2022年9月30日金曜日

仙涯嶺(2734m 長野県)

山行日 2022年9月25日(日)ー26日(月)

先々週の南アルプスに続き、今回は中央アルプスへ行ってきました。
仙涯嶺、本来は去年8月に行った縦走で行く予定でしたが、暑さにやられて断念。長い林道歩きはどうしても避けたかったですが、やむなし。行ってきました。

前夜泊は国道19号線沿いにある「道の駅大桑」で。翌朝、駐車するスペースがあるか心配でしたが、トイレがないところで寝るのは気がひけるので。

案の定、路肩にはずらりと車が並んでいました。ゲートのある橋から800mほど下に場所を見つけて駐車。道の駅でダンさんに話しかけてきたという足立ナンバーの車のおじさんも到着。他に、大阪ナンバーのおじさんはこの日、越百小屋宿泊ということでした。

6時前に出発。登山だけでなく沢釣りの人もいるようでした。
ゲートを過ぎて少し行くと伊那川ダム。確かにところどころ林道は崩れていましたが、まぁ車が通行できない、というほどではなかったですが、安全のためということで通行禁止は仕方ないんでしょうね。

伊那川ダムから1時間ほどで以前使われていた登山者用駐車場に到着。仮設トイレ(現在使用禁止)もあって、ここまで車で入ってこれたら楽だなぁ、と思いつつ。
すぐに橋があって渡ると、空木岳へ向かう道と別れて右側、越百山へ向かう道を行きます。

こんな感じでところどころ舗装してある、大部分はダートの林道を歩きます。

越百山と南駒ヶ岳へ向かう丁字路。右へ行くとすぐに越百山登山口です。自転車が4台(2パーティ分)ありました。やっぱり自転車、欲しいよな。

登り初めて半時間ほどで下の水場があり、下のコルで休憩を入れて進むとおこじょ平。もちろん、おこじょが住める様な岩稜帯ではなく...。

おこじょ平から1時間ほどで上の水場。二条の沢が流れており、どちらも水量豊富。奥の沢からコーヒーのための水を1リットル取りました。

1か所だけ大崩壊している場所がありました。写真手前の細い踏み跡を歩くのですが、ざれているので滑ると奈落の底へまっしぐら。要注意の場所です。

せっかく登ってきたのに、最後にえらく下ります。あぁ、もったいないなぁ、と言いつつ進むと森の中に小屋の赤い屋根が見えました。10時40分くらい。

早く着いたので受付を済ませてこの日のうちに仙涯嶺を往復することに。
おじさんはとてもいい方で、水をもってけよ、気をつけろよ、などなど言葉をかけてもらいました。夕方5時から食事なので4時までには戻ってくる約束です。

小屋から見上げる越百山。写真真ん中の稜線を直上=しんどいかと予想してましたが、尾根を回り込む様に道がつけられていて足に優しい道でした。

*ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー*



稜線に着いた、と思ったら目の前に広がる南アルプスの山並み。奥に富士山。うわぁ、よく見える!前々週歩いた尾根も見えた。越百山の山頂はいいです。

仙涯嶺に向かっての稜線歩き。ガスが沸いてきましたが雨が降る気配はありません。
ハイマツがはげてるところはいいのですが、一旦、ハイマツ帯に入ると枝がスネやらヒザやらに突き刺さったり、バシッと叩かれたりとなかなか痛いルートでした。

仙涯嶺が近づいてきたところで遠方に見えた大、大、大崩壊地!赤梛岳(アカナギダケ)の東側、百間ナギの崩壊地だと思われます。去年南駒まで縦走した時に、向こう側から見ましたが、なんとなく崩れてる、くらいしか分からなかった。
摺鉢窪避難小屋らしきものが見えましたが、こちらから見るとほんまにギリッギリのところに建っている。向こうから小屋へ向かうと崩壊度が分かりづらく知らぬが仏、かも。
2022年は小屋周辺の地面にえらいな亀裂が見つかったということで利用禁止です。

