2018年12月31日月曜日

剱岳 早月尾根

山行日 2018年12月27日〜28日
山域  北アルプス 剱岳 早月尾根

2018年最後の更新は、この冬の山行記録。冬の剱岳には、私はまだ登っていないので、2度目のチャレンジで行って来ましたが、今季最強の寒波襲来と重なりあえなく敗退。今回は2人で劔岳ということで、かなり重たい荷物を担いで入山したのに1泊2日での帰宅となりました。

12月27日(木)
前日夜に関西を出発。北陸道の小矢部SAで仮眠。コンビニでおにぎり弁当とお味噌汁を買い朝食を食べていると、予約していたタクシー会社から電話が。天気が悪いけれど行きますと言って電話を切り、思い切って馬場島駐留の富山県山岳警備隊に電話して現地の様子を教えていただく。というのも、この時点で小矢部は結構な雨降り。雨降りの中、冬用アウターを着て歩くのは嫌なので、現地の様子を聞いてみると馬場島は雪、との情報。
雪だったら行ってみるか、と最強寒波にもかかわらずとりあえず行ってみた。
タクシーは伊折まで。簡易ゲートがあって雪がなかったが、ここまでだった。もう少し進んで欲しかったなぁ(笑)。

担ごうとすると、こちらが振られる重さのザックを担ぎ、傘をさして歩き出す。ゆる〜い登り坂。すぐに荷物が肩に食い込み重みに気が萎える。

道路に雪が見え始めたのは、ゲートの辺りくらいから。それでも、雪上車が通過した後なので、歩きやすい。途中で白萩発電所で作業する北電の四駆に抜かされた。

そんなこんなで2時間半かかって馬場島に到着。馬場島ではしんしんと雪が降っていた。
山岳救助隊の駐在所に行き、申請確認、ヤマタンをいただく。寒波襲来の最中に本当に行くの?という感じの質問ぜめ。まぁ、「行かないで」とも「行くな」とも「行ってらっしゃい」と、どの言葉も言えないだろうが「行くのは考え直したほうがよい」と言いたいのが本音だと思う。ともかく、そんな気持ちを痛いほど感じながらも、とりあえず行くつもりです、と伝える。

夕方になりさらに降雪が増す。早月尾根の方を見ると、上部はずっと雪雲がかかったまま。その雪雲がどんどん下りてきているのが分かる。

結局「天気には勝てない」というハズの一言で、翌日下山することにした。

12月28日(金)
新しく買ったシュラフマットが心地よく、よく眠れてご機嫌の寝起きだった。とはいえ、少し長すぎるので小さいテント内だと邪魔になるかも、という一長一短なところはあるが。とにかく、地面からの冷えが、確実にシャットアウトされ夜中に寒くてブルブル震えることがなかったのが本当によかった。

それはさておき、帰る用意をして駐在所へ向かう。昨日とは違う隊員の方がいらして、「この雪では難しいので下山します」と伝えると少し嬉しそうだった。まぁ、分からんでもないけど「そないにあからさまに安堵しなくてもいいじゃないですかぁ」と言おうと思ったが、関西のノリで言ったことが伝わるかどうか(関西出身の方でもなさそうだったし)不安だったので言わずにおいた。

その後、馬場島荘に立ち寄り管理人の方と少し世間話をして下山開始。雪降る中、傘をさして2人で交代しながらラッセル。昨日は足首もなかった雪が一晩でひざ下。25センチくらいは積もったのではないかと思う。この状態じゃぁ、早月尾根のラッセルは2人では厳しい。

とぼとぼ歩きながら静かな雪道を2人で歩く。前日はゆるい登り約8.5キロを20キロ超えの荷物を背負って2時間半で歩いたのに、下りなのに結局伊折まで4時間半かかった。

私たちより前に入山した2人パーティは池の平山で救助を待っており、もう1パーティは東京の大学の山岳会ということで早月尾根で待機しているとのことだった。2人パーティは、今日(31日)午前中に救助されたとのニュース。よかったです。大学生パーティはどうしたのかな。今日辺り、頂上アタックしてるかな?
何はともあれ、皆さん無事に下山されることを祈っています。

