2017年11月29日水曜日

旅行へ

更新が滞っておりましたが。
11月23日には、不動の東稜でアイゼントレをしておりました。あそこでアイゼントレするようなレベル保持者ではないので、めちゃくちゃ怖かった。クライミングシューズなら、ほいほいほいと登れるのに、アイゼン&手袋となるとなんであんなに怖いのか。普段は気にならないランアウトが、ひじょ〜に恐ろしい。落ちられない、と思えば思うほどなぜかぎこちない動きになり自分を窮地に追い込むムーブ。あぁ、怖かった。

早めに終了したアイゼントレの後、ハズが例のルートのレッドポイントを狙いたいというので、烏帽子岩へ移動。すると狙ったルートにクイックドローがぶら下がっている。おっと、これは予想外の展開。日暮れ間近だったので、すでにみなさん退散後だと思っていたのですが。
日暮れ前に登って下りてこられるかな?今後の予定を考えていたらこの日しかチャンスはない。
とりあえず簡単なところでアップをして、先客さんの登りを見て待つ。彼はプリプロで一度テンションかけて完登。核心のところの登り方は違ったなぁ。なんだかとっても力の要る登り方。色んな登り方があるなぁ。

で、満を持してハズのトライ。核心のところで危うくなって諦めかけるような態度を取ったので「大丈夫、大丈夫。」と声をかける。落ち着きを取り戻して核心を無事抜ける。完登。レッドポイントおめでと〜!

で、週末は旅行へ。
宮島と岩国の錦帯橋へ。錦帯橋はなんか行ってみたい、見てみたい、と思ったのでちょいと足を伸ばした。橋の板組が噂に違わずすごかったですな。渡ると段差が始まるところが分からずつまづきそうになる。このカーブの上でつまづいたらエライことになるだろーなー。
宮島ではおいしい大きな牡蠣をたっくさん味わい、満腹&贅沢な記念旅行でした。すごい贅沢をした後は、再び大阪で清貧の日々。庶民なのでね。そうそう贅沢ばかりしてられまい。

厳島神社の神様に5周年の報告のため訪れた

錦帯橋と岩国城

さて、これからは冬山行に向けての準備が始まります。街はまだ少し暖かいですが、山はすでに冬のようです。


2017年11月15日水曜日

小豆島クライミング

2017年11月12〜13日 小豆島でフリークライミング

4年ぶりに小豆島へ。特にクライミングが上手くなったわけでもないが、上手い、下手は関係なくクライミングを楽しみたい。

日曜の朝一番の姫路発のフェリーに乗り小豆島は福田港へ到着。多くの車がフェリーを下りて左折=オリーブ園とか寒霞渓とか観光地へ向かう中、私たちのデミちゃんただ一台が右折して非観光地の方向へ向かう。
5分ほど走るとクライマーのパラダイス「吉田オートキャンプ」へ到着。昨今のキャンピング流行なのか、前日から(?)利用のお客さんたちが2グループいた。びっくりするような(とはいっても彼らには普通の大きさなんだろう)でっかいテントを張っていた。

どこでも張っていいよ、という管理人さんの(お久しぶりです!)言葉に好きなように張る。そして今回はなんとなくオートキャンパーみたいなことをしてみたいと、なぜか家にあった、でも長年納戸で眠っていたタープを持ってきて張ってみた。

テントが山用なので、なんとも不釣り合い(笑)。しかも防水性が衰えており、翌朝、スリッパが夜露でびしょびしょになっていた。ということで今後の出番はないことに。

さて、登りに行く。キューブロックでウォーミングアップ...のはずが、スズメバチの威嚇飛来でまたまた退散。今年は蜂難だ。

一旦、車道に下りてビギナーズロックから上がるが、どこにいるかさっぱり分からず。以前、キャンプ場の事務所に張ってあった岩場全体図を写真に撮り、それを今回印刷して持ってきたのだが、それでも岩場の位置関係がよく分からない。とりあえず登っていく。

天気よく、気持ちいい。鳶が頭上を悠々と飛んでいる。気持ちよさそうだぁ。鳶の周回には何か意味があるのかな?縄張り確認だけ?