岩峰の上からはげた部分に看板が見えました。あそこに行くにはどうしたらいいのだ?! 道は見えているのにそこへ下りる道が見つからない。右から?おっと、道があるようでない。落ちたら完全アウト。一旦戻る。岩峰の基部に道がありました。

地味〜な山頂。仙涯嶺。新しいプレート。写真を撮って休憩してしばし登頂気分にひたる。
そして再び来た道を戻る。南駒ヶ岳の頂上にも人影が見えました。みんないい天気で楽しんでるんだろーなー。ええこっちゃ。

*ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー*


さて、来た道を戻って再び越百山へ到着。南越百山へ行くかどうか話し合う。私としては仙涯嶺に到達したのでどっちでもよかったが、ダンさんの「やっぱり行っといたらよかったな」って後で思うの嫌やしな、という言葉で行くことに。

南越百の山頂はすぐそこに見えています↓
ところが、ですよ。すんなり行けるかと思ったら笹藪がすごい。藪漕ぎ、ほんと嫌で。ダニが怖い、ダニが。そいでもって漕いだ時に舞い上がる埃。あれを吸い込みたくないし、見ただけで鼻がムズムズしてくるのでほんとイヤ。

空荷で下りてくるお二人に会いました。越百山荘でお泊まりの方の様です。挨拶してすれ違う。

途中に、シオジ平(山の東側)へ続く登山道の入り口にあった通行止めの標識。林道が崩壊したようで2年ほど前から通行禁止になっている様です。

南越百山山頂。山頂は広くて笹はなくて大きなケルンが2基ある快適な場所。ここから先は奧念丈岳から安平路山へと続く健脚&エキスパート向け登山道となります。噂では猛烈な藪漕ぎの必要があるらしく、私は絶対に行かないであろう道です。

4時過ぎに小屋に戻りました。荷物なんかを整理していると5時前におじさんが「ご飯ですよ〜」食堂に行くとこの日の利用客は合計8人でした。

メニューはちらし寿司、おでん、冷奴(写真に写ってない)。お腹いっぱいになりました。エビスビールは1本700円。久しぶりのエビス、美味しかった〜。

夕食後は、休憩小屋(素泊まり小屋)でコーヒーを飲んでゆっくり。外に出るとすっかり秋の空でした。
翌日へつづく...

2022年9月22日木曜日

広河内岳、大籠岳、笹山ー白根南嶺登山 2日目

前回からの続き...

広河内岳の次に大籠岳を目指します。天気のよい日の稜線歩きは気持ちがいいものです。暑いとはいえ、盛夏のような灼熱地獄の暑さはありません。

進行方向右手。振り返ると仙塩尾根の一部。向こうに中央アルプス。写真の右端辺りが熊の平でしょうか。来年この尾根を往復する計画です。

こちらは上の写真の続き。進行方向右前方です。左端に塩見岳。新蛇抜山から北荒川山までの稜線。写真真ん中、遠〜くに恵那山

振り返ると(左後方)鳳凰三山と奥に甲斐駒ヶ岳

こんなひろ〜い稜線を歩きます。濃霧時方向注意、と地図に書いてありますが、本当にそうですね。

右前方には、塩見岳から蝙蝠岳への稜線が見えます。塩見岳って突き出してるなぁ。(この日から10日後にこの稜線を往復する計画でしたが、台風接近や天気の状況を見て延期しました)

大籠岳に到着。周りの山々を見て気づいたのが、送電線や鉄塔、携帯電話用のアンテナ鉄塔が一切見えないこと。そりゃぁずっとスマホは圏外だな、と納得する反面、ふか〜い山の中にいるんだ、と実感

足元を見るとウラシマツツジ。紅葉が始まっていました。

地図には、広い山頂で頂上が分かりにくい、と書いてあったので、こんな立派な道標が立っているとは期待しておらず。いつの間にか通過するんだろう、と思っていて、ちょっとしんどいなぁ、と感じ始めたところでこの道標。う、笹山はまだ先なんだ、と思い知らされちょっと精神的ダメージを食らったのでした。

