2013年1月24日木曜日

取立山(1307m 福井県)


2013年1月20日(日) 雪時々曇のち晴
山岳会山行、参加者 ボス、Tさん、私

久しぶりに雪山日帰り登山に行ってきました。
天気予報はいつものごとくよくなかったのですが、とりあえず、行く。福井県は少し遠いような気がするが大阪からだとすぐに高速に乗れるしそんなに遠くない。しかも雪が関西よりもたくさんあるので雪山ハイキングを十分に楽しめる。

前日土曜日21過ぎに大阪を出発、夜中の1時頃に現地に到着。テントを張る予定やったけど雪が降っていたのでトイレのあるチェーン脱着場(駐車場のような広場)に停車し車の中で仮眠する。寝る前にちょっとした宴会。

トレースが少し残るものの、新雪を踏むのは楽しい
翌日。雪の量はましになったものの小雪は降り続いている。登山口となる「東山いこいの森」というキャンプ場やテニスコートなんかのあるレクリエーション施設の駐車場からわかんを装着、ラッセルとなる。
施設のキャビンの間をぬって登って行く。ラッセルといってもうっすらと何日か前のトレースは残っているのでそんなにたいそうなものではない。

樹林帯を抜けると広い、広場のようなところに出た。解説本に書いてあった「広く緩やかな雪稜」か?ということは目の前に見えるこぢんまりとした丸いピークが頂上か?雪をかき分けて登ってきたとはいえ少々早いような...。
そのまま進んでいくと、左手前方、かなり視界から外れたところにいこいの森案内所みたいな看板が雪から出ているのをTさんが見つける。ここは林道終点駐車場だった。ちょうどボスとあのピークの向こうにまたピークがあるかも知れへんから、気は抜いたらあかんな、そやそやよくあることや、と話をしていたところだった。

頂上と思って気を許したピーク
この小さいピークへの斜面は道が消えていたりして適当に進む。するとスノーシューを履いた3人に追い越された。やはりわかんと違って浮力が大きいので、スキー板を履いて進むようにすいすいと行く。少々、楽ちんそうでうらやましい。

この辺りから南からの風がきつくなってきて顔が冷たい。とは言え、この数日前に新しい目出し帽を買ったのでここぞとばかりに着用。買って間違いがなかったことに自己満足しながら歩く。

休憩を取っていると、単独の人に抜かされた。そうこうしていると先ほど抜かして行ったスノーシューの3人が下りてきた。あれ、もぉ頂上行って帰ってはったわ、そしたらここで休憩せんでもよかったな、と話ながら再度、出発。すると先ほどの単独の人が1人でラッセルをしてずんずん進む。追いついて代わりましょうかと伺い代わるも、わかんだと腰まで埋もれるので、2歩進んで再度交代。
地元の方で、この山には何回も登っているとのこと。また、冬でも比較的登りやすい山なので、とおっしゃってた。

11時15分頃頂上到着。晴れていたら白山がきれいに見えるのだそう。この日はあいにく、展望まったくなし。
写真を撮って下山開始。途中1回休憩をはさんで2時間弱で下山。途中、何人かの人達とすれ違った。人気の山のようだ。

お風呂は、近くの公共温泉風呂「勝山温泉センター水芭蕉」で入る。大人1人500円と良心的金額だ。
お腹は空いてないのでとりあえず北陸道に乗る。この日はまだ時間が早いと言うことで滋賀県長浜市の木之本町に立ち寄った。なんで木之本かというと年末に行った中央アルプスが天候悪く引き返した時に、このまま家に帰るのはもったいないということで、こっち方面の山を探しつつ立ち寄ったらしい。