で、上の写真のルートを登り、藪漕ぎ(またか)をし、到着した岩場がここ。夕暮ロックだと思われます。向かって左のカンテ沿いの優しいルートを登り、トップロープをセットして第3の男をトップロープトライする私。前傾していて力がなくしんどい...というのと、キレッキレの花崗岩の岩粒、岩肌に指先が我慢できない。いたすぎる〜〜!。でもなんとか突破できてよかった。

翌日も朝からぎりぎりの時間まで登って楽しんだ。日が当たると暑いくらいで11月なのに寒がることなくフリーが楽しめるいいところだ。でも1泊2日は短いなぁ。できれば2泊3日以上で来たいなぁ。また行こ。


吉田の岩場全体図〜オートビレッジ管理棟に張りだしてあるものです




2017年11月8日水曜日

久しぶりの烏帽子

2017年11月5日(日)

3連休の人もいるこの週末。私らは3日と5日の2日の休み。10月は3週目から雨続きの週末で体がそろそろなまってきそうになってやっと晴れた。
久しぶりに3日、5日と烏帽子に行ってきました。

久しぶりなので私はぼちぼちと。ハズはがんばって落とそうとしてるルートを登る。
5日は、山岳会から一人参加。こちらはうちらよりははるかに上のレベルのルートをがんばる。

二人とも、結局レッドポイントできず。でも、次には落とせそう、という手応えがあったようです。
私もこの日は、6本すべてマスターで登り気分上々。やりとげた感いっぱいです。

駒形で11bのレッドポイントに挑むNさん。
細かい手足が続きます。見てるだけで手が張ってくる...

この日2回目のトライ。さぁ、落とせるかなぁ...。あかんかった!
右足つま先の微妙な向きで手が伸ばせなくなる。クライミングして
人の体の伸び縮みの面白さを知った私です

さて、次回はいつになることやら。でも、そろそろ落とせそうですね。私も私なりにがんばらねば。
久しぶりの外での活動を楽しんだ二人でした。


2017年11月1日水曜日

山行きたいなぁ〜

今日から11月が始まりました。おざなりですが、今年もあと2ヶ月となりました。早いですね。毎年、毎年、時間が過ぎるのが早くなっているような気がします。1日24時間、1年365日というのは閏年を除いて同じはずやのに。

3週間連続で台風、雨降りと山に行けてません。飯豊に行ってからすでに4週間ほどが経ちます。きれいだったなぁ、あの紅葉。ということで写真を見ては思い出してます。







いつか、白神山地の紅葉を見てみたいと思います。自然林の紅葉は本当にきれいです。心が洗われます。

今週末は天気よさそうかな?

2017年10月13日金曜日

The 錦秋 〜飯豊山(2105.1m)〜

2017年10月8日(日)〜10日(火)

ファミリー山行で、秋の3連休を使って山形県と福島県の県境にある飯豊山に行ってきました。(新潟県にもかかっている稜線もあります)父ちゃんの百名山踏破計画のひとつです。
飯豊山は、登山口があちらこちらにあるのですが、今回は、関西−山形の往復に2日かかるので、1日で頂上へ行って下山できる最短距離のコースを選びました。それが山形県西置賜郡飯豊町にある大日杉小屋からのコース。とはいえ、コースタイムは13時間。通常はみなさん、山中1泊で計画されるようですが、繰り返しますが1日しか登山の時間が取れないので13時間という長時間歩行が一番短いコースというなんとも矛盾してるような内容の登山でした。

登山口に到着した日の夜は、登山口にある大日杉小屋泊。大人1人1500円。食事の用意はないので各自で準備しなくてはなりません。レトルトのおでんで到着祝いの軽い宴会をして早々に就寝。

9日の朝。日の出にはまだ遠い朝4時前出発。もちろんヘッドランプ歩行(最近多い)。途中、がさがさと草むらに「何か」いた様子で慌ててラジオをつけたものの、一番電波のいいNHK(AM)は「ラジオ深夜便」の時間。がやがやした音を所望していたのですが。クマ避けになっていたかどうか...。

東北の山なので寒いのかなぁ思いきや、ルートの半分近くは暑く半袖でもOKでした。が、飯豊本山(*)への稜線に出た途端、雲の中に突入し強風が吹き、2000m弱の標高といえども気温と天気はがらりと変わったのでした。この時期の登山の装備は暑さと寒さの両方に対しての備えを万全に。

休憩時間を入れてほぼコースタイム通りに下山できてよかったですが疲れた。今回は、登山の内容よりも予期せずすごい景色に出会えました。

夜明け前には、この季節ならではの雲海が眼下に広がり...


植林のない自然林の黄葉と紅葉が目の前に広がり...

