2011年11月9日水曜日

遠征のこと...

以前...半年前のHP版ヤマ色でこの秋、ネパールのある未踏峰に行く、という発表をしました。(こちら)
いい加減、再度発表しなくてはいけないなぁ、と思っていたのですが何をどう書いたらいいのか迷っていてロスの友人から「どうなってるの?」と先ほど、facebookに書き込みを頂き、そういえば、ちゃんと書かねば、と思いキーボードを叩いております。

結果から言いますと「お蔵入り」になりました。理由は色々とあります。その前に。声援をいただいた方々に本当にありがとうございましたというお礼と、申し訳ないです、期待に添えなくて、と謝りたいです。本当にごめんなさい。そして報告が遅れたこともごめんなさい。

ここに反省の念とこの反省を将来につなげるという意味も含め中止になった理由を書きたいと思います。
メンバーそれぞれ言い分があると思いますがとりあえずここは私のスペースということで私の所感を述べたいと思います。

リーダー不在
こういう遠征となると大なり小なり組織を作って行くわけなのですが、ものすごい個性のある人達が集まるのですね。その人達を、(実際の暴力は反対ですが気持ち的に)ひっぱたいてでも右を向かせて歩かせる、左を向かせて登らせる、という統率力、引率力のある人間がいなかった。
私が参加したのは、この話が立ち上がってから半年以上過ぎた頃。正直、計画の大部分はできてると思ってました。けどほとんど白紙の状態。正直「え?」という驚きがあったのも事実です。初めてのミーティングでそういう顔をしていた、とメンバーの1人に後で言われたくらいですから。
で、まぁ、毎月のミーティングに参加してる仲良しクラブ、ってな雰囲気でした。なんとかしようにも私は遠征の経験が無いのでにっちもさっちもいかない。ましてや後から参加の身、どこまで口を出していいか分からない、ってな個人的にも手探り状態、遠慮しがち。そんな中で1年が過ぎようとした時に、こりゃもぉだめだ、と結論を出したわけです。他力本願だったのでは?と言われても仕方ないですが、やはり登れなくても情熱があってあの地に行きたい、なんとしてでも、という熱い熱い熱い情熱を持ったリーダーがいなかった、ということです。

メンバーのスタイルの違い
7人のメンバーがいたわけですが、その内2人は岩登りはしないスタイルで山を登る人達。それではどういう山を選ぶのか?どういうルートを選ぶのか?2人には岩登りの練習をしてもらうのか?本人達はどうなのか?というところで、お互い自分のスタイルをもっと向上させたいと思って山やルートを選定しようとするのでばらばら。2人は「岩登りはできないし、やる気はない。」ときっぱりと表明されていたので、それでは2人以外の岩登りをするメンバーはどうするのか?岩登りをせずに済むルートを選ぶのか?それならどの山が未踏峰だ?と。でも6000m以上登るなら岩稜帯も出てくるだろう。岩登りも必要になってくるだろう。じゃぁ、2人には練習してもらわなきゃ。でも、2人は岩登りを本格的にする気はないって言ってるよ。じゃぁ、どうするの...ぐるぐるぐる話は回って堂々巡り、の状態。これも確固たるリーダー不在の結果でしょう。

メンバー同士の信頼関係
これは私が一方的に思っているだけかも知れません。でも、毎月1回、山に行かずに街中のカフェで顔を合わせてあーでもないこーでもないと話し合うだけでは絶対に信頼関係は生まれません。やはり山屋たるもの山に一緒に入ってなんぼ。いくら一緒に入っていても時々、大丈夫かな?と心配になる時だってあるのだから、ましてや山岳会も違う、スタイルも違うっていうのであればどんどん山に入ってお互いをさらけ出さなくては。これが本当にできなかった。時に、本当にやる気があるのか?という疑問も個人的に常に心の中にあった。ま、私はこれはみんなに発言しましたが。表向きは行く気まんまんに見えてSNSで不信感ありありのコメントをしてる人もいたりして。個人的には不信感が倍増したということもありました。

時間の感覚のなさ
いつ行くのかということとそれに対してあとどれだけ時間があってそれまでに何をしなくてはいけないのか?どれだけ時間があるのか?という時間に対する各個人の意識のなさ。
4月に私が発表してしまったのも、ややフライング気味というかやけっぱちというか言ってしまえばそこに向かって皆、加速するだろうという希望的観測を込めていたところがなきにしもあらず、だった。実際、あの時皆波に乗ってきてた時やったから。
しかし...波はとらえきれず。パドリングが弱かった、と山屋がサーフィンを例えに出しても仕方ないのですが。

今後どうしたらええか?
大勢で行く、というのは色んな意味でとても難しいことなのかも知れない、と実感。未踏峰に行くにしてもどこに行くにしても、少数でちゃっと用意してちゃっと行ってしまう方がモチベーションも保てるし信頼感も安定している。練習など行動も常に一緒に取りやすい。
その反面、2人だけやとお互いの息抜きのタイミングをうまく作らなくてはいけない...など色々と一長一短ですがね。

ということで、西ネパール6000m未踏峰という夢は夢に終わったのでした。でも、気分さっぱりしたことは確かです。具体的にならない夢のために使うお金と時間、労力はもったいないですからね。ただ、今回出会った人達は本当に山が岩が好きな人達ばかりで、月一のミーティングで山の話をしている時は本当に幸せでしたね。自分の好きなことをこれまで出会ってなかった人達ととことん話をできたことは本当によかったです。仕事の話とかそういう山以外の話を一切せずに山の話だけをする。これまで一番の至福の一時でした。

皆さん、ありがとう。




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