2018年10月25日木曜日

槍ヶ岳・北鎌尾根 その5

(ここまでの記録は、画面左の「月別更新」または「アクティビティ別北鎌山行」またはページ下のリンクからご覧ください)

それでは、その5「下山までの長い道」です。

前日の夕日は本当にきれいでした。あんなに空が焼けた夕日を見たのはいつぶりか、というくらいの美しさでした。

日が沈んだ後は、夜通し風が吹いて、フライがバタバタと風で鳴り通しで時々目が覚めるという状態でした。
通常、北鎌を登った人は、上高地へ下るのが主流のようですが、私たちは諸事情あり中房温泉までの長い長い道のりを戻るというルート取り。前日、追い抜き追い越しされていた黄色ザックの2人パーティは「上高地方面に出来るかぎり下る」と言ってました。

朝3時半に起床しましたが、まだ起きてる人はおらず。今回は特に小さいテントの中で、なんとか朝ごはんの用意をします。とはいえ私はあまり食べられず。食べたいのだけど、食べなくては、と思うけど、食事が喉を通らない。少しだけでもと思ってとにかく食べる。

朝5時半、テントを片付けて中房温泉に向かっていざ出発。テン場から小屋の前へ行くとちょうど日の出でした。

槍の頂上と雲海。右端に常念岳

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あっという間に日が上がり、辺りは明るくなりました。さて、長い長い東鎌尾根を歩き始めます。

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ヒュッテ大槍の辺りで振り返ると、昨日登った北鎌尾根の後半部分〜槍の頂上が見えます。北鎌平でビバークをした「上原くん」はもう登り出してるかな?大丈夫かな?と2人で話す。

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だいぶ進んでからもう一度振り返ります。結構、しんどかったけど、やはり下るとなると名残惜しいです。ずっと登りたかった尾根。一旦登ってしまうと、次の目標がなくなったような気がします。
(とはいえ、落ち着くとまだまだ登りたいところは山とあるんですが)

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さて、長い尾根歩きは続きます。まだ元気でした。

設置された梯子を下り...

長い長い梯子を上がり...(お尻の写真ですいません)

まだまだ続く長い尾根

だんだんしんどくなってきた頃です。
この後、水俣乗越を過ぎヒュッテ西岳にもう少し、というところの登りでダメージが出ました。
小屋閉めの作業をされているヒュッテ西岳に到着し、ちょっと長めに休憩。その後は、大天荘ヒュッテまで、2ヶ月前に一往復した道なので、まぁ大丈夫だろうと思っていたのですが...。

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しんどかった...。しんどいながらも、途中、左を見ると昨日登った北鎌沢が見えました。写真下の点線赤マルのところで一昨日の夜、テントを張ってました。こうやって見ると、北鎌沢右俣の登りが直線であることがよくわかります。写真で赤マルから1センチほど上のところで左に切れ込んでいるのが北鎌沢左俣。

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この後、お天井ヒュッテに到着。支配人の小池さんにご挨拶。小池さんの笑顔を見るとほっとしました。行動食のお菓子ばかり食べるのはしんどくて、予算の都合もありどん兵衛を食べる。少しお湯がぬるかった麵が固めに出来上がった。山の上では少し長めに待ったほうがいいかも。少し待つといい具合になりおいしくいただきました。

ここから中房温泉まであと6時間。私たちの足なら5時間くらいでいけるはずが...。辛かった。

なんとか燕山荘に到着。そこから中房温泉まであと一息。第2ベンチで日が落ちた。またか。


中房温泉に到着したのは午後6時30分。真っ暗(↑)。2ヶ月前と違って、キャンプをしている人もおらずし〜んと静まり返っている。でもなんとか到着した!あとは風呂入って高速乗って帰るだけ。とはいえすでに6時半。所用を済ませて帰宅したのは、翌日未明だった。

お風呂
安曇野しゃくなげの湯 大人1人700円 こないだは入らなかった「炭酸水の湯」気持ち良かった〜☺️


2018年10月20日土曜日

槍ヶ岳・北鎌尾根 その4

(ここまでの記録は、画面左の「ブログ・アーカイブ」または「アクティビティ別→北鎌尾根」またはページ下のリンクからご覧ください)

北鎌沢のコル〜頂上〜肩の小屋まで

さて、さて、次なる壁は、独標。トラバースルートとダイレクトルートがある。トラバースルートは長いザレ場を横切り、次にコの字型に突き出たところの通過。気乗りしなかった。圧倒的にトラバースルートを行く人が多いのだけど。