鮮やかな木々の紅葉に興奮しました

残念ながら、本山手前でこんな感じで頂上からの眺めはなかったのですが。

本当によかったです。きれいでした。「錦秋」という言葉がこれほど当てはまる紅葉は人生で見たことがありませんでした。飯豊山の紅葉は「The 錦秋」だと思いました。植林のない山がこんなにいいものだとは実際に見るまで思ってもみませんでした。

一足お先に紅葉狩りをしてきた3連休でした。しかし東北は遠かった。車の運転も片道丸1日かかりました。

*「飯豊山」という山はなく、今回登った本山が飯豊山の本峰と呼ばれる頂上で本山から20分ほど南側に飯豊神社、すぐ横に本山小屋があります。一番高い地点は、本山の西側にある大日岳で2128m。

2017年10月2日月曜日

丸山東壁 緑ルート登攀 その1

2017年9月23日(土)〜25日(月)

ずっと気になっていたけど、多分登ることないかなぁ、と長年思っていた丸山東壁・緑ルートへ行ってきました。
23日の天気は、少々雨上がりが遅れ、扇沢からトロリーバスに乗って黒部ダムに到着した時も小雨がぱらついてましたが雨具を着るほどでもなくそのまま出発。山深い場所ですが、アプローチは1時間半くらいという近さ。

黒部ダムの放流を見ながら(放水によって霧雨になるというのが、距離あるのにすごい水圧なんだなと改めて感じる)内蔵助谷出合にむかって水平道を歩きます。土曜日ということで数人は同じ方向へ進んだようですが、クライマーの姿はなく...。

丸山東壁通称丸東の緑ルートは今時の若い人はあんまり登らないだろうなぁというアブミルート。なのでそんなに人もいないだろう、と思っていたら実は、1泊2日でホテル丸山泊まりのパーティがいらっしゃいました。

テン場は出合から思いの外すぐの場所にあり、重たい荷物を下ろして早速テント設営。その後は、水を取りに行き翌日登るアプローチ道を偵察に。沢には釣りをする人が結構いて、これまた驚き。8年前に水平道から日電歩道を歩いた時には、そんなに釣りをする人に会った記憶がない。

一ルンゼを詰めていきます。目の前に早速、丸東が見えますが、一ルンゼを上部まで詰めてしまうと、南東稜の取付へ着いてしまいます。緑ルートの取付へは、途中から藪漕ぎ(あぁ、再び!)です。

取付への道を探し出し、到着すると3人パーティが登ってました。リーダーの人は、同じ山岳会の人のご主人で、この日は別の山岳会で登りに来ていたが、近々こちらの会に移籍されるとのことでした。翌日、登攀途中に壁ですれ違いお話しました。

取付を確認しテン場へ戻ると、あら、珍しいお客様。というか私らがお客さんか。クワガタの雌です。こんなん見るのほんまに半世紀ぶりくらいです。

さて、昼からは時間があるので早速宴会開始。夜ご飯を食べたら6時半には就寝。翌日は3時起きです。

予定通り3時に起き5時に出発。6時半には取り付いておりました。12時間後、明るいうちに再びこの取付地点に戻っていることを考えて...。

2P目をフォローするハズ。小さいですね〜。取付の台地がすでに見えなくなっています。壁は寝ているので登りやすいです。苦手なアブミの一段目に立つこと、ほとんどなくアブミの掛け替えで高度を稼ぎます。

3P目には、下部壁の核心である三日月ハングが。ハング越えはすべてハズに任せました。その代わり、ぐいぐい登れる私担当のピッチは高速モードで時間を稼ぎました。

三日月ハングを越えたところでハンギンビレイ。これ、結構腰が痛い。私もがんばってフォローしてます。小さいオレンジの点が私です。取付は、写真の真ん中よりやや上、壁際にちょん、と見える白いところです。高いところにおるわ〜!

さっきと変わってへんやん、と言われそうですが、先ほどの写真よりも約100m進みました。ここのピッチ切りをちょっとミスって時間のロスが生じたのが反省点です。

この後、意外と悪い草付きを登り中央バンドに到着です。1本休憩を入れて、いよいよ上部の大ハング、このルート核心部にトライです。

上部岩壁登攀はこちら




丸山東壁 緑ルート登攀 その2

2017年9月23日(土)〜25日(月)

下部ルートはこちら

上部ルート登攀開始。1P目は空中スタート。うまくアブミに立てずにぐるぐる回る私。中島みゆきの「時代」のサビの部分が頭の中に流れます。あぁ、やめて〜!
なんとか立ちあがり、その後はボルトラダーを時間を稼ぐため超特急で登ります。大ハングの下でピッチを切ります。時間が気になる。日暮れに間に合うか?


