2021年5月17日月曜日

蝶ヶ岳(2677m)その2

さて2日目。風除けの雪の壁があるにも関わらず、時々吹く暴風に頭がテントに押されて時々起こされる夜を過ごす。
この時期は4時過ぎにはほんわり明るい。トイレに起きたらすでに東の地平線が赤く染まっていたので急いで撮影。

この日も雲海が広がる。しかし、写真を撮るにも背中をえらい力で風が押してふらふらする。手ぶれ機能なんぞ働かない。なんとかふんばってシャッターを押す。

ヒュッテの方から左側を見ると...
不気味な真っ黒い雲が穂高側から押し寄せてきている。予報ではよくなるはずだけど、その前の悪天といった模様。

実は、前日ハズの調子が悪かった。仮眠もちゃんとしたけど、眠い、眠いといって体がだるそうに歩いていた。
で、この日は私の調子が悪かった。夜通し頭痛がしていたけど、起きると食欲なく気分が悪い。食べないと歩けない、と思いつつごはんが喉を通らないので、仕方なく食べずに出発。

6時半出発。相変わらず風がきつい。来た道戻らず前進して横尾へ下りる。なぜか下山が遠まわり。
ヒュッテ横の「瞑想の丘」の方向指示盤を過ぎると風をよけるものがないので、暴風との攻防戦が続く。
20分ほど進んだところでハズが「スコップのシャフト(柄)を忘れた」と言い出した。ほんまか?そういえばザックにささっていない。中に入れたんちゃうん?とかすかな期待を持ちつつ、外から触るがそれらしい手触りなし。
ハイマツの陰にザックを置いて取りに戻る。「ここにいて」と言われたがこんな暴風の中、まともに風避けもないところで待たせるか?なんか恨みであるのか?など思ったが、こんな天気で離れるのはよくないという判断から一緒に戻った。無事、シャフトを見つけザックの場所まで戻り横尾への分岐へ向かう。

シャフトを取って戻ってきたら、穂高方面の視界が広がってきた

見えていた岩のある場所が分岐かと思っていたがはずれ(ブッブ〜)
が、すぐに分岐に到着(ほ)。ここから樹林帯の急下降が始まる

陽の光が木々の間から射すようになってきた。あいかわらず風は吹き付けるが樹林帯に入ったらこっちのもの。途中でアイゼンを着ける。スピードが上がる。

樹林帯の隙間から槍ヶ岳から穂高の一部が見える。
手前の黒い尾根は横尾尾根、右側は赤沢山

横尾に着くと安心安全な世界が広がる。ほわ〜ん。自販機でジュース購入。長目の休憩後、上高地を目指す。

徳沢を過ぎると道の両側には、前日は蕾だった満開の「ニリンソウ」が

明神近くでまたまたニホンザルの群れに遭遇。子猿同士で取っ組み合いのじゃれあいをしたり、木の枝にぶら下がってぶ〜らぶ〜らして飛び降りたりと遊んでる。そんな中、のみ取りをしてもらってる猿が。その無防備さが笑える。よく見ると、あらぬところののみ取りをしてもらってる(笑)

12時過ぎに上高地到着。上高地食堂でランチを食べる。暑かったのでざるそばの大盛りを頼んだ。今年初のざるそば。薬味のわさびがおいしかった〜。

今回の山行、結構辛かったなぁ。帰る時にはすでに体中が筋肉痛。久しぶりにしんどい(けど楽しい)山行だった。

コースタイム
5/10(月)   7時40分 上高地バスターミナル → 8時30分 明神 →  9時15分 徳沢(休憩)→ 
      9時40分 長塀尾根スタート → 13時35分 長塀山 → 14時30分 蝶ヶ岳
5/11(火) 6時20分 蝶ヶ岳ヒュッテテン場 → 7時35分 横尾分岐(この間40分ほどロス)→ 
      10時 横尾(大休憩)→ 11時30分 徳沢 → 12時10分 明神 → 13時10分 上高地バスターミナル

お風呂 平湯の森 大人1人600円 脱衣場のコインロッカーは100円やけど戻ってきません。

2021年5月15日土曜日

蝶ヶ岳(2677m)北アルプス

山行日        2021年5月10日-11日

メンバー  ハズと私


GWは天気が安定せず、明神岳東稜登攀を計画していましたが実行ならず。街は晴れたものの、山での天気の回復は遅かったようで、裏六甲でフリークライミングしていました。明神東稜はまたの機会に。


