2011年11月29日火曜日

ビバーク体験

2011年11月26日(土)
この日の夜、22時に時々登りに行く岩場の最寄り駅に集合。新人メンバーさん2人とボスと私の4人で岩場でビバーク体験をするためである。
私はこないだの8月、谷川岳でいきなり初めてのビバーク実践をした。さすが谷川岳。8月といえどもすぐ目の前に雪渓が残り、沢の横で座って一夜を過ごすビバークはそこそこ寒かった。要領を得なかったもののなんとか過ごして経験の1つとなったのでした。で、そんなこんなで、いきなり突然ビバークとなっても大丈夫なように、一度体験してみましょー!ということで今回参加してきたのでした。
今年はかなり暖かいとはいえ、さすがは裏六甲。夜も22時を過ぎると寒い。23時頃にヘッドランプを点けて岩場の途中にある岩棚に登り、ロープを木から木へ渡しハーネスに付けたデイジーで自己ビレイを取る。それから4人で寝酒をいただき(なんだ、ビバークの緊張感なしだなぁ...)時折通る電車の音を聞きながら就寝。
シュラフマットとシュラフカバーにツェルトをかぶるとなかなか快適なんだけど、岩から伝わってくる冷気がとても辛い。とはいえ、夜中に起きて眼下を見ると雲海になるべく空気が溜まりだしてきた。おや、明日の朝は雲海がちょっとした雲海が見れるかな、と期待して寝る。

翌朝。プチ雲海。なかなかオツな朝を迎えたのでした。5時過ぎ起床、6時にご飯を食べて二人は仕事と用事があるので帰宅。残った私ともう一人は朝の8時から岩登り。誰もいないので懸垂下降のセットの仕方などをおさらいして昼には切り上げて帰ったのでした。

帰るとやっぱり...風邪をひいてしまったのでした。

2011年11月22日火曜日

おいしいもの

最近は年末年始山行に向けてアイゼントレをしているので特に山活動で変わったことがありません。なので、おいしいもののお話をしてみたいと思います。

まずはこれ一番上の写真。きんつばです。以前からそうでしたが、洋菓子よりも和菓子が好きで特に白あんとか黄身あんが好きなのですがこれは粒あんのきんつばです。昔、きんつばを食べたらもんのすごく甘くて頭が痛くなった記憶がありそっからきんつばは苦手だったのですが、このきんつばは最高です。甘さほんのり、白皮は薄いけどもち〜っとしていて中身は粒あんがぎっしり。JR新大阪駅構内、新幹線乗り場のお土産屋さんが集合した一角で販売しています。お店の名前は...「株式会社いづみや本舗」で「北摂津六甲きんつば 鐔六(つばろく)」です。元々は神戸の会社のようです。あら、大阪名物じゃなかったのね...。


















お次は広島焼き。お好み焼きではございません。広島焼きです。お好み焼きは具を小麦粉とまぜちゃって焼くのですが、広島焼きは、薄く広げた水溶き小麦粉の上に千切りキャベツに中華ソバ、豚肉、その他の具を乗せて焼き、その横で卵をぽんと割って薄くまぁるく伸ばして焼いて、その上に先ほどから焼いていたキャベツのタワーのような具をほらよっと卵焼きの上にひっくり返してぎゅーっとてこで押さえつけてほどよい厚みに仕上げたものを言うのです(と思う)。
今回行ってきたのは広島市内の「お好み村」という広島焼きのお店ばかりが入った雑居ビルの2階の「八晶(はっしょう)」というお店。広島でおいしいお好み焼きといえばここの広島焼きを食べなくては、と地元の方に教えていただいたので、いつもは食べ物のために並ばない私が並んで約20分ほど待ちいただきました。最初は熱くてはふはふして食べてたので味があまり分からなかったのですが、そのうちいい具合まで冷めてきたらキャベツの甘みがじわ〜っ。そして口に広がるお出汁?豚肉の旨み?とにかくおいしい。そしてぐびぐびっと生ビールをいただいて、あぁ、しあわせ♪と感じるとある休日の1コマでした。

