2017年8月26日土曜日

赤木沢遡行 2日目

2017年8月17日(木) 晴のち一時雨

さて、前日の夕方に小屋の衛星放送で天気予報を見て急遽、この日予定していた雲ノ平周遊はハズの定年後の計画とお預けになり、今回のメインイベントである赤木沢遡行を前倒しにした。

小屋の人に少々無理を言って朝食をお弁当に変えてもらった。他にも予約外の宿泊者がいて、その人達の分もあったからかな?何はともあれ、助かりました。この場を借りてお礼を言います。

さて、今回、2人はテーマを決めていた。「time-consicous(時間を意識して)で行こう。」
2人で行くことが多く、個人山行となることが多い。が、山岳会に所属していて会には届け出も出している。各日の行動予定時間も記載している。2人だからどうにでもなるのはなるのだけど、やっぱりここ数年、5時出発と言っていても5時半になってしまったり...となんだかゆっくりしている。これはやっぱりよくないよね、と出発前に話し合い、今回はtime-consious山行で行こうと決めた。

4時起き。沢の音が雨音なのか分からず、夜中に時々目が覚める。一瞬、ぐっと寝入りふと目を覚ますと3時59分だった。普通ならこのあと1分、また目をつむってしまうのだけど、今回は違う。他の宿泊者を起こさないようハズを起こして準備にかかった。小屋の玄関で最終準備をすべく荷物を運び出すと、小屋の人はすでに起きて朝食の準備をしていた。ご苦労様です。
すると5時20分頃、支配人さんが番台(?)に座り衛星放送のテレビのスイッチを入れる。このテレビが唯一の下界のニュースを知る手段。dボタンでニュース一覧を見て気になるニュースの詳細を読む支配人。しかし、衛星放送が発達したおかげでこの谷合の小屋でもテレビが見れるようになったというのは画期的なことなんだろうなぁ、と思う。

さて、準備を整えいざ出発。出発は、小屋前の小さなテラス横から。ではここから写真でお楽しみください。

アルミハシゴが立てかけてあってここから河原へ下りる

少し水量収まったような。アプローチの途中。支沢が4つほどあったかな。
赤木沢出合までの途中、小さい捲きが1つ(ドボンしてもいいなら捲く必要なし)、
高捲きが2カ所あった。高捲きの最初の方は、途中で捲き道が崩れていて、
30m半分=15mx2ピッチの懸垂をした。もう1つの捲きは、出合直前の場所で、
道がよく分からず沢沿いに進んでいるつもりが、どんどん沢から離れていき、
沼地に入って行ったので一旦、沢に近よれる場所まで戻り、5mほどの斜面を下りて沢へ
戻るという場所。徒渉はゼロ、というわけに行かず浸かると水は冷たかった。

出合に到着。写真左から流入しているのが黒部川本流。赤木沢は写真真ん中の岩の
右側を入っていく。ここまで何も食べずに来たので大休止


小屋で作ってもらった朝弁当。
手の平サイズのおこわが3つと河童漬け物(キュウリやったかな?)と200ccの
紙パックのウーロン茶。ごちそうさまでした。日が当たり始めて温かくなってきた

赤木沢出合入り口。入り口は狭くてほんまにこれやんな?とハズに確認
そして沢に入ると...

ナメ滝に、 

四段の滝に、 

小さな滝、と滝が続きます。水量少ないので、水流ぎりぎりを登っていきます

撮影を代わってもらっていたので、私が登る姿も今回は撮影できました

沢中間地点くらいにある大きな岩。この手前から稜線が見え始めた 

 最高にいい天気です

ハズも登ります 

そして、突き当たりにぎざぎざした岩壁が見えてきたなぁ、と思ったら...

大滝でした。ここで大休止。振り返ると雲ノ平方向に気味の悪い笠雲が浮かんでました。
天気が崩れる兆しです。下山まで持って欲しいなぁ。ここが赤木沢で唯一の高捲きです。
大きく、大きく捲きますが、捲き道が崩れていて注意を要します。
捲きはほんとに注意一秒怪我一生です。いつも気合を入れ直して挑みます。

捲く途中から。写真下の滝が、上の滝です。もう一段上に小さい滝が

この後、今回の山行で参考にしたのが「岳人」2005年8月号なんですが、大滝を捲いた後のルート解説がちょい間違えてました。滝から「左岸2つ目の支沢を詰めるといい」と
ありましたが1つ目の沢でした。トポ図にも1つ目の沢を入るとあるのでおかしいな、と思っていました。一度、1つ目の沢を見てから先に進みましたがそれらしき支沢が出てこなかったので引き返し先ほどの1つ目の沢を進みました。よく見ると、木の枝にかなり
新しいピンクのテープが。ここまでテープが全くなかったので、いい沢だなぁ、と思っていたのですが。人工物があるとちょっとね...。

苔が付いた小滝が連続します。こちらの方が本格的な遡行のような気がします(笑)
この苔の付いた滝が連続...という岳人の解説は合っていました。

半時間ほど支沢を進み、遡行を終わることにしました。この後、稜線に出るまでの
藪漕ぎがやや強烈で辟易。藪漕ぎ、嫌いなんです


藪漕ぎ途中から振り返る。写真真ん中の沢が赤木沢本流。詰めていくと雪渓があり、
その向こうが中俣乗越。三俣蓮華方面に行く人にはこちらが近いですね

強烈藪漕ぎが収まったところです。この後、もう一回藪漕ぎが...(泣)
2回目の藪こぎの前に、野原の真ん中で靴を履き替え、
衣類を着替えましたが気持ちよかったです

北ノ俣岳寄りの稜線に無事出ることができました
雲が多くなってきたけど、雲ノ平方面が見えました

太郎平小屋が見えてました
案外近いやん、と思ったのは間違いでした。遠い、遠い、遠かった...。
見えているだけに遠く感じた

ダラダラと惰性で歩き、太郎小屋に到着したのが3時過ぎ。ハズがコーヒーを飲みたいなぁ、と言っていたので大枚はたいて注文したけど、うっす〜〜〜いコーヒーでした。粉切れだったのか?ちなみに一杯400円。
この後、途中で抜きつ抜かれつしたシルバー世代カップルが到着して男性としばし歓談。なんでも5泊6日山の中にいるそうです。雲ノ平方面を周遊してきたとおっしゃってました。私たちも絶対に行くぞ、雲ノ平!
さて、太郎平小屋を出発。ここからも惰性の山下り。修行だ!なんて思う気力もなく...

そしてアラレちゃん看板までたどり着き...
もう一息!と思ったのもつかの間、ここから約30分大雨に遭う。大滝で見た笠雲はやはり悪天の兆候だった...。あとは帰るだけだから、と濡れながら歩き続けました

そしてやっとこさ到着した登山口(午後6時)
この後、片付けして帰宅。温泉は、グリーンパーク吉峰の吉峰温泉で。
お盆休みが終わり、平日だったこともあり、ゆっくりのんびり入れてハッピーでした。

赤木沢、噂に違わずきれいな沢でした。今度は、黒部本流を祖父岳まで遡行したいなぁ。