大ハングを越えるハズ。おぉ、飛んでるように見える。私は越えられるんだろうか?不安がよぎるがここまできたらそんなことを言ってる場合ではない。なにがなんでもこのピッチを登ってハズに合流しなくては2人とも地面に下り立つことはできないのだ。

そして登り始めた。ハング越えが2箇所。足元にはなぁんにもない。上部ルート1P目の取付は40mほど下。そのさらに数百メートル下には、このルートを登り始めた森が見えますが、怖くてあんまり下を見れない。というか怖くなるので下は見ないようにして、手元のアブミ操作に集中する。が、やはりハングの下でまたくるくる回る。なんで回るのぉ〜?また中島みゆきが歌い出した。時代は回ってないよ〜。私が回ってるのぉ〜。

日暮れが近づく。ガスが湧き出し辺りは薄暗くなり始めた。なんとか6時前に終了した。記念&記録のために写真を撮り、懸垂下降に取りかかる。怖いけど、立ち位置的に私が先に下りた方がいいので先に下りる。いきなりの空中懸垂。そしてまた...回る。くるくるくる〜。あぁ、目をつむってロープを操作する。半分すぎると壁に足がつくようになり回転もしなくなり無事着地。次にハズが下りて来たが、初めてハズが「こえ〜〜〜!」というのを聞いた。「クルクル回って止まる時、壁と反対側、谷の方を向いて回転が止まんねん。おぉ、こえ〜!!」としゃべりながら笑っているが、辺りはどんどん暗くなる。
暗くなるのも焦るが、さらに焦る理由が...。荷物をデポしたのはいいが25m離れた場所に置いてきた。ヘッドランプも...。この時点でようやく手元が分かる暗さ。互いの顔はほとんど分からない。ピンチだ!どうしよう。どうやって荷物まで戻ろうか?あ、そうだ!カメラがあった!カメラをプレビューモードにしてその明るさを頼りにハズが荷物まで戻る。
とはいえ、このバンドのトラバースが悪い。草付き、濡れてる、クライミングシューズ。滑って落ちたら...。
無事、ザックまで戻り私のヘッドランプを持って戻ってきてくれ、そしてまた荷物の場所まで戻って私をビレイする、という三度手間かけてしまい時間があっという間に過ぎていった。
暗くなっての行動は危険が増すが、ホテル丸山に泊まる気はさらさらなく、落ち着いて行こう、とヘッドランプをつけての夜間懸垂を開始。2人とも初めての経験。

そして再び大ピンチ!下降1P目終了点でロープを回収しようとひっぱるが、ロープが流れない!ロープの流れを確認してから私が下りるはずだったが、どうもこうも動かないので業を煮やして下りてみた。ところがロープはどこにもひっかかっていないし干渉もしていないし、もちろん直線に流れている。なのに全く下りてこない。
わずか5センチほどの幅のスタンスに2人で立って必死でロープをひっぱる。これ以上にないくらいロープが伸びて(ぶちっ!て切れるんちゃうか、と思うほど伸びた)やっと3センチほどが下りてくる、という状態。怪奇現象じゃないが、なんか得体の知れないもんが上でロープを押さえつけてるんちゃうか?と思うほどロープが流れない。
うわぁ、こんなところで立ったままビバーク?どっしゃ〜!と思いつつロープを引っ張る。後で聞くとこの時、ハズの頭には「絶対絶命」という文字が浮かんでいたらしい。確かにこの時ほどこの言葉がぴったりなシチュエーションはこれまでの人生でなかった。

どのくらい時間が過ぎたか、なんとかロープを回収し懸垂を続ける。ここからは安心の懸垂ステーションだが、なんせ暗いので次のステーションが分かりにくい。ようよう登り2P目の終了点まで順調に下りて来た。あぁ、地面はもうすぐ!と思っていたら、三度ピンチ(やれやれ)。あと1ピッチの懸垂やのに50mではロープが足らず(あと5m!でも落ちたらやばい5m!)登り返す。また時間を食ってしまった。
というようなことが続きながらも真っ暗闇の中、地面に下り立ったのが(↑)夜の9時半。良い子は寝てる時間だ。テン場に戻ったのが11時。疲れていたけど内蔵助谷で足や顔を洗ってさっぱりリフレッシュ。川の水が冷たいのなんのって。さすが黒部!食欲はないけれど、なんとなくお酒は飲みたいと行動食の残りをつまみにささやかな祝杯を上げて就寝。
自分の寝言で目を覚ますこともあったが(確か、下りていいの?!とか言うてたと思う)安心安全の地上で朝まで寝た。

翌日帰阪。快晴。立山の上部は紅葉が始まっていてきれいだった。ヒヤリハット満載の登攀でしたが2人ともよくがんばったと思う。
しかし、一生分のアブミの掛け替えをしたなぁ。もぉあれだけのアブミルートは行かんだろうなぁ。




2017年9月14日木曜日

アブミの練習

2017年9月10日〜11日
名張 小太郎岩

久しぶりにアブミの練習をしに名張の小太郎岩へ。2年ぶりの参戦。前回は、私が意気地なくライオンハングを越えることなく下降。ハズにちょっと危うい懸垂下降をさせてしまった反省で、今回は何がなんでも登るぞと密かに闘志を燃やしておりました。


写真真ん中に写る岩。ライオンのように見えませんか?ということでライオンさんの顔を登るのです。鼻のところとデコのところが複数段ハングになっており、A2の練習をするにはもってこいの場所なのです。