北鎌沢のコルからの出だしもはっきりとした踏み跡あり、安心したような拍子抜けのような。木々の葉は台風の影響か落ちてしまって少し寂しい風景。



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時々、木登りを交えて尾根上を忠実にたどります。ロープを出す必要はなし。他の人のブログや記録で見るような高度感は意外とない。


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振り返ると北鎌沢のコルより下部が見える。真冬はこの向こうから登り始める。ハズは随分前に突破している。改めてすごいなぁ、と思うけど…。
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なんだかんだ言ってるうちに通称「天狗の腰掛」(多分)

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天狗の腰掛に続くピーク。先を行く2人パーティ(黄色ザック)と単独の人(黒色ザック)が見え隠れしていた。こちらを振り返ったようだったので、手を振ったけど無視された(笑)

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下りたり登ったりを繰り返していると、独標前に到着。この写真じゃぁ、独標の大きさが分からんなぁ。トラバースルートがよく分からん。ダイレクトルートは写真左端のルンゼを登る

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覗くと、白ヘルメットの2人パーティがロープを出して登っていた。ロープいらんかなぁ、と思ったけど、どうせ待つなら出そうか、といってロープを出して登る。ルンゼを登るハズ。ここホールドがなく荷物が重たいので少々苦労した。


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ダイレクトルート途中から見下ろしたトラバースルート。どこを歩くか分からんでしょう?(写真・ハズ)
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先ほどのルンゼが終わり、少し進んでロープはいらんな、ということでフリーで登った(写真・ハズ)リッジは高度感があって怖いと予習していたが怖くなかった。ただ「高所恐怖症」で「岩登りそんなにできない」という人は、トラバースルートを行かれた方がいいでしょう。

この後「独標の門」と言われる大きな岩の間を通過すると...


どーん!と目の前に現れる槍ヶ岳。おぉ、でっかい!こんなにでっかく見えるとは!左奥には前穂の北尾根もきれいに見える。最高の天気に感謝!なんだろなー、なんかすごいこの景色を見てると不思議と涙が浮かんだ私。

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独標では写真だけ撮って先へ進む。ここで、隣のテントにいた北鎌沢の登りで抜かした「上原くん」と白ヘル2人パーティを抜かした。(巨人の上原選手に似ていたので)

その後もこんなところを登ったり下りたりして進む。ロープは不要。稜線を忠実にたどる。巻く時は右側。




鹿窓があるピーク。右のピーク下に白ヘルパーティの人が見えます。
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どんどん進みます。槍ヶ岳が近くなるのが意外と早かった。この後、黄色ザックのパーティに追いつき、追い越します。
近寄りすぎると岩、石が落ちて当たるので、追撃するならちょっと離れてお願いします。こちらも落とす気は全くありませんが、なんせザレているので、気を使っていても石が落ちていきます。

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見たかった「諸君頑張」のプレート。これも見過ごしたかな、と思っていたら最後の最後で現れた。
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秋の日が槍の穂先からこちらに差し込み眩しいです。でも嬉しい晴天。
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これまた有名な下のルンゼ。右側から登れると書いてる人もいましたが、うぅん、どうかな。左側を登り、ハズの位置より少し下で右側に移るという感じで登るとうまくいきました(私)。

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そして上のルンゼを登って、見上げると頂上の人がのぞいてます。正直、私自身、頂上からこちらをのぞいたことがなかったので、どこに出るのかわくわくでした。
登り切ると、祠のちょうど右横に出ました。ほぉ、ここに出てくるのかぁ。

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記念撮影をして振り返ります。今日歩いてきた尾根です。写真右端の尖ったところが独標。あの向こうから歩いてきたんだなぁ。
北鎌沢出合〜北鎌沢のコル=2時間、コル〜頂上=7時間。悪くない速さではないでしょうか?

この後、肩の小屋まで下りてテント場申請をしてテントを張り、小屋前のテラスでビールとおつまみで乾杯しました。

が、実は私、尾根の途中からバテてしまっていたのでした。もともと高度には弱いので、高度障害かと思ったけれど、ビールは飲める。ひょっとしたら、季節ハズレの暑さで熱中症だったのではなかったのかなぁ、と。体がだるくてだるくて。尾根上3回ほど休憩しましたが、休憩後ザックを担ぐとなぜか次第に重さが増すという怪現象。冗談で「後ろに誰かおらん?」とかって言うてましたが、その重さ、だるさ、かなり辛かったです。

3連休最後の夜なのでテン場は空いているかと思っていましたが、意外と混んでいて、私たちがチェックインしてから1時間後くらいには「満場」となっていました。これも働き方改革の影響でずらして休みを取れる人が増えたからか?(知らんけど)

そして、この日がんばったご褒美は...


