという映画です。やはりその道を少しでも体験している人間が観客側にいるというのは作り手にとってはある意味恐ろしいですな。まぁ、ハリウッド映画なんでそないにリアリティをそもそも求めていないのかもしれないですが。

北岳を登山していた親子。息子に起きた異変が高山病かと思い下山したが...。
文庫本648円+税



三種類の救助犬とハンドラーとなる救助隊の警察官3人を軸とした小説からなる短編集。
救助犬の描写が実に巧みです。ハードカバー1600円+税

2016年5月6日金曜日

GW山行 奥穂高岳南稜登攀

2016年5月2日(月)

山岳会の春合宿で穂高に入る。今回のルートは、私が以前から登りたかったルートを提案し採用されたもの。合宿としてはアプローチも短く少し楽ちんな内容だったかと思うが、新人さんにも充実した内容を経験してもらうことも考えたらよかったかな、と思う。
雨に濡れる上高地 予報は大きく外れた
 初日5月1日は小雨降る中、上高地から岳沢まで歩く。テントを張って雪上訓練。でも雪が少なく難儀する。それでもひと通りのおさらいはする。午後からは翌日登る、奥穂南稜の取付を確認しに行く。

滑落停止の体勢を取るメンバー
しかし何はともあれこけないことが大前提
 
岳沢小屋のブログでたびたび見ていた柱状節理
いやぁ、すごかった。自然の造形美、圧巻でした
百聞は一見にしかず...久々に実感

大滝横から登り始めるか思案する=trad. routeではない
この後、メンバーで相談しここから始めるのは止めにした
 
翌朝は2時起きの4時出発なので、早々に夜ご飯を食べて寝ることにする。新人君、焼き肉を持ってきてくれたが、1人100gは少ないぞ。しかも米が7人に対して2人分とはどういう計算をしたのか?お腹がいっぱいにならず。おつまみ持ってきててよかった。

5月2日(月) 晴れ
前日、なかなか取れない雲に、天気がほんとによくなるのか心配したが、快晴。広がる青い空、といっても出発時点はまだ暗闇でしたが。

色々ハプニングあり、4人2パーティで登ってましたが、2人退散。ということで、ハズと2人で最後まで登る。
トリコニーはトポの1P目が、今回は2P目になってしまった。雪が少ないからか?それともちょい間違えたか?何はともあれ、上まで抜けたので問題ないですが。


トリコニー一峰最終ピッチ
高度感あります バックは明神岳

上の写真の反対側、登る方向
ハイマツ横にハズがいます その先に他山岳会の2人がいます
上の写真から数時間経ったところで、ここがこのルート最終点です
左奥に奥穂高岳の山頂が見えます

さて、上に行ったら次は下りなくてはいけません。このルートの場合、標準下降ルートは前穂高への吊り尾根を渡るのですが、これが悪かった。行けなくはなかったと思いますが、私たちは別ルートを取りました。2パーティ4人は進んでましたがね。2枚上の写真に写っている2人は、ジャンダルムを越えて天狗沢経由で下りると言っていた、と聞きましたが、この2人も私達と同じ超ロングロードを選んでました。

奥穂の頂上へ行き、そこから涸沢、横尾、上高地、岳沢、という10時間のコースタイムルート。私達が奥穂を下り始めた時点で、すでに彼らは1時間ほど先を行ってましたが、さて何時に岳沢に到着したのやら。
奥穂の下りに手こずったのと私が寝不足もあっての高度障害がちょっと出て(弱いなぁ、私)疲労感マックス。
涸沢と横尾と徳沢で大枚はたいてジュースを飲んでなんとか歩いたが。
上高地で不要なギアをデポしたが、岳沢に帰着したのが夜中のちょうど0時。この日の行動時間19時間40分。
ハズはそれまでの最長行動時間19時間を更新。私も16時間半を更新。

でも、上高地付近で、母ザルを探す小猿の鳴き声が聞けたり、木の上に光る物体があると思ったらモモンガ(ムササビ?)だったり、森の中でヘッドランプを消すと真っ暗で、でも、木々の間から満天の星が見えたりとそれはそれで楽しかった。

しかし、徳沢小屋に灯るオレンジ色の暖かい光にもれてくるカレーの匂いにはくじけそうになってしまった。

岳沢小屋の鯉のぼりと乗鞍岳

2時頃寝たにも関わらず、翌朝は6時に目が覚めてしまった。まぁ、テントだとそないに寝れないよね。7時頃起きて9時出発。この日もいいほうに予報はずれていいお天気(↑)そして渋滞にもあわず無事帰阪。

ランチに高山IC近くの中華屋さん「華月」に入ろうと思ったら閉まっていた。(定休日でなく、閉店)ショック。
で、41号線をもう少し南へ進んだら、ファミマがあってその横に「中山」という中華屋さんを発見。いちかばちかで入ってみたら、まぁ、ボリュームすごい!そして安い。ということで、今度からここへ行こう。ちなみに私、バリそば&チャーハンセットをぺろりと平らげました。前日、ほとんど食べてないからね〜。ごちそうさま♪