2023年9月4日月曜日

南アルプス 赤石岳、荒川三山、千枚岳 3日目

前日夕方、小屋の前でビールを飲んでゆっくりしているとごろごろと雷が。空にはぶわぁっと雲が広がってきて降りそうだなぁ、とテントへ戻る。が、降らない。このまま降らずに済んでくれたら、と思っていたけど予報通り夜になってから降り出した。

テントを設営する時、底が薄くなっていることを話していて、ひょっとして雨量が多かったら浸み込んでくるなあと思っていたらその通りになってしまった。

降った雨の量はそこそこだったけど、地面がカラマツの枝が敷き詰められてスポンジ状態。しかも、カラマツの木に囲まれているもんだから、雨が止んでも枝からぼたぼたと雫が落ち続ける始末。

銀マットはもちろん、シュラフマットにザック、枕にしていたシュラフカバーなどほとんどのものがびしょ濡れ。帰宅後の片付けの手間が2、3倍になることを思うとドーンと憂鬱に。

椹島発のバスが10時半なもんだから、朝ごはん食べずに4時過ぎに出発予定も、出発準備に手間取る。びしょ濡れのままバスに乗ることを考えたら座席などを濡らさないよう汚さないようパッキングするのに手間取る。

水を含んで重たくなった荷物を背負って4時半前にテント場出発。

日の出前。富士山には笠雲

暗い中、気の根で滑らないよう気をつけて進む。熊に遭遇するのも嫌なんで持ってきたかやく鉄砲を時々鳴らす。暗い中「駒鳥池」の標識見つけて池を覗くも暗くて何も見えず。

ようやく明るくなってきた。早朝に登ってきたトレランの人、2人とすれ違う。どこまで行くんだろう?早いなぁ。

見晴らし岩まで下りてきた。ここで朝食。岩に行くには登山道から外れて少し登る。ベンチがあって、すぐ横に車道が走る。地図で見ると車道を下るより登山道を下る方が距離が短い。

見晴岩からの景色。小赤石岳、荒川中岳、中岳避難小屋が稜線に見える。しかし私のテンションはダダ下がりのままで、楽しいはずの朝食タイムが全く楽しくない。だんさん、ごめんね。

バスの時間を気にしながらがんばって下りるが、はぁ。
蕨段、清水平(水豊富)、林道横切ったり、ちょっとした岩場の岩頭などを黙々と通過する。

途中、キクラゲが自生していた。国産ものの大きな立派なキクラゲ!と思ったけど、帰宅後調べたらこれはキクラゲではないらしい。残念。

最後の急坂を下ると吊り橋が出てきた。
聞いてない。最後の最後に高所にかかる吊り橋なんて。不貞腐れても仕方ないが、怖いもんは怖い。揺れる揺れる。あぁ、苦手、吊り橋。

吊り橋を渡ると林道に出て、ダンプカーとすれ違う。ザックが引っかかったりしないよう道の端っこに寄れるだけ寄る。

やっとこさここまで到着。10時ちょっと前。バス出発まであと半時間あるけど、急げるだけ急ぐ。時間があればカフェでソフトクリームを食べたい、と思っていた。

が、すでにバス乗車が始まっていて、受付済ませたら、10時10分にバス出発。え⁉️もぉ出発すんの?ギリギリに到着した登山客はどうなるんやろう?臨時便が出るのかな?それとも、名簿の全員がチェックインしたから出発?どういうシステムになってるか分からないまま、バスに揺られて畑薙ダム駐車場へ。

なんとかかんとか2泊3日の南アルプス縦走を終えることができた。

お風呂は、ダム駐車場から一番近い「白樺荘」で。お昼時だったので、隣の食堂でご飯を食べる。
だんさんはとんかつ定食。私は冷たい山菜そば。干し椎茸に出汁の味が沁みておいしかった。できれば2枚乗せといて欲しかった。

2023年9月1日金曜日

南アルプス 赤石岳、荒川三山、千枚岳 2日目

南アルプス縦走2日目。この日は6時間ほどの行程なのでゆっくり準備。とはいっても、予定より1時間早い5時過ぎに荒川小屋を出発。

私たちが最後の出発。他の人たちはこの日のうちに椹島まで下りる計画なのか、3時ごろに出発している人たちもいた。

小屋の前から真正面に富士山が見える。まだ早朝だというのに富士山の周りには不穏な雲が湧いていた。

小屋の前から山肌を横切る道を進んで振り返ると、荒川小屋と小赤石岳の頂上がモルゲンロートに染まってた。

山肌を横切った後に道標があり、ここからジグザグの急な登りが始まる

登って行くと、どこでもドア(やったらええのにな)があったりする。

稜線に出た。分岐に荷物をデポして荒川前岳を目指す。3分ほどで到着

中央アルプス、その背後に御嶽山、右に(北側に)目をやると、乗鞍、穂高の山並みが見える。穂高の背後に笠ヶ岳も見えた。反対に南の方では恵那山も雲から頂上を見せていた。

分岐に戻ってちょっと休憩。その後、荒川中岳、中岳避難小屋を通過し、東岳(悪沢岳)へ向かう。大きく目の前に見える東岳。手前にぽっかり空間が。どのくらい下りて登り返すのかちょっと心配。

東岳手前で千枚小屋を早朝に出発してきたであろう人たちとすれ違う。午前7時半ごろ。

思ったより苦しい登り返しでなかった。東岳に到着!到着した時は青空だったが、休憩中に雲が広がってきて、15分後くらいには展望がなくなった。

この後、丸山を過ぎて細い稜線に入る。千枚岳までの道はこれまでと違って、岩々した崖の上の道になる。

ふと見ると千枚小屋からの登山道に団体さんが登ってきているのが見えた。すごい数!これからの細い道、すれ違いできるかな?(なんとかできた)

途中にはこんな梯子もあり。ここでかちあったら嫌やなぁ、と思っていたけど、心配無用だった。千枚岳まで小さいピークがいくつかあるが、ここ以外は巻いて進むよう道がついていた。

千枚岳到着。この時はすでにガスの中で展望なし。このちょっと前まで塩見岳、北岳、仙丈ヶ岳などが見えていたのに。去年歩いた、大籠岳から笹山までの稜線もちょっと見えていた。

頂上でちょっと休憩してから、千枚小屋へ向かう。少し高度を下げると日差しが届く。ホシガラスがたくさん飛んでいる。餌を食べるのに夢中で、登山道のすぐ脇の木に止まって一心不乱にハイマツの実を食べていた。

エンジンの音が聞こえて、森の中に赤い屋根が見えたけど、見えてからが小屋が遠い...。

11時前に千枚小屋に到着。

こちらも新しい建物。お昼時でお腹が空いたのでカップ麺を購入して小屋前で食べる。北アルプスの山小屋のように喫茶営業はしていない。
驚いたのが冷蔵庫があったこと。ビールもソフトドリンクも冷え冷え。

そしてさらに驚いたのが、テン場が果てしなく遠いこと。2、3分って書いてあるけど、実測、行き(小屋→テン場)4分半、戻り(テン場→小屋)5分かかった。ふらふらのヘロヘロだったら、気分的にもっとかかる気がする。とにかく「すぐ」ではない。一瞬、こっちでいいのか、戻って小屋の人に聞こうかと思ったくらい。

そして夕方以降、私のテンションを思いっきり下げる出来事が起こるのであった。