テントの正面に見えたこの夕日。言葉はいりません。ただただ...きれいでした


その5「下山への長い道」に続く...こちら

2018年10月16日火曜日

槍ヶ岳・北鎌尾根 その3

(ここまでの記録は、画面左の「ブログ・アーカイブ」または「アクティビティ別→北鎌尾根」またはページ下のリンクからご覧ください)

北鎌沢出合〜北鎌沢のコルまで

2018年10月8日(月)快晴

午前3時半に起床。トイレに出たハズが「周りのテントはすでに明かりがついてるわ」とのこと。さすがに北鎌尾根を目指すだけあって皆、早い。

軽量化のために、荷物なしで2人が眠れるテントで来たがやはり狭い。煮炊きをする時が一番狭さを感じた。また、外に出して置く荷物をまとめるのにも余計な思考力を使うのでやや疲れる(年齢ゆえか)。

午前5時半出発。すでに他のテントはない。やっぱり一番最後かぁ。ま、いいや。今日は槍ヶ岳の肩の小屋のテン場やし。4時頃には到着したいけど、こればっかりは分からない。なんせコースタイムもなにもないバリエーションルートだから。


まずは北鎌沢右俣を登る。出合から目星をつけていた場所がやはり左俣と右俣の出合だった(写真黄色の丸印のとこ)。下からでは、二股は木々で見えない。意外とすぐだった二股。ここは右側=右俣へ進む。奥に細く1本見えてるラインが右俣だ。これを詰めると北鎌沢のコルに出る。

ネットで検索するとこの北鎌沢の登りを「右へ、右へ」と書いてあるが私たち二人の意見としては、「直進」である。よく言われる「クライマーズホイホイ」と言われるところも結局どこだか分からなかった。数年前に大天荘ヒュッテの支配人が、ホイホイ方向に入ってしまう登山者が多く、重大な事故が発生しているということで、ここだけ足元の石にバッテンをつけられたのだが、全く分からなかった。それに、確かに右方向から細い沢が落ちて来ていてるが、どう見ても進めるような沢、踏み跡ではないことが明白。なので、とにかく、左俣との二股を右俣に入ったら、一番大きい、広い、しっかりした沢筋を登ることだと思う。

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二股を右俣に入ったすぐのところ。見上げてるのか下を見てるのか分からない写真ですが。ところどころに赤テープがありますが、あまり気にしない方がいいかも。赤テープを探していると時間かかるので。右俣をひたすら詰めます。

1時間ほど進んで見上げると昨日話した若者が見えた。水をたくさん積んでるのかな。重たそうに登ってはりました。

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出合から1時間半ほどで赤茶けた小滝。これもネットで検索したら結構出て来ます。

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7時を過ぎると、背後の表銀座の稜線から日が差し、暖かいを通り過ぎて暑い。本当に10月にしては暑い3日間だった。
そして沢の真ん中にアイランド(島状の中州)が出現します。ここも右側を直進。右の斜面に入るのではないですよ。

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上の写真のアイランド型中州の右側を進んでるところです。前方に若者が見えました。
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これはどこっだけ...?ともかく、上の写真を過ぎて、あ、そろそろコルかなぁ?コルやといいんやけど...って思い始める場所です。この先、真ん中にアイランド(小)が出現しますが、このアイランドはよけずに真ん中を登ります。草の中に踏み跡がありました。
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盛り土アイランド(小)を超えると、あらびっくり!しっかりした踏み跡が出現します。ここを進めば北鎌沢のコルです。テント、小さいものなら2つは張れそうです。そして、古いタイプの錆びた鍵が落ちてました。北鎌終わって家に帰って鍵がない!どうされたんでしょうかね〜?