広河内岳を過ぎるとすぐに森の中に突入。北アルプスだとず〜っと森林限界の上を歩き続けるので、この標高でも南アルプスでは森林と限界がせめぎ合っていることを実感する。

ハイマツが右に左に根をはわし、自然の梯子みたいになっているところも

ダンさんが立ち止まっていたので何かと思ったら、足元にこんな変わった植物が。
もふもふした感じの苔?カビじゃないよね〜。花のような葉っぱのような変わった植物でした。

ダンさんが「なんか走った!」というので見に行くと、ヒメネズミが二匹いたそうで、そのうちの一匹。もんのすごく小さくて、親指くらいの大きさ。一瞬、ヤマネかと思ったけど帰宅後調べたらヒメネズミでした。にしても、可愛い!

お”〜、やっと着いたぜ、笹山。こちらは北峰。景色がいい。

10分ほど歩くと笹山南峰(黒河内岳)。ひろ〜い山頂。でも木々に囲まれている。景色を楽しむのであれば北峰で。

振り返ると、奈良田へ下りるダイレクト尾根と直進(南進)して転付峠へ向かう道の分岐。これから約5時間の猛烈な下りが始まるのだぁ。

ここからの写真は、他の方がいろんなサイトで紹介されているので割愛します。結局3時間半で下りたが、水場への分岐点を知らぬ間に通過していてこれがちょっと悔しい。こんなこともあろうかと水は多く持って行っていたので困ることはなかったが、重要ポイントを見過ごすというのはなぜかちょっと後悔が残る。

そして最後の、私にとっての核心はこの吊り橋を渡ること。南アルプスの登山道にはどうも吊り橋が多いようだ。疲れで写真がブレてしまった。


が、しかし。足元は透けて見えないし、腰の高さまでフェンスが張ってあるので意外と怖くなかった。足がすくむことなく渡り切って登山終了!ゴーーール‼︎



2022年9月18日日曜日

広河内岳、大籠岳、笹山ー白根南嶺登山 2日目

山行日 2022年9月11日(日)

2日目。この日が本番の日。13時間の行程を歩き切れるか?
3時起床。前夜は合計5人の小屋の宿泊。2階にも誰かいた様子なので、プラス数人。
5人のうち2人の若者はすでに出発していた。
4時前出発。小屋の気温計では13度。小屋前からうっすらと富士山が見えた。


小屋の裏へ回り登山開始。赤テープが数メートルごとにしっかりついているので、迷うことはない。ただ熊さんと出会わないかちょっと心配(会わなかった)。


時々こんな標識があり。だいたいどこら辺にいるか分かる。ここから下降点までも沢を渡る場所がある。

午前5時前。振り返る。よぉく見ると、富士山の左側の真ん中辺りが光っているのが見えた。山梨側の五合目。上の方の小屋はすでに営業を終えているはずなのでさすがにヘッドライトの列は見えなかった。まぁ、角度的にも見えないと思うけど。

日が昇ると、森の中が真っ赤に照らされ、燃えたような色になる。

登るのにちょっと疲れてきたなぁ、と思っていたらコルに出た。すでに昔の道はなくなってしまって分からないけれど、旧道と新道との分岐を表示する看板が置かれていた。

ここから下降点まで最後の登りはちょっと苦しかった。
この岩場(崩壊地)で、この日初めて、下ってきた人とすれ違う。

大門沢下降点の黄色の塔(7時ちょうど着)
写真で見た通りのもの。カンカン!と2回思いっきり打ってみる。なんだかすっきりした。(そういう目的のものではないけど)

休憩後、広河内岳へ向かう(7時20分)
写真左側の奥が広河内岳。遠くからでも道標が見える。近いようで...遠い?広河内岳まではハイマツの中のしっかりつけられた踏み跡をたどる。