 
重たい荷物を背負ってポーズを取るのもちょい大変

早月尾根下部は時々うっすら見えるけれど、上部は雪雲に覆われていた

馬場島の翌朝。ちょっと歩き回るのもこの状態。膝上ラッセル

やっと伊折に到着。待ってくれてたタクシーが見えた時はほっとした

消化不良なままだと年を越せないので、30日(日)には烏帽子岩へ
岩登りに行く。久しぶりなので超簡単なルートを登って腕慣らし

ということで、2018年も終わりに近づいています。来年は天気に恵まれた山行ができるといいなぁ。
みなさまよいお年をお迎え下さい。



2018年12月11日火曜日

雪山始め山行...but NO SNOW!!

耐寒訓練を兼ねて中央アルプスの木曽駒ケ岳へ行って来た。
ロープウェイのライブカメラを見ていると積雪がない状態で、一泊二日の予定をしていたが、水を作る雪すら望めないということで、行く直前に日帰りに変更。装備をイチからパッキングし直しての出発となった。

中央アルプスは関西から比較的近いので嬉しい。
駒ヶ岳SAで仮眠をして6時頃起きる。コンビニがあるので味噌汁を買い、家から持って来たおにぎりとで美味しい朝食を食べる。おにぎりはやや冷たかったけど、暖かいお味噌汁が食べられるのは嬉しい。

8時15分の始発には乗れなかったがすぐ後の臨時便に乗って朝イチで千畳敷ホテルへ。アイゼンを装着しホテルを出ると。

この状態...。雪がない。


去年の同じ頃と比べてみる(↑)。去年も少なかったけど、まだあった。まだ、雪崩の危険があるくらいには雪が積もっていたが。今年は夏道が出ているだけでなく、うぅん、雪崩の危険はこの雪ではない、と言っても過言ではない状態。

いきなり2600mに登って来たので薄い空気に慣れるべく、少しゆっくり歩いてもらうがすぐに団体さんに追いついて追い越す。ホテルから50分で乗越浄土に到着。そしていつものごとく強風が吹きつける〜。さぶっ!

中岳を通過し、木曽駒ケ岳の山頂を目指す。いつもなら雪があって、ラッセルなどをしていて山頂は行くつもりにしていても時間的に無理でいかないことが多いが、この日は余裕。ただ、風はきつい。

11時に頂上。風がますます強い。残念ながら御嶽は見えなかった。寒いのでとっとと下山する。
頂上小屋の東側に回って風を避け休憩を取る。甘いお菓子と暖かいお茶が美味しい。

再び風の中に飛び出て乗越浄土まで歩く。ここから千畳敷カールに入るとぴたりと風が止む。帰りは、積雪がある場合は(というか冬季は)通行禁止の剣ヶ池の西側の夏道を歩く(↓)


雪が全くありませ〜ん。12時頃ホテルに帰着。12時55分のロープウェイに乗り下山。この日のうちに帰宅できた。
宝剣岳中央稜を登っている3人パーティがいた。この時期に、この雪の少なさで登れたのはある意味、ラッキーだなぁ、と思う反面、ちょっと物足りないかもね。



2018年12月4日火曜日

歩荷トレ in 六甲

山行日 2018年12月3日(日)
ルート 阪急芦屋川駅〜一軒茶屋〜阪急芦屋川駅

10〜11月は、クライミングを堪能して、遊び尽くしたところで、楽しい時間は終わり、ということで冬山に向けてのトレーニング開始。
まずは、恒例の歩荷トレ。アイゼン着けて歩くのが必須ですが、いつ頃からかアイゼンを着けて歩いていると木の根を傷めるとか道がどうの、という声が聞かれるようになってアイゼンを外して歩くようになった。まぁ、土の上をアイゼン着けて歩いてもどうか、とは思うが、足の重みの違いはかなりあるので、やはりアイゼンを着けて歩くのがトレーニングになるだろうなぁとは思う。

ハズは28キロ、私は24キロの荷物を背負う。通常2時間半のところを時間がかかるだろうということで、8時に芦屋川駅到着。日曜だからか結構人がいる。駅から高座の滝までの住宅街歩きが1つ目の難関。アスファルトの道を重登山靴で歩くのは結構辛い。(靴底が硬いのでね)