で、この日立ち寄ったのは「サラダパン」で有名な「つるや。」サラダパンとはみじん切りにしたたくあんをマヨネーズ(多分)で和えたものをコッペパンにはさんだ滋賀県では有名なパン。テレビで見たことがあって興味津々で、前日、賤ヶ岳SAで見た時は興奮して早速買ってしまった。で、この日は「サンドイッチ」の抹茶味とおいもシナモン味を買った。それぞれ2切れ入りなのでハズと仲良く分けることができる。そしてこの後、2件隣の酒蔵「七本槍」でボス(とやっちゃん)お勧めの「にごり酒」と酒粕を買う。酒粕はものすごくいい香りがしていて早く粕汁を作りたくてわくわくする。(おっと甘酒にして飲むつもりがまだ作ってなかったことに今、気がついた)すると、ボスが1つ350円もする「酒粕ジェラート」を買ってくれた。思わず、「高いのにいいのですか?」と聞いてしまった。
これが七本槍で有名な酒蔵のジェラート(350円)
350円出してもいいかも
買い物終わって、ぶらぶらと街の中を歩いて車に戻り、早速ジェラートを頂く。かちかちに固まっているのがちょっとづつ溶け出しねっとりとした舌触りにほんのりと甘い酒粕の味が口中に広がりまろやかなおいしいさ。うわあ、これは最高。350円出してもまた食べたいわ。これもハズに味あわせてあげたいと思ったが、さすがに家まで持って帰ることは叶わなかった。

ここから下道を走り、そろそろお腹が空いてきたので食べるところを探す。個人経営の食堂「さんきち食堂」というお店に入る。チェーン店よりこういうお店の方が落ち着けて私は好きだ。温かいおそばをいただき、長浜からまた北陸道に乗って20時前に大阪に帰った。

雪山ハイキングに名品お買い物に雰囲気のいい食堂での夕食と満喫した1日だった。









2013年1月19日土曜日

オーロラツアー in フィンランド

年末にフィンランドに行ってきました。
念願のオーロラを見るために。オーロラと言えば北米か北欧ですが、北米よりも行ったことのない北欧に行ってみたかったのでフィンランドにしました。

旅行に行く時はたいてい自分で手配をしますが今回は時間もなくて大変だったので旅行会社のパックツアーというものを利用。パックツアーを利用するのはほぼ初めて、なんですが、すごいですね。いたれりつくせり。今回のツアーにはランチと夕食が付いてる日があったりしたのですが、まぁ、レストランに行って券を渡せば、その通りのものがサーブされる、という英語が話せなくても大丈夫なんですね。

で、肝心のオーロラですが。私達が行く前に山仲間のご夫婦が、こちらは北米にオーロラを見に行ってこられてて一眼レフを貸してくださるというのでお家へお邪魔。その際に見せていただいた写真がものすごく綺麗で(しかも大画面テレビで見せていただいたので余計に迫力があった)、うわぁ、こんなん見れたらええなぁ、と期待に胸をふくらませ関西を飛び立ったのですが...。

まず、パンフレットにはホテルから歩いて少し行くだけでオーロラが見れる、というようなことが書いてましたがこれはあてにしたのがだめだった。思いの外、街の光が強く空を見上げてもよっぽど強いオーロラがでない限りは見れないだろう。ということで、今後行かれる方、やっぱりオーロラ観測ツアーといった現地で催行してるオプションツアーに参加されることをお勧めします。

合計3晩あるチャンスのうち、2日の夜までは見れなかったので最後のチャンスの日にオプションツアーに参加しました。1人60ユーロ。約3時間の行程です。バスで移動しました。天気は晴れで星が出てる。これがオーロラが見える条件だそうですが、この日は満月前後の日だったので、出発前に心配していたとおり月の光がやや強すぎる。
サーリセルカというフィンランドでもかなり北に位置する町からバスで走ること約1時間。イナリという湖にやってきました。天候は最高。ばっしちです。が、待てども待てどもオーロラは現れず。残念。結局、今回の旅行では見れなかったのでした。この前日のツアーでは曇っていたにも関わらず出発して15分位の最初の観測スポットで見れたらしいのに。悲しい。ぐす。

でも、また行く口実になります。来年とかさ来年は無理ですが、また必ず行って絶対にオーロラをこの目で見るのだ。

ところで初めて行った北欧。とてもいいところでした。気温は低すぎて昼間でもマイナス14度(暖かいなぁ、と思う)とか20度だったのですが室内はぽかぽか。ハズとこんな極寒の地で節電とか言うてたら人命に影響あるから言われへんよな、と話してました。