9月10日、本州は北から南までほぼ晴れ、お出かけ日和という予報。天気図見てもかなり良さそう。たっぷり1日練習してやるぞ、と早朝に出発。10時頃取り付き下部岩壁左側のルートをハズがリード。調子良くセカンドで登り、一旦下降。そいでは次にライオンハングへ行こうと、下部岩壁右側へ移動しようとしたら、雨が降り出した。この半時間前からなんだか雲行き怪しいなぁ、と思っていたのですが。時々、やけに冷たい風が吹くし。嫌な予感的中。しかも、けっこうな大雨。あっという間に濡れた。
とりあえず、退散。今は利用されていない宿泊施設の建物があり、そこの軒下で雨宿り。

ついでにお昼を食べて、ぼけ〜っとしてると昼の2時近く。この日は諦め撤収。
しかし、天気予報当たらない。山沿いで雨、って一言でも言ってくれてたら気分はまだましだったのに。

9月11日
この日は曇の予報。とりあえず、雨が降るまで、ということで再度挑戦。しかし。前週に登りに来ていた山岳会のメンバーの情報通り、下部岩壁右側のルートのすぐ近くに大きな蜂の巣が。




昨日も登っていたら2匹ほどだったが、偵察にきていた。登っているのにぶんぶん周りを飛び回る。じっとしていると登れないしで時間がかかった。
でっかい蜂の巣。下の写真、模様のように見える茶色いの、蜂です。ひっきりなしに出入りしている。おぉこわ。ということで、前日登った左側の壁を戻る。登って終了点から右方向へ50mほど踏み跡をたどるとライオンハングの真下に出る。確かつながってたと記憶してたんよね〜。

で、ここでも蜂の巣が。ライオンのデコハングの近く、(10mくらい離れたところか?)ほぼ写真と同じ大きさの巣が。とりあえず登り始めたが、昨日より多い蜂がぶんぶん飛んでくる。ビレイしながら見てると、ハズの周りを蜂がブンブン飛んでいる。ついでに私のところまで飛んできて、耳元をブンブン飛ぶ。ケンカをしてる蜂もいる。やはりこの時期、血気盛んなんだろうか。
鼻の下まで行ったけれど、この先、さらに蜂の数が増えるかも。さばいたアブミが知らずに当たって蜂が怒って襲って来るかも知れない、ということで鼻の下で下降することにした。
何もなかったらそれでいいけど、岩に貼り付いている状態で対処できないもんね。他に人がいればいいけど、2人だし。

小太郎岩にとことん縁のない2人でした。

道中、トンネルをいくつか車で通るが、そのトンネルの端の天井にも、写真よりはるかに大きい蜂の巣があった。蜂にとってはいいところなんだろーなー。しかし、車で走りながら分かる大きさってほんとすごいよ。
山に行かない人も、この季節、蜂には気を付けてください。




2017年9月6日水曜日

猫猫周遊山行

2017年9月3日(日) 大猫山(2070m)&猫又山(2378m)

父ちゃんと2人で剱岳の北方稜線にある猫又山へ行ってきた。
なんとなしに、どっか行きたい山ある?と聞くと大猫山から猫又山へ行き、ブナクラ乗越からブナクラ谷沿いに下りるという周遊コースを行ってみたい、と言うたのでそれではと行ってきた。

先に言うておくと、藪漕ぎ好きの人にはたまらん山だということ。8月の赤木沢遡行最後の藪漕ぎで文句を言うてた私ですが、あんなものはかわいらしい、屁でもない藪漕ぎだった。行かれる方は、藪漕ぎ覚悟で行ってください。

コースタイム12時間のところを13時間で歩いて帰ってきましたが、いやぁよく1日で帰って来れたな、と。天気が悪い方向に予想が外れたのと、なにより藪漕ぎで時間がかかった。正直、途中でビバークを覚悟した。


馬場島荘から40分ほどの場所にある登山口。小さいお手製の板がおいてある。ここから取水口が見える。以前はここまで車で入れたようだけど、馬場島荘から10分ほどのところにゲートがあり今は進入不可。
この日は、私たちの他にトレラン姿の男性とハイキング姿の女性ペアの1組がいただけ。ここで朝ご飯を食べていたので先に入山された。この後、この2人と会うことはなし。




6時過ぎ入山。振り返ると早速、早月尾根の向こうに大日岳や池ノ谷下部から剱が見えたりして嬉しかった(6時半頃)。

で、最初の1時間くらいはよかったのだけど。その内、藪が出てきた。背丈くらいの笹がすごい。かき分けてもかき分けても藪。エリアマップでは、藪地帯と書かれていなかったのに。とはいえ、そら藪はあるやろう、まぁ、時々、藪かなぁ、くらいに思っていたけど、延々「藪」。ただし、道はしっかりしており、赤テープもあるので間違うことはないけれど、かき分けてもかき分けても藪なのには早々嫌になってきた。父ちゃんと先頭を変わる。

その内、8時半頃、早々に雲が湧きだし...