高座の滝で岩を拾いザックに詰めいざ出発。10月の北鎌以降、トレーニングをがんばっているので案外重たく感じない。(決して軽く感じるというわけではない。24キロだもんね)

1時間に1回、休憩を入れながら一軒茶屋を目指す。岩を入れていた時間なんかもあるが、3時間半くらいで一軒茶屋に到着した。まぁまぁいい感じのペースで来れた。しかし、いつもより荷物が重いからかお腹が空く、空く。ちょっと多いかなくらいのパンを持って行ったのに足りなかった。ハズにおすそ分けしてもらう羽目に。本番は行動食の量に気をつけなくては。

荷物の岩を出して芦屋川駅まで引き返す。家からそこそこの重さの荷物(約10キロ)を持ってきたので、最後の1時間、これが肩に食い込んで重たく感じた=体力足りない。うぅん、あかんなぁ。

さて、季節の風物詩の写真。

芦屋川に毎年来ている鴨のカップル。3週間前にも1組見たが、この日は3カップルもいた。平べったいクチバシを水の中に入れて、藻かな?一生懸命食べていました。


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ルートの途中にある「本庄橋跡」の紅葉がとっても綺麗でした。


葉の紅葉と黄葉の重なりは、今まで見たことないグラデーションでした。


木の下から見上げると真っ赤に染まった葉がキラキラしてました。

今日(2018年12月4日)は、ものすごく暖かい日です。今週末にかけて気温が急降下し、やっとこさ冬が始まるようです。みなさん、体調など崩されないようお気をつけください。

2018年11月15日木曜日

秋深まり...六甲山系

久しぶりの投稿です。
六甲にトレーニングで歩きに行くか、裏六甲で岩登りばかりをしており、10月の北鎌以来遠出はしていないので、特に更新する内容もないので...。

とはいいつつ、六甲の様子をアップします。


阪急芦屋川駅から高座の滝へ向かう途中、芦屋川沿いの桜並木の1本です。春には桜を満開にして楽しませてくれましたが、すっかり葉が赤くなりました。11月2日の写真ですが、大阪などではまだまだ緑の木が多かったです。やはり少し山沿い、川沿いで風に吹かれるからか紅葉が進んでいました。
この前日くらいだったか、六甲山小学校でストーブに火が入った、というニュースがありました。

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同じ11月2日、東お多福山頂上のススキです。向こうは、大阪市内から奈良県境の金剛山系が見えていました。肌寒い1日でした。

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これは日を遡って10月26日の写真。高座の滝付近で。うちの庭でもカマキリを見ますが、このカマキリはお腹が大きくて、近寄ると危険を察知して逃げようとするのですがお腹が重たいのかよっちらよっちら、といった感じでした。もちろん、触らず見るだけでそっとしておきます。無事に産卵したでしょうか?

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こちらは10月19日に撮影したものです。いつものハイキング道を歩いていると頭上から「コツコツ...」と聞き慣れない音がするのでなんだろうと見回して見ると、木に止まった鳥が巣作りをしているのを発見!カメラを構えると、結構離れているのに気配を察知され、一旦飛び去る。辛抱して待っていると、再度同じところに戻って来て、作業再開!音も入っていますが、ちょっと小さいすぎて聞こえないのが残念。

そういえば、結局この巣が完成したか確認していないなぁ。次行った時、確認してみます。

とまぁ、こんな感じでぼちぼちですが、冬山山行に向けてトレーニングしております。

2018年10月25日木曜日

槍ヶ岳・北鎌尾根 その5

(ここまでの記録は、画面左の「月別更新」または「アクティビティ別北鎌山行」またはページ下のリンクからご覧ください)

それでは、その5「下山までの長い道」です。

前日の夕日は本当にきれいでした。あんなに空が焼けた夕日を見たのはいつぶりか、というくらいの美しさでした。

日が沈んだ後は、夜通し風が吹いて、フライがバタバタと風で鳴り通しで時々目が覚めるという状態でした。
通常、北鎌を登った人は、上高地へ下るのが主流のようですが、私たちは諸事情あり中房温泉までの長い長い道のりを戻るというルート取り。前日、追い抜き追い越しされていた黄色ザックの2人パーティは「上高地方面に出来るかぎり下る」と言ってました。