食事もとぉってもおいしかった。ある旅行情報誌には塩辛いというようなことが書いてあったのですが、全然そんなことなく!(生ハムとかは確かにしょっぱいけどこれは当たり前やわな)日本人の舌に合う味付けで毎日堪能しました。濃くもなく薄くもなく。日本ではなかなか食べれないパンとかクラコットのような薄いクラッカーなどなど。毎日、全てのメニュー総ざらえ!!お陰で胃が休まる日がなくかなり胃もたれ感が...。とはいえ、世界で一番北にあるマクドナルドにも行ったりと時々海外に行くと色んなわくわくがあって楽しいですね。

最初の宿泊地のホテル近くで。遠くにうっすらと青く見える光が
オーロラ、かな?という感じでした

2〜3日目に泊まったホテルの部屋にはサウナが。
サウナは苦手ですが自分で蒸気を調整できる
北欧スタイルは気に入りました




桜色の空がきれいでした。
夕暮れなんですが、時間はまだ14時半です
旅行最後の朝、ヘルシンキ市内
これで朝の8時半です 真夜中の暗さです
ヘルシンキ市内の観光も少ししました。
客船が停泊中なんですが、水が凍ってました。
ヘルシンキ市内は最高気温がマイナス5度とか。
それでも暖かい、と思えるのは極寒の地に3泊滞在した後やから

2013年1月17日木曜日

マッターホルンヘルンリ稜 最終日


2012年8月23日(木) 晴
とうとう最終日になった。2週間は長かったなぁ。楽しめた。けど、登れなかったことがここにきて悔しい。

朝9時にパッキングを終わったが、もうちょっとだけお土産を買いに駅前のCOOPまで行く。
ザックを大小、2つかついで駅まで行くにはつらい坂道。バスのフリー券をもらったことを思いだした。しかもバス停はアパートのすぐ前。なのでこれは乗らない手はないと12時前にアパートを出発する。
12時頃、バスが来て乗り込む。早い。楽ちん。
12時17分発の電車に乗り15時過ぎに空港に到着する。18時過ぎにチェックインまで3時間少々ある。ここでもまた時間つぶしにビールだ。チェックインゲートの横にある「Bye Bye Bar」というバーの奥に大きな荷物を置いても邪魔にならないテーブルが空いていた。ビールを2杯飲んだところで店の男性がなぜかピーチパイを一切れ、サービスで出してくれた。いいのか?うれしいなぁ。多分、先ほど今から3時間またなくてはいけないのだ、と話したからだろう。おいしい。せっかくなので、酔い覚ましにコーヒーを注文していただく。いい時間になったのでお礼を言ってチェックインカウンターへ。荷物の重さが心配だったがクリアしてゲートをくぐりスイスにお別れを言う。

が、ここで発見、すでに出発時間が1時間、遅れていた。がびーん。お腹いっぱいでこれ以上何も食べれない、飲めない。逆にここで無理矢理時間つぶしに食べたら機内食が食べれなくなるので約3時間我慢する。
出発時間が近くなったのでゲート近くに移動すると更に30分出発が遅れていた。しかし、これでソウルでの3時間の待ち時間が短くなるのでよしとしようとじっと我慢。ロビーには先ほどまで人がいたのに気がつくと私と同じ便に乗る人しかいなくなって、閑散としていた。

23時前にチューリッヒを飛び立った。しかしソウルに到着したのは、元々の到着予定時間よりわずか数十分の遅れだけ。どんだけ飛ばすんじゃい!で、結局、ソウル空港でもビールを飲んで時間をつぶした。

8月24日(金) 
21時過ぎに関西空港到着。蒸し暑い。日本の夏だ。そしてこれでこの夏は終了。ばんばんざいの夏ではなかったがいい思い出になったしなによりやっぱり山がいい。また行くぞ、絶対に、スイス。


2013年1月15日火曜日

御在所岳 雨で登らず...