この後、剱本峰が見えなくなった。この辺りにも雲が下り、遠望のない中ひたすら藪漕ぎが続いた。


時々、先頭を代わってもらう。この程度(↑)の藪はカワイイ方で。先頭を代わっても藪は藪やぞ、と父ちゃんに言われたが、「道を確認しながら進む藪」と「前いる人を目がけて進む藪」とは精神的負担が違う。


時々見かける花に癒され...。この時点で剱の遠望を見る楽しみは捨て去っており(下の方の藪にひっかかっているだろう)、とにかく、この日、明るいうちに馬場島荘へたどり着くことだけが目標となっていた。ちなみにこのお花はオオヤマリンドウです。

稜線に出たな、と思ったけれど道が稜線の向こうに続いている。稜線を回りこむのか?行ってみるとすとんと落ちている。おっと危ない。父ちゃんのGPSで方向と道を確認してもらう。出発前、GPSを持ってきて、と言ってなかったので不安だったが、持ってきてくれていてほっとした。

お地蔵さまのいる小さい平たい場所に着く。大猫山か?標識ない。とりあえず、写真を撮って先を急ぐ。藪こぎで時間をくうからか、本日、コースタイム通りなのが気になる。

稜線はそないに藪がないだろう、と思っていたらそこそこ藪漕ぎ。でも、
時々現れるお花畑につかの間の安らぎを覚え...。この写真は11時過ぎ。2135m付近でしょうか。ちなみに先ほどの9時頃から完全に遠望なく。どの辺を歩いているのか、GPSでしか自分の位置を確認できないのが、景色、地形、地図を合わせての位置確認に慣れているせいか私的には不安で仕方ない。

稜線はガスの中。うっすら見えるあのピークはなんだ?とにかく前へ、前へ。
歩くうちに開けた場所に出た。大きな一枚岩に分岐の印がペンキであった。ここで1本休憩を取り、猫又山山頂へ。ぽつぽつ雨も降り出した。

そして猫又山山頂へ。GPSの軌跡では大猫山も踏んでいるけど、標識がなかったのでこの日、初めての頂上。父ちゃん喜ぶ。よかった、よかった。でも、先はまだ長い。写真を撮って早々に先ほどの一枚岩の分岐点へ引き返す。

分岐点=草原地帯→(この間ガスっていて道が分かりにくかった)→ゴーロ帯→標高差600mの急傾斜下りを藪漕ぎ→ブナクラ乗越。
ブナクラ乗越の手前でものすごく焦った。地形図では、分岐点から南へ稜線を標高差600m下り、ブナクラ乗越に着いたら西へ、すなわち右方向へ流れ出るブナクラ谷へ進むと頭に入れていたのに、左方向へ道が続いている。しかもフィックスロープが張ってある。右方向へ行かなくてはいけないはずがなんで正反対の左方向?周りはガスが立ちこめていて遠望きかないので、頭の中が混乱。本当にこの瞬間は、脳みそが頭の中ででんぐり返りするような気持ちの悪い感じを覚えた。(3日経ったがこの時の方向感覚を思い出しても今だ納得いかない。)
踏み跡も直進方向にはない。右側にも続いていない。とりあえず、ロープを伝って30m程下りる。見上げると大きな岩があり、これを捲くためのものか、と思った。それならロープの終わりから右方向へ道があるはずだけど、さらに左方向へ向かっている。テープが見えたけど、あれあれあれ?また混乱。GPSで確認してもらうと、左方向が正しい、と言う。そろそろ乗越なんだけど、とも父ちゃん。
そしたら、ガスがうすくなった瞬間、乗越にあるというお地蔵さまらしき石が見えた。あ、あれ...かな。間違っていたら登り返せばいいや、と進んでみるとお地蔵さまがいらっしゃった。ほ。

気がつくと、この辺りは雨が降っていたらしく藪が濡れていてその中を来たものだから、ズボンが腰までぐっしょり濡れていた。登山口のある取水口まであと2時間半。このまま下ろうかと思ったけれど、雨がひどくなって冷えて動けなくなったら大変なので、ズボンを脱いで雨具のズボンだけ履いて下ることにする。これが意外と暖かくて快適でした(笑)。

ここからまた藪漕ぎ。10分ほど下りたゴーロ帯で道を探し、藪地帯に再三度突入。とはいえ、ある程度まで下りると草刈りの跡があり、歩きやすくなったことこの上なく!

