2021年6月23日水曜日

昔の山行話 鹿島槍ヶ岳東尾根 2008年5月

6月に入ってから梅雨時の天気予報は変わりやすいので、長期の山行計画は立てておらず、近場で日帰り岩登りばかりしているとあっというまに下旬になってしまいました。

久しぶりにブログをアップしようと思い立ちましたが、やはり昔話をするしかないようです。

今回は、2008年5月のGWに行った鹿島槍ヶ岳東尾根。バリエーションルートです。普通、東尾根を登ると赤岩尾根を経て大谷原へ下りるのが普通なのですが、せっかくなので爺ヶ岳の頂上も通過して爺ヶ岳の東尾根を下りました。

車は鹿島槍スキー場の駐車場に駐車。大谷原のゲートを越えて赤布が目印の場所から東尾根に取りつきます。




しょっぱなから藪漕ぎです。当時持っていた高度計付き腕時計では、1960mあたりまでほぼ雪が出て来ず藪漕ぎ。
とはいえ、12時前には一ノ沢の頭=テン場に到着。最初は数張のテントがあれよあれよというまに10張超え。斜面を切って張ったテントが滑り落ちていかないか他人テントながらヒヤヒヤ。

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テントから真正面に見える沢では、ごーごーと音を立てて岩とブロック状の雪が頻繁に落ちていきます。春の風物詩とはいえあれに巻き込まれたらひとたまりもありません。

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翌日は、夜が開ける前から行動開始。まずは第一岸壁を登ります。
ロープを出しているパーティもいましたが、私たちはフリーで登りました。雪と岩壁の間に空いた隙間がいやらしいです。ジャンプして飛ぼうとしても荷物が重いので、軽々とは飛べないので恐々飛びます。

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続いて第二岩壁。ここはロープを出します。当時の記録を読み直すと1時間も待ったようです。風があって寒かったのは覚えてますが、1時間も待ったかなぁ。単独の人もいてロープを出さずにひょいひょいと登っていくのを見て「かっこいいなぁ」と思った覚えがあります。

私たちのリードは浜ちゃん。つづいてゆかりんこに私が登りました。核心の小さいハングを越える時、ちょっと失敗して無様な体になってしまったのを見た順番待ちのギャラリーから大きなため息が聞こえたのは、空耳か、幻聴か、被害妄想か...。

あとは北峰、南峰を経て冷池小屋まで晴天の下、るんるんと歩きます。到着したらおいしいビールを楽しみに。

見えてきた山荘。残雪期は小屋の真ん前にテントを設営できます。小屋から近くてよかった〜と思っていたのですが、のちのち、夏に縦走した際、そのやや恐ろしいテン場に驚いたものでした。

3日目は天気下り坂。雨が降る前に下山を!ということで、ルートを変更...するわけなく、爺ヶ岳頂上を経て長い長いその東尾根をくだったのでした。下った先、登山口は鹿島山荘の近く。ここから駐車場まで戻らなくてはならないのですが、なぜか、リーダー(私の師匠)が車取りに行ってくるからお前らここで待っとけ、と男気を出してくださりました。
結構な時間待っていたので、ほんと長い道を空荷とはいえ歩いて車を取りに行ってくれたリーダーに感謝したのはこの時が一番だったでしょうか...。