2013年1月14日(月) 御在所岳 前尾根とアイスクライミング(の予定だった)

変則的なハズのお休み日程に合わせて、14日から15日に書けて三重県の御在所岳に前尾根登攀と2ルンゼまたは3ルンゼにアイスクライミングに行く予定を立てていたが、天気予報はあまりよくない。雨でなくて雪になることを願って日曜の夜出発した。

いつもの場所で車内で仮眠。なんだかよく寝れなかった。早朝、4時頃だったが、ぱちぱちと車の天井を叩く音。嫌な予感は的中。雪ではなくて雨だった。朝5時に起きるも、もちろん雨は降っている。二度寝して7時頃起きたらやや強く降っている。どうする?という問いかけに速攻「雨なら行きたくない。」ということでせっかくなので湯の山温泉で温泉につかって帰ることにした。

入った温泉は「彩向陽」というホテル。日帰り温泉525円と良心的な値段で嬉しい。入ると、ちょうどお昼前の時間だったので、ランチバイキングとのセットはいかがですか?と薦められたがバイキングで年末から食べ過ぎるくらい食べ過ぎており、胃腸と体重によくないので丁寧にお断りしてお風呂だけ楽しんだ。

少しぬるめのお湯だったが、暖まり気持ち良かった。窓からは山の雪景色がうっすらと楽しめた。帰る時にはみぞれになっていた。

お昼ご飯は、以前、高山で入ったことのある自然薯メニューを提供している「茶々」に寄る。とろろ飯をいただき、お腹いっぱいになって帰った。おいしかった〜。

ということで、雨で残念でしたがめげずに今年はばんばん山に行こうと思います。


ヨーロッパの続き その12 最終日

2012年8月22日 雨のち晴


朝から通り雨。晴れたり雷が鳴ったり雨が降ったり。9時頃には晴れ間が広がる。
この日はおみやげなどを買うための自由行動日。まず洗濯をしに行った。コインランドリーがあった。
英語はもちろん、日本語、韓国語など多言語で使い方が洗濯機の機械そのものに油性ペンで書いてある。これは使うな、このボタンはお金を入れてから押せ、などなど。

洗濯している間に外に出てぶ〜らぶら、ウィンドウショッピング。駅に近いお土産屋さんで、ユングフラウヨッホ駅で見たのと同じような木で作った人形を見つける。ユングフラウヨッホで買おうかどうしようか迷ったが、日本で待つ相方さん=人形を飾る家の家主さんが気に入るかどうか分からなかったので買わなかったが、ここでも見つけてしまった。こうなったらやっぱり欲しい。写メを撮りお伺いをたてるメールを打っていると声をかけられた。

最初は誰か分からなかったが、話を聞いているとメンヒで一緒だった人らしい。火曜にユングフラウに登る予定が月曜の夕方にみぞれが降ったこと、彼の体格だと(かなり大きい方だった)クレバスを踏み外す可能性があることなどを理由にユングフラウに登るのを登山ガイドに断られたらしい。そのことがよほど残念と見えて「いいな、いいな、君たちは登ったのか。」としきりに言っていた。

ユングフラウに登らなかった代わりにどうしたのか聞くと、メンヒヒュッテから片道2時間、往復4時間の3000mほどの山に登って終わったという。それでガイド代が700CHFだそうだ。メンヒは500CHF。合わせて1200CHF、がんばって貯金してこの時に備えたのに、どうも納得がいかないとしきりに言っていた。なんだか間違えて苦い食べ物を口に入れてしまったように気分が悪い、という。そりゃそうだろ。1200CHFってかなりの大金だ。彼の一方的な話だが、どうもガイドさんの態度が不信。ガイドにはクライアントおよび自身の安全を確保するという使命があるにしても、当日の朝、3時半に起きて行く準備をしてから、小屋前の雪を触ってこの雪の状態はよくない、しかも君の体格だとクレバスを踏み抜く恐れがあるから、と言うのはどうなんだろう。前日、一緒にメンヒに登って、私達と同じような時間帯に下りてきていて雪が腐っているのは分かるようなものなのに。まぁ、色々とガイドさんにも言い分はあるだろうが、ほんとに彼が気の毒だった。

この彼と話をしている間に相方さんよりメールの返信が来ていた。気に入ってくれたので119CHF分購入。洗濯もとっくに終わっており会社や山岳会へのお土産も購入しアパートに帰った。
アパートに帰る途中で、なんだか急に通りから人の姿がなくなったな、と思っていたらお昼の時間でお店が閉まっていたのだった。12時から13時までお店を閉め、みんなランチタイム。駅前のロータリーに停まっていたバスも、行き先を表示する電光掲示板に「Pause」と表示して運転手さんがランチを食べていた。(下の写真)

