2020年7月26日日曜日

昔日山行話

昔の山行話でも書きつづろうかと思い立つ。
山に行き始めたのは、母親が亡くなって少ししてから。
当初は歩いて山に登るなんてしんどいと思っていましたが、色んな映画を見ても仲のよい同僚とご飯を食べに行ってなんとなくの話をしても、レンタルビデオで英語力の保持と楽しむのを目的にドラマを借りて見てもなんか面白くない日々でした。で、父親の行く山について行ってみようかと。

iMacの「写真」アプリに残っている最古の山行写真は次のもの。日付は2002年6月21日。山の名前が書いておらず、アルバムタイトルは「どっかの山」。奈良県吉野方面の山ということは確かで、父親に「ちょっと見に行きたい滝がある」と誘われた記憶がある。

登山口に「遭難多発。家族のために無事に帰宅を」みたいなことを書いた看板が立ててあって、遭難ってこんなところでも発生するんやぁ、と思ったことを覚えている。もっと高い山とか雪山とかそういうところで発生するのが遭難と思っていたから。

どこをどう歩いたか記憶なく、この滝の前で座って笑う自分の写真がある。この写真は私が写ってないもの。

まったくもってどこのなんという滝か...。
この後、下山するのかと思いきや、父親が滝の上に行くと言い出して、藪漕ぎ道に初心者同然の私を連れて行った。背の高さほどある薮が茂っていて、それをかきわけてやっとこさうっすらした踏み跡が見えるような滝横の斜面を登っていく。だいぶ後で知った言葉だが、これは沢登りでいうところの「滝の高巻き」ではなかったか!「なによこれ、ひどい!」「こんな道歩かせるなんて!」「もぉ嫌や!」などと文句を言いながら登り落ち口へ着いた。
落ち口の水たまりにおたまじゃくしが。田んぼにしかおたまじゃくしはいないと思っていたのでこれは新たな発見だったが、この小さい生き物が、ホールドと思ってつかもうとしたら動き出す小岩のような大きなカエルに成長することをこの時は知るよしもなかった。

落ち口から戻るときに気づいたのがヤマツツジだった。ツツジといえば、子供の頃、父親が趣味でやっていた盆栽のツツジやサツキしか知らなかったので、こんな垂直の壁、しかも水がゴーゴー落ちている滝のそばに自生していることに感心したものだった。

帰る際に少し離れたところから振り返って撮影してみた。そしてここから下山して帰宅した記憶はまったく、といっていいほどなし!
ここから私の山生活が始まった、といえばかっこいいが、この山行ではそこまでのめり込むことはなかった。