乗越から1時間ほどで戸倉谷出合(↑)到着。思った以上に水量が多く、徒渉点を慎重に見極める。

戸倉谷徒渉後、大なり小なり5つの沢の徒渉と沢と化した登山道を歩いて明るいうちに登山口へ到着できた。

あぁ、見えてきた、取水口。写真右側に小さく見える広場の辺りが登山口。

しかし、父ちゃん、よく歩いたなぁ。お疲れさんでした。でも、楽しかったか、と言えばあまり楽しくなかった山行でした。とにかくこの日の内に馬場島荘へたどり着かなくては、とそれしか考えずに歩いていました。こんな山行、今までなかったな。

で、この山行にはおまけがありまして。
馬場島荘へ戻って(この日はここで宿泊)片付けをしていると、私らの横の横の車にどこからか戻ってこられた女性が1人。確か、この方、今朝早くに車で来て出発してはったなぁ、と思っていたら、父ちゃんが話しかけた。すると、1日で早月尾根を剱本峰まで行って戻ってきたという。「えぇ〜!すごい〜!トレランですか?」と私がいうと「とんでもない!歩きです。」と。それならなおさらすごい〜〜!というと、「どちらに行かれてたんですか?」と聞かれたので、たいしたことないんですけど、と心の中で前置きしながら「大猫と猫又です。」というと「テントか何か持ってですか?」と言われるので「いえ、1日で。一応ビバーク装備は持って行きましたけど。」というと「いやぁ、そちらの方がすごいですよ〜!」と言ってくださった。なんでも早月尾根剱本峰往復は地元の方なら普通にされるとか(いや、でもやっぱりすげ〜ですよ。早月尾根1日往復は)。で、猫猫周遊は地元の方でも行ってみたいという人がいるルートなんだとか。しかも長いのでテントやら水やらを持って上がる=荷物が重くなるので、1泊2日となるのはなおのこと、だそう。なのでこれを1日で回ったということに驚かれていた。そしてこの方も「行ってみたいけど1人では無理なんで...」とおっしゃってました。
これを聞いた父ちゃん、「行ってよかった。その言葉を聞いて救われた」と急に元気になりました。私が藪は嫌い〜!と叫びながら登っていたのを見てかなり凹んでいたよう。彼女に感謝です。私も報われました。
でも、あんなに藪がひどいと分かっていたらほんとに行かなかったよ、わたしゃ。




2017年8月26日土曜日

赤木沢遡行 2日目

2017年8月17日(木) 晴のち一時雨

さて、前日の夕方に小屋の衛星放送で天気予報を見て急遽、この日予定していた雲ノ平周遊はハズの定年後の計画とお預けになり、今回のメインイベントである赤木沢遡行を前倒しにした。

小屋の人に少々無理を言って朝食をお弁当に変えてもらった。他にも予約外の宿泊者がいて、その人達の分もあったからかな?何はともあれ、助かりました。この場を借りてお礼を言います。

さて、今回、2人はテーマを決めていた。「time-consicous(時間を意識して)で行こう。」
2人で行くことが多く、個人山行となることが多い。が、山岳会に所属していて会には届け出も出している。各日の行動予定時間も記載している。2人だからどうにでもなるのはなるのだけど、やっぱりここ数年、5時出発と言っていても5時半になってしまったり...となんだかゆっくりしている。これはやっぱりよくないよね、と出発前に話し合い、今回はtime-consious山行で行こうと決めた。

4時起き。沢の音が雨音なのか分からず、夜中に時々目が覚める。一瞬、ぐっと寝入りふと目を覚ますと3時59分だった。普通ならこのあと1分、また目をつむってしまうのだけど、今回は違う。他の宿泊者を起こさないようハズを起こして準備にかかった。小屋の玄関で最終準備をすべく荷物を運び出すと、小屋の人はすでに起きて朝食の準備をしていた。ご苦労様です。
すると5時20分頃、支配人さんが番台(?)に座り衛星放送のテレビのスイッチを入れる。このテレビが唯一の下界のニュースを知る手段。dボタンでニュース一覧を見て気になるニュースの詳細を読む支配人。しかし、衛星放送が発達したおかげでこの谷合の小屋でもテレビが見れるようになったというのは画期的なことなんだろうなぁ、と思う。

さて、準備を整えいざ出発。出発は、小屋前の小さなテラス横から。ではここから写真でお楽しみください。

アルミハシゴが立てかけてあってここから河原へ下りる

少し水量収まったような。アプローチの途中。支沢が4つほどあったかな。
赤木沢出合までの途中、小さい捲きが1つ(ドボンしてもいいなら捲く必要なし)、
高捲きが2カ所あった。高捲きの最初の方は、途中で捲き道が崩れていて、
30m半分=15mx2ピッチの懸垂をした。もう1つの捲きは、出合直前の場所で、
道がよく分からず沢沿いに進んでいるつもりが、どんどん沢から離れていき、
沼地に入って行ったので一旦、沢に近よれる場所まで戻り、5mほどの斜面を下りて沢へ
戻るという場所。徒渉はゼロ、というわけに行かず浸かると水は冷たかった。