19時頃、アパートの裏にあるアパートの管理人さんの妹(お姉さん?)が経営しているホテルのレストランでアイガー北壁を見ながら夕食をいただく。このレストランは旅行情報誌の「るるぶ」にも掲載されていた。せっかくなので珍しいものをいただこう、ということで私は馬のステーキをいただいた。サウザンアイランド、フレンチドレッシング、マスタードソースにクランベリーソースが付いて、他にフルーツが付いてきた。この他に蒸し野菜とロシティを頼むが、ロシティはすでに添えてあった。だったらそういってくれたらいいのに!ロシティをたらふくいただき、お腹いっぱいで苦しくて夜はよく眠れなかった。

夜中には嵐になり、起きてベランダから外を覗くと雷が光っていた。この旅も明日で終わりとなった。

朝も通り雨があった 雨上がりの太陽がまぶしい
















ユングフラウヨッホから戻ってきた登山列車
















お昼休み中のバス 電光掲示板の表示にユーモアが















夕食の馬のステーキプレート 柔らかくて美味しかった

2013年1月11日金曜日

ヨーロッパの続き その11 ユングフラウヨッホ登山

年が明けても、やっぱり去年のヨーロッパの山行の続きを書くことにする...

2012年8月21日(火) 晴れ
3:30起床 4:20小屋出発 4:45ユングフラウヨッホ前 6:00岩稜取付 8:30上部岩稜、ザッテル
10:20頂上 12:00ユングフラウヨッホ 15:00グリンデルワルド帰着

ここに来てマッターホルンに登れなかったことが悔しい様ななんとも言えないような気持ちになってじわじわと広がってきた。前日のメンヒは楽しかったが、この日のユングフラウヨッホはあまり気が進まない。が、ここに来た以上、登っておかなくては、と思い小屋を出た。

ユングフラウヨッホ駅の前でロープをつなぎ平らになった、ジープか何かの(前日にジープが走ってた)走行跡を行く。先行隊の足跡を探しながら行くが途中で消えた。目の前には立入禁止のためか(?)スキー場でコース横に張ってあるようなネットがあるが、1カ所ネットが倒れているところがあったので向こう側に行き踏み跡をたどる。

コース資料で見た、岩稜帯のある雨量計のところから登る。パーティとしては最後の方。後ろから3人1組がいたが途中で引き返したようで頂上まで来なかった。

岩稜帯を登るが相方がルートが見つけられない。私自身、集中力がない。うぅん、なんでそっちに行くかなぁ?と思いながら右、左、と指示を出す。

岩稜帯を過ぎ雪稜に出た。ここからはトレースをたどるがあなどれない。ザッテルの基部までのトラバースとザッテルまでの斜面の登りがまず侮れない。トラバースのトレースは思ったほど細いものではなかったが、この下にはぱっくりと口を開けている大きなクレバスがある。最悪、足元から下が、突然がぼっと落ち込むことも考慮しておかなくてはならないが考えても仕方がない。崩れないよう運を天に任せるだけだ。

ザッテルの基部に付くと、男性が1人雪の上に座っていた。サングラスをしてたのでよく分からなかったが初老の方のようだった。単独なのか仲間と来たのか分からないが、「なんとなく今日は調子が悪くてね。」と言っていた。「前にも登ってるから」今日はいいか、という感じだった。私も気分が全く乗らないのだ、と心で応答してから先に進んだ。

ここからは上から下りてくるパーティと行き違いがあった。岩稜帯のルートは分かりやすい。時々、向かって右側の雪の上に出たりしながら、最後の傾斜を登り頂上に。この辺りからガスが出始めた。すでにメンヒの上には傘雲があったのですぐには崩れないだろうが、しかしどうなるか、他国の天気は分からない。少し焦る。