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小休憩を入れていると、若者が到着しました。少ししんどそうです。昨日ほど饒舌じゃないです。大丈夫かな?暑いもんね、今日。
行動食を食べた我々はいざ、北鎌尾根縦走すべく出発したのでした。

その4へ続きます...こちら


2018年10月15日月曜日

槍ヶ岳・北鎌尾根 その2

槍ヶ岳・北鎌山行その1はこちら

さて、大天荘ヒュッテで大休憩をして、北鎌沢出合を目指すべく貧乏沢を下ります。ヒュッテから15分くらいで貧乏沢のコルに着きます。北鎌に興味なく、槍ヶ岳を目指す人はおそらく素通りしてしまうかも。とはいえ、入り口には、朽ち果てた「貧乏沢入口」の看板が置いてありリボンもぶら下がっています。

午後1時20分 入り口。小さい坂を登ってハイマツ帯に突入です。


おっと、意外としっかりとついた踏み跡に拍子抜けです。いきなり二手に踏み跡が分かれますが、どちらに行ってもすぐに下で合流します。左側の踏み跡を行きましたが、こちらの方が歩きやすいのではないかと、合流地点で右側の踏み跡を見上げて思いました。

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20分ほど下りると、ハイマツ帯が終わり涸れ沢に入ります。

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涸れ沢が続きます。踏み跡はなさそうなので、涸れ沢の中を歩きやすそうなところを見て下ります。

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今年は台風が多かったからでしょうか。右の斜面から根こそぎ倒れた木が沢を覆っていました。

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とはいえ、目の前に広がる紅葉にホッとしたり。

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またまたエライな倒木に道を阻まれたり。沢の左側に踏み跡を探しますがなさそうなので、倒木帯を突破。おっとと、とバランス取りながら進みます。右側の斜面は傾斜がきついので右側には踏み跡はありません。出だしは少々傾斜が緩いので、踏み跡っぽいものもありましたが、進入しないように。

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貧乏沢を下る人には重要な通過ポイントである通称「牛首の滝」。10年前の11月頭に、冬の北鎌山行の下見で高瀬ダムから入山、先天出合やP2への登り口(テン場)を確認して、貧乏沢を登ったことがある。あの時は、冬山装備に沢装備を持っていたのでおそらく荷物は20キロくらいになっていたと思う。登るのに5時間かかったと個人記録にあった。あの時もこの滝が正しい場所を登っているという目印になったなぁ。

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滝から下は水量多く沢の中を歩くことはできないので、左側に踏み跡を探し進む。ところどころ沢を渡渉する。
このルートファインディングに時間がかかるようでは、北鎌挑戦は難しいだろう。
素晴らしいリーダーに付いて行くだけだ、と言ってもリーダーについていける体力、自分の足を置く場所の瞬間的な判断力は必須。そうでないと楽しむこともできないと思う。


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お助けロープのあるとこ。どこかなぁ?知らん間に通過したんかなぁ?と思っていたらでてきた。一枚岩はほんのり湿っていて&苔が付いていて、ロープをつかんで下りても足を滑らせてしまった(私が)。いてて😣
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さらに沢を渡渉したりして、ロープのところから半時間ほどで天上沢との出合に到着。やっと着いた。貧乏沢入り口から2時間半かかりました。

この後、天上沢の左側を歩いて北鎌沢出合を目指します。伏流水になるところで水をプラティパスに汲みましたが、ここで事件が!
今回、軽量化を考え、メーカー自称50リットルのザックを使うことに。雨蓋やその他不要なパーツを切り取ったりして軽量化を図ったものです。で、水を入れたプラティパスをザックの一番上、バックル付きストラップで固定(怪しいとは思っていたが)してザックをかついだら...。ザックを回転させた反動でプラティパスがすっ飛んで河原に叩きつけられ穴が開いてしまった!翌日、予備の水を各自持って上がるための水筒が1つなくなった。

こういうことに詳しいハズが俄然張り切る(ありがたい)。持っているものはガムテープとテーピングテープ。どちらも「う〜ん」ということだったがとりあえずガムテープを、と試したが案の定水がにじみ出る。テーピングテープも水がにじんでダメだろう、ということで残った1つでなんとかすることにした。ビニールテープがいいだろうということだったが、あいにく持ち合わせていなかった。

4時半ごろ北鎌沢出合に到着。テントは、私たちのをいれて5張。下見に行きたかったハズだが、4時半にもなると薄暗く、あっという間に暗くなるのでやめといた。とはいえ、すぐそこの北鎌沢出合まで見に行く。一人で上流を眺めていた男性が「右俣はどこですかね?」と2万5千地形図を見せながら話しかけてきた。「正面に見えるこの沢やと思うんですけど」というと「いやぁ、あれは左俣じゃないかな」と。「うちらも初見なんで。分からないです」「そうですかぁ。いやぁ、あれは左俣じゃないかなぁ」と話は終わったが、さて明朝どうなるやら。

暗くなってか空を見上げると天の川が見え、貧乏沢の上にカシオペア座が見えていた。それと、不思議なものを見た。方向でいうと、西岳の上空だから南東、南南東方面の空。オレンジ色でぴよん、ぴよんと上下運動する星のようなものが空に浮いていた。流れ星のように動くわけでもなく、上下運動をその場で繰り返すだけ。あれはなんやったんやろうか?