で、翌週の10日と11日で歩きトレーニングを兼ねて蝶ヶ岳へ。この季節(残雪期)に登るのは初めてですが、蝶ヶ岳に登るのは実に17年ぶり。上高地にバスで入ったのは5年ぶり。平日とこのご時世でやはり人出は少なかった。


天気はいいが強風。上高地でこの風なら稜線はどんな感じか...。ちょっと心配しながらも明神、徳沢へ進む。


明神付近のトレイル脇には「エイレイソウ」の蕾が見られました(↓)。また、ニホンザルがあちらこちらでウロウロ。なんか個体数増えてないか?北アルプスの鳥獣バランスが心配。


「ツキノワグマの成獣が見られているので注意してください」という注意書きを見ましたが、明神を過ぎて少し行くとウンチを見つけました(↓)。パトロール中に用を足したようです。私たちの通過ちょっと前のもののようです。以前、北海道でヒグマのウンチを見ましたが、それに比べるとかわいらしいもの。ですが、出会いたくないのは熊も私たちも同じ。

徳沢で一本休憩を入れる。徳沢園の横には桜がまだつぼみでした(↓)。なんという桜かは分かりませんが...

さて、ここから長塀尾根(ながかべおね)という苦しい長い尾根登りが始まります。今回も食事用の水を1人2リットル担いできました。強風は樹林帯ではここちよい風となって吹きますが、暑かったりするので衣類調整をしながら登ります。


樹林帯をひたすら登ります。残雪は1800mあたりから出てきました。アイゼンは持ってますが、着けるほどではありません。ピッケルも使うほどの場所ではありません。


昼の12時を過ぎたあたりから雲行きが怪しくなり、小雪がちらつき始めました。木の高さが低くなってきたので風がまともにあたり始め、寒くもなってきました。

長塀山頂上がどこか分からず(標識は埋没していた)、とにかくヒュッテを目指してがんばります。下山途中の老夫婦とすれ違いました。この日会ったのはこのお二人だけでした。


やっと「妖精の池」に到着。孔雀の羽のよう。この時点ですでにまぁまぁの降雪。ここからヒュッテまでがまた長かった...。こんなに長かったっけ?このルート...。


やっと見えた蝶ヶ岳ヒュッテ(↓)。この時点で左側(穂高側)から暴風。伊那前岳の時より強い。鼻が凍りつくかと思いました。ここまで夏用の手袋をはめていましたが、一気に冷えて指先キンキン。


頂上の場所がヒュッテの手前に変わったようです(測量の事情?)。

いいあんばいに風よけの壁が作られたテントスポットがあったのでそこに荷物を置いて受付をしにヒュッテ内へ。ついでにココアを注文(一杯500円)。お湯で作ったココアかと思いきや、牛乳で作られていてこれがめちゃくちゃおいしかった!ココアは牛乳で作るのがやっぱり美味しい❤️他にコーヒー、紅茶、ホットミルクなどあり。各500円。ランチメニューは昼2時まで。この日は3種類のメニューを提供していたようでした。


寒い中、テントを張り終え、宴会開始🍻

ビールは350mlは600円、500mlは800円。ワインは井筒ワインのワンカップで600円。赤、白、ロゼ。小さいプラスチックコップ付き。



そうそう、テン場代についてちょっと言わせて〜。

昨今の経営状況をかんがみて、どこの小屋も今シーズンから宿泊代を値上げしている。だいたい1000円値上げしているところが多い。例えば、小屋泊1泊2食付き12000円が13000円、という風に。テン場代はこれまで1人一泊1000円だったが、これが1000円値上げとなると2000円になる。いきなり2倍だ。これはちょっときつくないか?額は1000円だが、比率は2倍。せめてまず今年500円上げて、再来年にもう500円上げる、とかして欲しかった。確かに小屋泊に比べると断然安いが、いきなり2倍というのはどうかなぁ、と思う次第。


夕食は早ゆでパスタにQPのちょっとお高いパスタソースをかけたもの。初めて食べたけど、このパスタソース、おいしかったぞ。お腹いっぱいになったら明日に備えてまだ明るいけど就寝。心配の風は、テントがしなるほどの暴風。夜通し吹いていた。小雪も相変わらずちらついていた。(その2へつづく)