朝3時半に起床しましたが、まだ起きてる人はおらず。今回は特に小さいテントの中で、なんとか朝ごはんの用意をします。とはいえ私はあまり食べられず。食べたいのだけど、食べなくては、と思うけど、食事が喉を通らない。少しだけでもと思ってとにかく食べる。

朝5時半、テントを片付けて中房温泉に向かっていざ出発。テン場から小屋の前へ行くとちょうど日の出でした。

槍の頂上と雲海。右端に常念岳

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あっという間に日が上がり、辺りは明るくなりました。さて、長い長い東鎌尾根を歩き始めます。

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ヒュッテ大槍の辺りで振り返ると、昨日登った北鎌尾根の後半部分〜槍の頂上が見えます。北鎌平でビバークをした「上原くん」はもう登り出してるかな?大丈夫かな?と2人で話す。

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だいぶ進んでからもう一度振り返ります。結構、しんどかったけど、やはり下るとなると名残惜しいです。ずっと登りたかった尾根。一旦登ってしまうと、次の目標がなくなったような気がします。
(とはいえ、落ち着くとまだまだ登りたいところは山とあるんですが)

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さて、長い尾根歩きは続きます。まだ元気でした。

設置された梯子を下り...

長い長い梯子を上がり...(お尻の写真ですいません)

まだまだ続く長い尾根

だんだんしんどくなってきた頃です。
この後、水俣乗越を過ぎヒュッテ西岳にもう少し、というところの登りでダメージが出ました。
小屋閉めの作業をされているヒュッテ西岳に到着し、ちょっと長めに休憩。その後は、大天荘ヒュッテまで、2ヶ月前に一往復した道なので、まぁ大丈夫だろうと思っていたのですが...。

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しんどかった...。しんどいながらも、途中、左を見ると昨日登った北鎌沢が見えました。写真下の点線赤マルのところで一昨日の夜、テントを張ってました。こうやって見ると、北鎌沢右俣の登りが直線であることがよくわかります。写真で赤マルから1センチほど上のところで左に切れ込んでいるのが北鎌沢左俣。

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この後、お天井ヒュッテに到着。支配人の小池さんにご挨拶。小池さんの笑顔を見るとほっとしました。行動食のお菓子ばかり食べるのはしんどくて、予算の都合もありどん兵衛を食べる。少しお湯がぬるかった麵が固めに出来上がった。山の上では少し長めに待ったほうがいいかも。少し待つといい具合になりおいしくいただきました。

ここから中房温泉まであと6時間。私たちの足なら5時間くらいでいけるはずが...。辛かった。

なんとか燕山荘に到着。そこから中房温泉まであと一息。第2ベンチで日が落ちた。またか。


中房温泉に到着したのは午後6時30分。真っ暗(↑)。2ヶ月前と違って、キャンプをしている人もおらずし〜んと静まり返っている。でもなんとか到着した!あとは風呂入って高速乗って帰るだけ。とはいえすでに6時半。所用を済ませて帰宅したのは、翌日未明だった。

お風呂
安曇野しゃくなげの湯 大人1人700円 こないだは入らなかった「炭酸水の湯」気持ち良かった〜☺️


2018年10月20日土曜日

槍ヶ岳・北鎌尾根 その4

(ここまでの記録は、画面左の「ブログ・アーカイブ」または「アクティビティ別→北鎌尾根」またはページ下のリンクからご覧ください)

北鎌沢のコル〜頂上〜肩の小屋まで

さて、さて、次なる壁は、独標。トラバースルートとダイレクトルートがある。トラバースルートは長いザレ場を横切り、次にコの字型に突き出たところの通過。気乗りしなかった。圧倒的にトラバースルートを行く人が多いのだけど。

北鎌沢のコルからの出だしもはっきりとした踏み跡あり、安心したような拍子抜けのような。木々の葉は台風の影響か落ちてしまって少し寂しい風景。



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時々、木登りを交えて尾根上を忠実にたどります。ロープを出す必要はなし。他の人のブログや記録で見るような高度感は意外とない。