北鎌山行その3はこちら



2018年10月13日土曜日

槍ヶ岳・北鎌尾根

槍ヶ岳・北鎌山行記録その1

山行日 2018年10月7日(日)〜9日(火)
ルート 中房温泉〜貧乏沢〜北鎌沢〜北鎌尾根〜槍ヶ岳〜東鎌尾根〜中房温泉
メンバー ハズと私

2018年10月7日(日) 晴、稜線は暴風
台風25号は日本海を通過。多少の影響が気になったが、7日以降は天気は回復するとの予報で、とりあえず行ってみることに。万が一、天気やルートの状況などが悪かった場合は無理せずに引き返すという約束で関西を出発した。

私は、これまで北鎌に行ったことがない。約10年前、冬の北鎌山行を計画し11月上旬にP2の偵察に、高瀬ダムから入山、貧乏沢を登って中房温泉に下山するという計画を遂行したことがあったが、結局、人数不足=ラッセル大変だろう、ということで計画は中止。これ以降、せめて無雪期に登りたいと思いながらもその機会に恵まれなかった。
先月の連休に行く計画にしていたが、天気予報がよくなかったので10月の連休の計画(剱岳・早月尾根)とひっくり返した。

まずは、中房温泉の駐車場にスペースがあるかどうか。なければ、かなり下の「たこ平」という温泉宿の隣の駐車場か、最悪は穂高の町中の駐車場に停めてバスで移動=お金と時間がかかる、ことになる。
夜中3時頃。たこ平の前でガードマンの人が立っていて停められた。なんだろうと思ったら上の駐車場は第3のみスペースあり。駐車場までの道中は、台風の影響で枝、葉などが落ちているのでパンク等しないよう気をつけて運転してください、とのことだった。いやぁ、ありがたいです。風が強い中、一晩中立ってらっしゃるのか?とにかく、ご苦労様です。

第3駐車場(有明荘の真横なので、煮炊き、テント設営厳禁です)に到着。思ったよりスペースあり。仮眠をして朝6時、出発する。
登山口は人でごった返しているが2ヶ月前よりも人は少ない。

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登っているし、日が差して来ると少々暑いくらい
晴れていたら大天井岳が見えるはずだが、この日は、雲で見えず
(写真左側の緑色の斜面の上が山頂)
順調に30人抜きくらいして登る。合戦尾根小屋に到着。名物のスイカは9月末で販売終了。今は、おしるこを販売しているらしい。

9時過ぎに燕山荘に到着。風がきつい。雲の動きが早く、眼下の高瀬川を挟んだ西側の山々には雨雲がかかっているようだ。時間に余裕があったので、一杯500円のコーヒーで休憩。なかなか美味しいコーヒーだった。

さて、次に目指すは大天荘ヒュッテ、ということで小屋の表に出ると...


虹がかかっておりました。そして風がきつい。写真では分からないですよね〜。通常、この稜線は西側(富山側)からの風が吹きます。この日はそよ風どころじゃなく。出発しかけましたが、あまりに寒いので雨具の上を慌てて羽織りました。


行く先に見える北鎌の稜線は厚い雲に覆われており、明日以降はどうなるのか不安になります。周りの山にかかる雲は時折、風に流されて動くのに、北鎌の雲はなかなか取れませんでした。

蛙岩、為右衛門吊り岩、切り通し岩、喜作レリーフと強風の中進み、大天荘ヒュッテまでの道に入ります。牛首山の北斜面は、ダケカンバの葉が落ちとても寂しい様子でした(↓)




大天荘ヒュッテに到着しました。黄色い看板には「体力、経験不足の人は北鎌には行かないように」と書かれています。小屋に入って支配人の小池さんに挨拶。「今回は北鎌なんです」というと、特に驚いた様子もされず拍子抜け。少しは「挑戦ですか!」って言って欲しかった(笑)。


小屋の前に広がるニノ俣谷もすっかり秋の様相。2ヶ月前には、トリカブトなどが咲いていたのに。早いもんですね。セルフコーヒーとドーナツをいただき、ビールを各自1本仕入れていざ、貧乏沢を下るべく出発しました。

その2に続く→こちら