そして最後はこれ。牡蠣です。宮島の商店街の中にある「焼きガキのこばやし」というガイドブックには必ず載っている牡蠣のお店。店先には牡蠣の養殖方法を展示。その中をクロダイがゆ〜らゆらと泳いでます。
頼んだのはもちろん焼きガキ。ここの焼きガキは厳選した大きい牡蠣を販売しているとのこと。確かに大きい。ちなみに焼いているのも店先です。穴子丼ぶりも食べたかったので食堂となっているお店の中に案内していただき、ここでもビールを注文。あぁ、昼間っから飲めるってしあわせ。しかも焼きガキが〜、目の前に〜。焼きガキは時間がかかるからか生牡蠣もありますよ、とお店の方は薦めてらっしゃったが、やはりダントツ人気の焼きガキ。1つ目はそのままで。2つ目はゆずを搾っていただきました。
宮島ではあちこちで店頭で焼きガキを焼きながら販売していてビールセットとかもありました。みたらし団子を食べながら歩く感覚で、みなさん焼きガキを食べながら歩いてらっしゃいました。至福の休日を過ごしたのでした。





2011年11月12日土曜日

コブラ

買っちゃった♪買っちゃった♪コ・ブ・ラ♪
何のことか分からない方、失礼しました。
アイスクライミング用のピッケルと思っていただいたらよろしいでしょうか?
Black Diamond社のCobraでございます。


アイスクライミングには4年ほど前に八ヶ岳の尾白川渓谷に連れてってもらったのですがなんだか面白くなかった。なので、それっきりだったのですが...
昨シーズン、まずは、尾白川に連れてっていただいた山岳会の方に今度は、同じく八ヶ岳のもちょっと奥のアイスに連れてっていただき...楽しいやん!

で、その次に例の遠征隊のメンバーで八ヶ岳に行った時でした。(八ヶ岳はアイスクライミングのゲレンデなのです)当時の遠征隊のリーダーが持ってたのですね〜、このコブラ。Viperなんての物騒な名前のもあるのですが、これはその1つ上のクラスのコブラでございます。そこまでおめぇは登りがうめぇのか?って...それを言われると、あ、う、と言葉に詰まってしまうのですがどうしても欲しかったのでした。どうしてもこれで登りたかったのでした。

先シーズンはかなり寒くてものすごくいい状態だったのですが、さて、今シーズンはどうなることやら。北アの方もまだまだ積もるくらいの雪は降ってないみたいやし...
「温暖化」はそこまで来てる...というよりもぉ現在進行形で進んでいるんでしょう。こうなると私達人間、どうしたらいいことやら。だんだん日本の平地、市街地も亜熱帯気候に変わりつつあるのでは、という不安を覚えると同時に、現在進行形であることを身を持って感じている今日この頃です。

とはいえ、憂いていても仕方ない。とりあえず目の前の1日を精一杯楽しんで生きるだけしか私にはできないのである。

2011年11月9日水曜日

遠征のこと...

以前...半年前のHP版ヤマ色でこの秋、ネパールのある未踏峰に行く、という発表をしました。(こちら)
いい加減、再度発表しなくてはいけないなぁ、と思っていたのですが何をどう書いたらいいのか迷っていてロスの友人から「どうなってるの?」と先ほど、facebookに書き込みを頂き、そういえば、ちゃんと書かねば、と思いキーボードを叩いております。

結果から言いますと「お蔵入り」になりました。理由は色々とあります。その前に。声援をいただいた方々に本当にありがとうございましたというお礼と、申し訳ないです、期待に添えなくて、と謝りたいです。本当にごめんなさい。そして報告が遅れたこともごめんなさい。

ここに反省の念とこの反省を将来につなげるという意味も含め中止になった理由を書きたいと思います。
メンバーそれぞれ言い分があると思いますがとりあえずここは私のスペースということで私の所感を述べたいと思います。

リーダー不在
こういう遠征となると大なり小なり組織を作って行くわけなのですが、ものすごい個性のある人達が集まるのですね。その人達を、(実際の暴力は反対ですが気持ち的に)ひっぱたいてでも右を向かせて歩かせる、左を向かせて登らせる、という統率力、引率力のある人間がいなかった。
私が参加したのは、この話が立ち上がってから半年以上過ぎた頃。正直、計画の大部分はできてると思ってました。けどほとんど白紙の状態。正直「え?」という驚きがあったのも事実です。初めてのミーティングでそういう顔をしていた、とメンバーの1人に後で言われたくらいですから。
で、まぁ、毎月のミーティングに参加してる仲良しクラブ、ってな雰囲気でした。なんとかしようにも私は遠征の経験が無いのでにっちもさっちもいかない。ましてや後から参加の身、どこまで口を出していいか分からない、ってな個人的にも手探り状態、遠慮しがち。そんな中で1年が過ぎようとした時に、こりゃもぉだめだ、と結論を出したわけです。他力本願だったのでは?と言われても仕方ないですが、やはり登れなくても情熱があってあの地に行きたい、なんとしてでも、という熱い熱い熱い情熱を持ったリーダーがいなかった、ということです。