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振り返ると北鎌沢のコルより下部が見える。真冬はこの向こうから登り始める。ハズは随分前に突破している。改めてすごいなぁ、と思うけど…。
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なんだかんだ言ってるうちに通称「天狗の腰掛」(多分)

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天狗の腰掛に続くピーク。先を行く2人パーティ(黄色ザック)と単独の人(黒色ザック)が見え隠れしていた。こちらを振り返ったようだったので、手を振ったけど無視された(笑)

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下りたり登ったりを繰り返していると、独標前に到着。この写真じゃぁ、独標の大きさが分からんなぁ。トラバースルートがよく分からん。ダイレクトルートは写真左端のルンゼを登る

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覗くと、白ヘルメットの2人パーティがロープを出して登っていた。ロープいらんかなぁ、と思ったけど、どうせ待つなら出そうか、といってロープを出して登る。ルンゼを登るハズ。ここホールドがなく荷物が重たいので少々苦労した。


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ダイレクトルート途中から見下ろしたトラバースルート。どこを歩くか分からんでしょう?(写真・ハズ)
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先ほどのルンゼが終わり、少し進んでロープはいらんな、ということでフリーで登った(写真・ハズ)リッジは高度感があって怖いと予習していたが怖くなかった。ただ「高所恐怖症」で「岩登りそんなにできない」という人は、トラバースルートを行かれた方がいいでしょう。

この後「独標の門」と言われる大きな岩の間を通過すると...


どーん!と目の前に現れる槍ヶ岳。おぉ、でっかい!こんなにでっかく見えるとは!左奥には前穂の北尾根もきれいに見える。最高の天気に感謝!なんだろなー、なんかすごいこの景色を見てると不思議と涙が浮かんだ私。

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独標では写真だけ撮って先へ進む。ここで、隣のテントにいた北鎌沢の登りで抜かした「上原くん」と白ヘル2人パーティを抜かした。(巨人の上原選手に似ていたので)

その後もこんなところを登ったり下りたりして進む。ロープは不要。稜線を忠実にたどる。巻く時は右側。




鹿窓があるピーク。右のピーク下に白ヘルパーティの人が見えます。
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どんどん進みます。槍ヶ岳が近くなるのが意外と早かった。この後、黄色ザックのパーティに追いつき、追い越します。
近寄りすぎると岩、石が落ちて当たるので、追撃するならちょっと離れてお願いします。こちらも落とす気は全くありませんが、なんせザレているので、気を使っていても石が落ちていきます。

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見たかった「諸君頑張」のプレート。これも見過ごしたかな、と思っていたら最後の最後で現れた。
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秋の日が槍の穂先からこちらに差し込み眩しいです。でも嬉しい晴天。
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これまた有名な下のルンゼ。右側から登れると書いてる人もいましたが、うぅん、どうかな。左側を登り、ハズの位置より少し下で右側に移るという感じで登るとうまくいきました(私)。

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そして上のルンゼを登って、見上げると頂上の人がのぞいてます。正直、私自身、頂上からこちらをのぞいたことがなかったので、どこに出るのかわくわくでした。
登り切ると、祠のちょうど右横に出ました。ほぉ、ここに出てくるのかぁ。

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記念撮影をして振り返ります。今日歩いてきた尾根です。写真右端の尖ったところが独標。あの向こうから歩いてきたんだなぁ。
北鎌沢出合〜北鎌沢のコル=2時間、コル〜頂上=7時間。悪くない速さではないでしょうか?

この後、肩の小屋まで下りてテント場申請をしてテントを張り、小屋前のテラスでビールとおつまみで乾杯しました。

が、実は私、尾根の途中からバテてしまっていたのでした。もともと高度には弱いので、高度障害かと思ったけれど、ビールは飲める。ひょっとしたら、季節ハズレの暑さで熱中症だったのではなかったのかなぁ、と。体がだるくてだるくて。尾根上3回ほど休憩しましたが、休憩後ザックを担ぐとなぜか次第に重さが増すという怪現象。冗談で「後ろに誰かおらん?」とかって言うてましたが、その重さ、だるさ、かなり辛かったです。

3連休最後の夜なのでテン場は空いているかと思っていましたが、意外と混んでいて、私たちがチェックインしてから1時間後くらいには「満場」となっていました。これも働き方改革の影響でずらして休みを取れる人が増えたからか?(知らんけど)

そして、この日がんばったご褒美は...