出合に到着。写真左から流入しているのが黒部川本流。赤木沢は写真真ん中の岩の
右側を入っていく。ここまで何も食べずに来たので大休止


小屋で作ってもらった朝弁当。
手の平サイズのおこわが3つと河童漬け物(キュウリやったかな?)と200ccの
紙パックのウーロン茶。ごちそうさまでした。日が当たり始めて温かくなってきた

赤木沢出合入り口。入り口は狭くてほんまにこれやんな?とハズに確認
そして沢に入ると...

ナメ滝に、 

四段の滝に、 

小さな滝、と滝が続きます。水量少ないので、水流ぎりぎりを登っていきます

撮影を代わってもらっていたので、私が登る姿も今回は撮影できました

沢中間地点くらいにある大きな岩。この手前から稜線が見え始めた 

 最高にいい天気です

ハズも登ります 

そして、突き当たりにぎざぎざした岩壁が見えてきたなぁ、と思ったら...

大滝でした。ここで大休止。振り返ると雲ノ平方向に気味の悪い笠雲が浮かんでました。
天気が崩れる兆しです。下山まで持って欲しいなぁ。ここが赤木沢で唯一の高捲きです。
大きく、大きく捲きますが、捲き道が崩れていて注意を要します。
捲きはほんとに注意一秒怪我一生です。いつも気合を入れ直して挑みます。

捲く途中から。写真下の滝が、上の滝です。もう一段上に小さい滝が

この後、今回の山行で参考にしたのが「岳人」2005年8月号なんですが、大滝を捲いた後のルート解説がちょい間違えてました。滝から「左岸2つ目の支沢を詰めるといい」と
ありましたが1つ目の沢でした。トポ図にも1つ目の沢を入るとあるのでおかしいな、と思っていました。一度、1つ目の沢を見てから先に進みましたがそれらしき支沢が出てこなかったので引き返し先ほどの1つ目の沢を進みました。よく見ると、木の枝にかなり
新しいピンクのテープが。ここまでテープが全くなかったので、いい沢だなぁ、と思っていたのですが。人工物があるとちょっとね...。

苔が付いた小滝が連続します。こちらの方が本格的な遡行のような気がします(笑)
この苔の付いた滝が連続...という岳人の解説は合っていました。

半時間ほど支沢を進み、遡行を終わることにしました。この後、稜線に出るまでの
藪漕ぎがやや強烈で辟易。藪漕ぎ、嫌いなんです


藪漕ぎ途中から振り返る。写真真ん中の沢が赤木沢本流。詰めていくと雪渓があり、
その向こうが中俣乗越。三俣蓮華方面に行く人にはこちらが近いですね

強烈藪漕ぎが収まったところです。この後、もう一回藪漕ぎが...(泣)
2回目の藪こぎの前に、野原の真ん中で靴を履き替え、
衣類を着替えましたが気持ちよかったです

北ノ俣岳寄りの稜線に無事出ることができました
雲が多くなってきたけど、雲ノ平方面が見えました

太郎平小屋が見えてました
案外近いやん、と思ったのは間違いでした。遠い、遠い、遠かった...。
見えているだけに遠く感じた

ダラダラと惰性で歩き、太郎小屋に到着したのが3時過ぎ。ハズがコーヒーを飲みたいなぁ、と言っていたので大枚はたいて注文したけど、うっす〜〜〜いコーヒーでした。粉切れだったのか?ちなみに一杯400円。
この後、途中で抜きつ抜かれつしたシルバー世代カップルが到着して男性としばし歓談。なんでも5泊6日山の中にいるそうです。雲ノ平方面を周遊してきたとおっしゃってました。私たちも絶対に行くぞ、雲ノ平!
さて、太郎平小屋を出発。ここからも惰性の山下り。修行だ!なんて思う気力もなく...

そしてアラレちゃん看板までたどり着き...
もう一息!と思ったのもつかの間、ここから約30分大雨に遭う。大滝で見た笠雲はやはり悪天の兆候だった...。あとは帰るだけだから、と濡れながら歩き続けました

そしてやっとこさ到着した登山口(午後6時)
この後、片付けして帰宅。温泉は、グリーンパーク吉峰の吉峰温泉で。
お盆休みが終わり、平日だったこともあり、ゆっくりのんびり入れてハッピーでした。

赤木沢、噂に違わずきれいな沢でした。今度は、黒部本流を祖父岳まで遡行したいなぁ。