メンバーのスタイルの違い
7人のメンバーがいたわけですが、その内2人は岩登りはしないスタイルで山を登る人達。それではどういう山を選ぶのか?どういうルートを選ぶのか?2人には岩登りの練習をしてもらうのか?本人達はどうなのか?というところで、お互い自分のスタイルをもっと向上させたいと思って山やルートを選定しようとするのでばらばら。2人は「岩登りはできないし、やる気はない。」ときっぱりと表明されていたので、それでは2人以外の岩登りをするメンバーはどうするのか?岩登りをせずに済むルートを選ぶのか?それならどの山が未踏峰だ?と。でも6000m以上登るなら岩稜帯も出てくるだろう。岩登りも必要になってくるだろう。じゃぁ、2人には練習してもらわなきゃ。でも、2人は岩登りを本格的にする気はないって言ってるよ。じゃぁ、どうするの...ぐるぐるぐる話は回って堂々巡り、の状態。これも確固たるリーダー不在の結果でしょう。

メンバー同士の信頼関係
これは私が一方的に思っているだけかも知れません。でも、毎月1回、山に行かずに街中のカフェで顔を合わせてあーでもないこーでもないと話し合うだけでは絶対に信頼関係は生まれません。やはり山屋たるもの山に一緒に入ってなんぼ。いくら一緒に入っていても時々、大丈夫かな?と心配になる時だってあるのだから、ましてや山岳会も違う、スタイルも違うっていうのであればどんどん山に入ってお互いをさらけ出さなくては。これが本当にできなかった。時に、本当にやる気があるのか?という疑問も個人的に常に心の中にあった。ま、私はこれはみんなに発言しましたが。表向きは行く気まんまんに見えてSNSで不信感ありありのコメントをしてる人もいたりして。個人的には不信感が倍増したということもありました。

時間の感覚のなさ
いつ行くのかということとそれに対してあとどれだけ時間があってそれまでに何をしなくてはいけないのか?どれだけ時間があるのか?という時間に対する各個人の意識のなさ。
4月に私が発表してしまったのも、ややフライング気味というかやけっぱちというか言ってしまえばそこに向かって皆、加速するだろうという希望的観測を込めていたところがなきにしもあらず、だった。実際、あの時皆波に乗ってきてた時やったから。
しかし...波はとらえきれず。パドリングが弱かった、と山屋がサーフィンを例えに出しても仕方ないのですが。

今後どうしたらええか?
大勢で行く、というのは色んな意味でとても難しいことなのかも知れない、と実感。未踏峰に行くにしてもどこに行くにしても、少数でちゃっと用意してちゃっと行ってしまう方がモチベーションも保てるし信頼感も安定している。練習など行動も常に一緒に取りやすい。
その反面、2人だけやとお互いの息抜きのタイミングをうまく作らなくてはいけない...など色々と一長一短ですがね。

ということで、西ネパール6000m未踏峰という夢は夢に終わったのでした。でも、気分さっぱりしたことは確かです。具体的にならない夢のために使うお金と時間、労力はもったいないですからね。ただ、今回出会った人達は本当に山が岩が好きな人達ばかりで、月一のミーティングで山の話をしている時は本当に幸せでしたね。自分の好きなことをこれまで出会ってなかった人達ととことん話をできたことは本当によかったです。仕事の話とかそういう山以外の話を一切せずに山の話だけをする。これまで一番の至福の一時でした。

皆さん、ありがとう。




2011年11月2日水曜日

小説「未踏峰」

友人に借りた本の紹介です。
以前の「ヤマ色」で書いた未踏峰に挑戦する遠征チームのメンバーに借りて読みました。ちょうどテーマ的に重なってましたね、借りた時は。
書評をする訳ではないのですが、ま、1つ2つと「?」と思うところはありましたが、山の描写がなかなか丁寧でしっかりしていてよい本でした。なぜ山に登るのかというよく聞かれる質問に対する、私がいつも考えている答えがこの本には書かれていました。色々な人生を抱えた登場人物が山を通して心を通わせ、止まってしまいそうな人生を止めずに前進する。

私も登山を始めてかなり救われたところがあるのです。私にとって山とは主食のお米のようになくてはならないもの。なぜ山に登るのか?なぜお米を食べるのか?必要だから。私の血(智)となり肉(体)となるものだから。

なぜ山に登るのか?この答えを知りたい方、また自分のなぜ、をはっきりさせたい方、読んでみてください。









「未踏峰」笹本稜平著
祥伝社刊(2009年10月27日)
税込1785円(2011年11月2日現在、アマゾン参照)