頂上に着くと3人パーティがいた。10分ほどで下るつもりだったが、うち1人、ガイドさんが声をかけてきた。話がはずみ、10分のところが20分ほど滞在してしまった。話をしているととても楽しくて、今日はなんだか乗ってなかったけど、あなたとお話できてよかったわ、と言うと笑われた。このガイドさんはオーストリアからクライアントを2人連れてきていて、みんなスイスの山がいいと言うけれど、オーストラリアの方は東アルプスというのだけど、高さも3000m台が多いけれど向こうの山の方が静かで登るのが面白くていいんだよ、と教えてくれた。最後に名刺は持ってるか?と聞くと唯一持ってた1枚をくれた。向こう10年の内に連絡するね、という「10年!」と笑われた。日本にいると本当に時間が経つのが早くて、10年なんてあっという間に過ぎるのよね、と心の中で言いながらとにかく連絡するね、と言って別れた。

10時40分過ぎに下山開始。下りながら見ていると前日見ていたトラバース下のクレバスを越えるトレースを前のパーティが進んでいたので近道でもあるのでこちらを行くことにした。しかし、前日のクレバスを少し飛び越えるトレースはすでに飛び越えられないほど広がっており、この日は少し迂回するように足跡がついていた。

ここを下りとにかく早く安全地帯に、と思い先を急ぐ。ガスはとっくに消え、再びいい天気に。その代わり、雪がゆるみ左手の壁の上から雪と岩がごろごろ落ちてきた。当たることはないがものすごい音である。

ユングフラウヨッホまでの道も時々クレバスを飛び越えるところがあり、油断はならない。12時前にユングフラウヨッホに到着した。ギアを外して片付けると、せっかくなのでスフィンクス(展望台)に登りたいという相方について行った。

13時半発の電車に乗り15時ごろグリンデルワルドに帰着した。

ユングフラウの頂上
前述のクレバス 写真右手に3人パーティ
登ってきたユングフラウ ヨッホから振り返って
アパートからアイガー北壁
写真左上に向かう灯りがユングまでの途中駅の覗き窓

2013年1月7日月曜日

新年最初の山登り 赤岳(2899m 八ヶ岳)

2013年1月2日(水)〜3日(木)
参加者 りょうちゃん、ハズ、父ちゃん

あぁ、やっと山に行ける〜。夏からこっち全くと言っていいほど山に行けてなかったので本当にストレスが溜まって爆発しそうだった。
年明け早々行ってきました。久しぶりなのでまずは足慣らし、雪山慣らしからということで八ヶ岳は赤岳。で、小屋泊まり。天気予報はあまり良くない。けど、とりあえず行ってみる。

元日、昼過ぎに関西を出発する。夜の9時前に美濃戸口に到着する。八ヶ岳山荘の仮眠室を利用するつもりだったが、万一、満室の場合は父ちゃんに仮眠室で寝てもらい、私とハズはテントで寝るつもりだったが、そこそこ余裕を持って寝れた。1人1泊2000円。この場合はトイレ利用料はいらないはず。布団も完備。1階の休憩室も22時頃まで使えるので少し高いかな、と思ったが満足。
悪天候が予想されるためか思ったより車は少なかった。

1月2日(水) 曇のち暴風
5時起床 コンビニおにぎりを1階の休憩室でゆっくり頂く。お茶もキンキンに沸かして水筒に。準備オッケ〜。7時前に出発する。1時間ほど歩いて美濃戸で休憩。ここから行者小屋までだらだらと無心での歩き。途中で南沢小滝を偵察に。しっかり氷が張っていた。2人、クライマーが登る準備をしていた。
「名のある滝ですか?」と聞いてきた。おっと、名のある滝だからここに来たのではないのかい?不思議に思いつつ、特に聞かずに先を急いだ。

行者小屋に到着。ここでかなりの風が吹く。うわぁ、やばいなぁ。稜線はびゅんびゅんだろうなぁ。少々薄着で来てしまったのを後悔する。休憩時間が長くなりすぎて体が芯まで凍ってしまった。再び歩き出すも足が上がらない。数十歩歩いてはぜいぜい息をしてしまう。低体温症ってこんな感じなのかなぁ?と思いつつ、先を行く2人についていこうと少し必死になる。15分ほど歩いて体が温まってきたら文字通り「エンジンがかかり」すいすい歩けるようになった。やばかった。