まずは一つ目の山頂、広河内岳に到着(7時43分)。後ろに見えるは農鳥岳(のはず)

登ってきた方からまっすぐに伸びる尾根。進もうとしてふと気づく。尾根の先がない。よくよく足元を見ると岩に黄色のペンキでバッテンが書いてあった。左方向へ進むのが正解。

後ほど、大籠岳頂上付近でこちらを振り返ると、この尾根を途中まで歩いている(走っている)人がいた。途中で引き返していたけど、間違えたのか?はたまた好奇心が直進させたのか...。何があるのか見てみたい気持ちは分かるけど、無駄足はごめんだあ。しかもこちらはロスする時間はなし、の日だ。
つづく...


2022年9月15日木曜日

広河内岳、大籠岳、笹山ー白根南嶺登山

山行日 2022年9月10日−11日

昭文社の「山と高原地図」を新調。手元にあるのは10年以上前のバージョン。色々と変わっているだろうと22年版を購入したものの、紙面の情報量の多さに戸惑う。コースタイムの字の色を違う色にしてくれれば、もっと見やすくなるのに。

さて、今回は百髙山踏破を目指しての山行。この山域は時間配分に困る。
大門沢小屋を利用すると、1日目4時間、2日目13時間という長丁場。2日目に小屋を利用するとなると、1日目、笹山ダイレクト尾根の登りの時間によってはとんでもない時間に到着することになる。
それではテントと水を担いで、7時間づつの行程に分けるとなると荷物が重くなり膝への負担が心配。ということで結果、1日目小屋泊まり、2日目ビバーク覚悟で13時間歩行という計画に。

行きの道中はものすごい豪雨。しかも小降りになったところでSAやPAで停まり休憩している間にものすごい土砂降りになると言う運の悪さ。あまりの雨降りに、高速降りてからの下道で土砂崩れとかにあわないか心配になる。

さて奈良田の駐車場について。地図にある350台駐車可の早川右岸の駐車場は閉鎖されていた。リニアの建設現場になっているようで、あちこちで土砂などが積み上がった状態になっていた。で、利用できる駐車場としては奈良田湖の真ん前、笹山ダイレクト尾根への取付に使う吊り橋の真前にあるスペースだけ。
ちなみに早川町の役場が山あいの役場にしてはすごい立派だったが、あれもリニア工事協力金みたいなんで建てたんか?登山者をあてにするより土建工事の方が潤うということか。

6時半ごろ駐車場出発。奈良田第一発電所まで車道歩き。その後林道に入る。
天気はよい。

林道歩きが終わってから登山道に入る。登山道は吊り橋や橋の連続。

取水口にある吊り橋。なかなか恐怖。斜めになってるし、なんか...吊ってるワイヤが切れそう。


取水口を過ぎた後も橋がいっぱい出てくる。しかし思った以上に水量が多かったので、橋がないとほんと渡るの困るなぁ。

森の中は本当に緑がきれい。広過ぎてテープがないと迷ってしまいそう。



そして丸太橋につぐ丸太橋。いくつもの沢を渡って進む。

駐車場を出発してから4時間ほどで小屋に到着。あまりに早く着き過ぎたので暇を持て余したが、翌日に備えて体を休めることができたのはよかった。

テント泊グループの人と話をしたり、お昼ご飯にラーメンを食べたり、ビールをちびちび飲んだりと贅沢な時間を過ごした。
「力もちラーメン(1000円)」お餅は揚げてあってとろりとして食べやすかった。おいしかった。缶ビールは350ml、600円で、アサヒやキリン、サッポロと種類豊富。ペットボトルの飲み物は置いてなかった。缶ジュースはリンゴ100%ジュースとみかん100%ジュース、お茶とコカコーラの細缶。各400円。

トレランの人が多かった。どこまで行って戻ってきてるのかな?
昼から激しい夕立が2回あったけど、あぁ、小屋泊まりはいいなぁ。濡れる心配しなくてもいい。