テントの正面に見えたこの夕日。言葉はいりません。ただただ...きれいでした


その5「下山への長い道」に続く...こちら

2018年10月16日火曜日

槍ヶ岳・北鎌尾根 その3

(ここまでの記録は、画面左の「ブログ・アーカイブ」または「アクティビティ別→北鎌尾根」またはページ下のリンクからご覧ください)

北鎌沢出合〜北鎌沢のコルまで

2018年10月8日(月)快晴

午前3時半に起床。トイレに出たハズが「周りのテントはすでに明かりがついてるわ」とのこと。さすがに北鎌尾根を目指すだけあって皆、早い。

軽量化のために、荷物なしで2人が眠れるテントで来たがやはり狭い。煮炊きをする時が一番狭さを感じた。また、外に出して置く荷物をまとめるのにも余計な思考力を使うのでやや疲れる(年齢ゆえか)。

午前5時半出発。すでに他のテントはない。やっぱり一番最後かぁ。ま、いいや。今日は槍ヶ岳の肩の小屋のテン場やし。4時頃には到着したいけど、こればっかりは分からない。なんせコースタイムもなにもないバリエーションルートだから。


まずは北鎌沢右俣を登る。出合から目星をつけていた場所がやはり左俣と右俣の出合だった(写真黄色の丸印のとこ)。下からでは、二股は木々で見えない。意外とすぐだった二股。ここは右側=右俣へ進む。奥に細く1本見えてるラインが右俣だ。これを詰めると北鎌沢のコルに出る。

ネットで検索するとこの北鎌沢の登りを「右へ、右へ」と書いてあるが私たち二人の意見としては、「直進」である。よく言われる「クライマーズホイホイ」と言われるところも結局どこだか分からなかった。数年前に大天荘ヒュッテの支配人が、ホイホイ方向に入ってしまう登山者が多く、重大な事故が発生しているということで、ここだけ足元の石にバッテンをつけられたのだが、全く分からなかった。それに、確かに右方向から細い沢が落ちて来ていてるが、どう見ても進めるような沢、踏み跡ではないことが明白。なので、とにかく、左俣との二股を右俣に入ったら、一番大きい、広い、しっかりした沢筋を登ることだと思う。

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二股を右俣に入ったすぐのところ。見上げてるのか下を見てるのか分からない写真ですが。ところどころに赤テープがありますが、あまり気にしない方がいいかも。赤テープを探していると時間かかるので。右俣をひたすら詰めます。

1時間ほど進んで見上げると昨日話した若者が見えた。水をたくさん積んでるのかな。重たそうに登ってはりました。

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出合から1時間半ほどで赤茶けた小滝。これもネットで検索したら結構出て来ます。

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7時を過ぎると、背後の表銀座の稜線から日が差し、暖かいを通り過ぎて暑い。本当に10月にしては暑い3日間だった。
そして沢の真ん中にアイランド(島状の中州)が出現します。ここも右側を直進。右の斜面に入るのではないですよ。

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上の写真のアイランド型中州の右側を進んでるところです。前方に若者が見えました。
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これはどこっだけ...?ともかく、上の写真を過ぎて、あ、そろそろコルかなぁ?コルやといいんやけど...って思い始める場所です。この先、真ん中にアイランド(小)が出現しますが、このアイランドはよけずに真ん中を登ります。草の中に踏み跡がありました。
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盛り土アイランド(小)を超えると、あらびっくり!しっかりした踏み跡が出現します。ここを進めば北鎌沢のコルです。テント、小さいものなら2つは張れそうです。そして、古いタイプの錆びた鍵が落ちてました。北鎌終わって家に帰って鍵がない!どうされたんでしょうかね〜?

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小休憩を入れていると、若者が到着しました。少ししんどそうです。昨日ほど饒舌じゃないです。大丈夫かな?暑いもんね、今日。
行動食を食べた我々はいざ、北鎌尾根縦走すべく出発したのでした。

その4へ続きます...こちら