途中、やはり予想通りびゅんびゅんの風。まだ間があるからいいがすごいぞ。いやぁ、これぞ冬山。楽しいワン♪
父ちゃん、大丈夫かとやや心配になるが、なんとか地蔵の頭までたどり着くがここら辺りから風が断続的に吹きつけ始め、本気の耐風姿勢を取る。それでも体が持ってかれそうになる。
5分ほど歩いて小屋にたどり着くが、小屋の入り口まであと数十歩というところで強烈な暴風が父ちゃんと私を襲う。う、動けない。2人で耐風姿勢。その上、父ちゃんが持っていかれないようにザックをしっかりつかむ。ハズは入り口までたどり着いているが、う、たった数十歩が進めない〜。
一瞬、風が弱くなったのを見計らって小屋に向かって歩く。なんとかかんとか入り口にたどりつき小屋に入るとそこは別世界。

暖かい。1人9000円払うが、お茶、コーヒー、お湯、そしてお正月ということでお汁粉お代わり自由!すばらしい。大きな薄型テレビもあるぞ。もちろん、映っているのはBS放送。箱根駅伝をやっている。持って来たおつまみとワイン、ビールを飲みながら観戦。ほとんどその辺のオヤジと化していた私。

夜ご飯も食べ放題形式のお正月を彷彿させるメニュー。黒豆、なます、タケノコの煮物などなど。2ラウンド頂いてしまった。究極はブタの足丸ごとの生ハムを小屋の人がそいでくれて振る舞ってくれた。ワインも焼酎「赤岳」も無料!すばらしい。正月の小屋泊まり、クセになりそ〜。

この後、21時に消灯になったがその後もぶんぶん絶え間なく暴風は吹きまくり、時折小屋がぐらっと揺れるほどだった。山人生最強の暴風を体験した日となった。

1月3日(木) 暴風のち晴
6時起床。6時半朝ご飯。風はやや間を入れて吹くようになったがそれでもまだきつい。9時まで待って出発することにする。
9時過ぎ、頂上に向けて出発する。時折薄日が差すようになったが、それでも9割以上はガスの中。40分ほどかかって頂上に到着。3人で記念撮影するもハズと父ちゃんは眼鏡をかけているが、レンズが凍って目が見えていない。
文三郎尾根を下りる予定でいたが、風がきつく視界悪く迷う可能性があったので、ここは安全策を取って小屋方向に戻り、前日登ってきたルートを下ることにした。

20分ほどで小屋に戻り、そのまま通過。地蔵尾根を下り出すも予想以上のガス状態と向かい風が吹きつける。下り始めたところでカップルが道が分からないと行って戻ってきたので、私達が先に行くも道がよく分からない。そこへ1人、登ってくる方がいらっしゃったので道を聞いてその方向に下りた。3分ほど下りてまた道が分からなくなった。先ほどの2人はいつの間にかどこかへ行ってしまった。違う2人に追いつかれのだが、この2人が道をドンピシャ見つけたので、そっちに行って無事、樹林帯に入った。
樹林帯に入るとつい先ほどまでの暴風が嘘のように静か。空は曇っているが楽しい雪山ハイキング♪状態だ。風が吹いているのとそうでないのと山はずいぶん変わる。

行者小屋に到着して休憩。ここまでの途中、カメラが冷えてレンズが入らなくなってしまった。温めるために懐に入れていたのを外に出してなんとか1枚、写真を撮ったがこの後失敗をしてしまった。そのまま懐に戻せばよかったのに1枚写真が撮れたのでいつものように外に出した状態で歩き出してしまった。結露した水滴が凍ってレンズの内側に張りついてしまった。痛い出費になるかと焦るが数時間後には解消した。よかった。

ここから3時間ほど歩いて美濃戸口へ帰着。お風呂に入って関西に帰ったのでした。時間が少し遅かったからか、特にUターンラッシュにつかまることなくすいすいと帰ったのでした。

南沢小滝 立派に氷が発達してました

地蔵の頭で耐風姿勢を取るハズと父ちゃん

頂上小屋の屋根が見えてきた 頂上はすぐそこ