2012年9月12日水曜日

マッターホルンヘルンリ稜登攀

2012年8月16日(木) 雨(街)、曇のち晴(山)
マッターホルン、ヘルンリ小屋まで。

6:00 起床
9:30 ロープウェイ
10:00 シュワルツゼー出発
12:30 ヘルンリ小屋
13:00-15:30 ルートの下見
16:00 小屋チェックイン
19:00 夕食
20:30 就寝

朝起きてアパートのベランダから空をみるとやや雲がかかっているも、いつもあっという間に雲がなくなるのでこの日もそうだろうと思い、朝ご飯を食べたりして準備をする。

この日はいよいよ、翌日の登頂目指してベースとなるヘルンリ小屋まで上がる。上がるといってもそないに大げさではなくてロープウェイに乗り、2時間ほどハイキングするだけの話だ。着いたらその後はルートの偵察に行く予定。

8時過ぎに準備が終わったので出発しようとすると相方が雨が落ちてきてます、という。ベランダに出るとぽつりぽつりと雨が。えぇ〜、雨かいな!小降りやから待っとこうか、と思っているうちに本降りになってきた。
上の状況が気になるので、とりあえず観光センターと山岳センターに天気予報をチェックしに行こう、と8時半過ぎにアパートを出る。

観光センターはすでに開いててタブレット端末で予報を調べると、向こう3日は晴れ。山岳センターや知り合い、自身の経験から3日向こうまでの天気はほぼ当たる。が、この日は外れた。しかし、向こう3日は晴れの予報。でもこの日は外れたのでその確率に悩む。次に山岳センターに向かう。数分歩く間にも降る雨は多くなっている。
山岳センターは9時オープン。10分ほどセンター前の軒下で待つ。その間にも本降りになってくる。私たちの他にも、山岳ガイドらしき人やどこぞを登る感じのエキスパートな感じの人達が待っている。

9時ちょうどに開き、2階に上がりカウンターの人に聞く。
「今は雨降ってるけど、大丈夫。今日の昼からは晴れ上がるわ!向こう3日、土曜日まですっきり晴れよ!」と自信満々に言う女性。ここまで自信満々に言われると「えぇ、今、雨降ってんのに?」と聞き返す度胸はない。

半信半疑だがとりあえずシュワルツゼーまで行くことにした。相方はロープウェイのチケット売り場の人に上の様子を聞いていた。「雨降ってるみたいよ。でも昼からは晴れるって予報では言ってるけど私には分からないわ。」そらそーだろう。とりあえず、上まで行くことにした。

ロープウェイに乗って上がるにつれて雨がひどくなる。ロープウェイの速度で雨がひどいように思うのだろうが、それを差し引いても街より降っているのはたしか...。

シュワルツゼーに到着すると、誰もいない。マッターホルングレーシャーパラダイスに行く家族連れが間違えて下りてしまったくらいで、他には誰もいない。そして景色はガスの中...。

あーだこーだと相方と話をしたが結局小屋まで行くことにした。雨具を着て出発する。
途中で数パーティとすれ違ったので今日、登ったのかどうか聞くと上は曇りでルートが分からず途中まで行って引き返したきた、とのこと。ガイドはこんなのへっちゃらさ、と言って登って行ったけどね、と教えてくれた。

気分はダウン。うぅん、上はガスだが、歩いていると髪の毛が濡れてくるくらいのガス。岩が濡れた状態なら登りたくない。小屋までのハイキング道を行くのは私たち2人と親子1組、単独の若い男性1人だけ。途中で(おそらく留学か現地で仕事をしているだろう)日本人の女性に出会いちょこっと話をする。2人でマッターホルンに登る、というと「素敵!」と言われた。素敵...かなぁ。無事頂上に着けたら、やけどなぁ、と思い別れる。

12時過ぎに小屋に着く。小屋外のトイレに行くのに小屋の裏側に回りこむと、一昨日行ったオーバーガーベルホルン方向の山々が太陽の光を浴びて見えるではないか!おぉ!天気は回復傾向だ!るんるん気分で用を足し相方に伝えるべく小屋のテラスに向かう。

休憩をし、下見に向かうべく準備。

テン場には数張りのテントが張ってあった。日本のものと違い軍隊のような深緑色のテントが多かった。しかも重そうだった。

取付に向かうとちょうど2人パーティと3人パーティが下りてきていた。3人パーティの背の高い若い男性に話しかけてみた。そしたら...頂上まであと1ピッチだったけど、時間切れで下りてきた、とのこと。朝は曇っていたのもあり、かなり道が分かりづらく、ガイドにも「そんなところでなにしてるんや!さっさとこっちへ戻ってこい!」と言われた、などと話してくれた。男性曰く「とにかく、踏み跡がなくなったりガレ、ザレが多くなったらそれはルートから外れていると言うことだからすぐに戻った方がいい。」と。もっかい行くの?と聞くと「今んところはなんとも言えね〜。テントに戻って考えるよ。」とのことだった。

ここからは多くのウェブサイトやブログサイトで記録が載っているのではしょりたいと思います。が、下見を行ったものの、やはり自分好みのルートを選んでしまうんですね〜。もちろん、そちら方面にも踏み跡があるもんですから。結構切れ落ちた稜線で、行く先には杭があって支点が取れるもんですから行くべきかどうするべきか考えていると、ちょうど下りてきた人達がいて、話しかけると「そこはルートちゃうぞ〜。こっちやで〜。でも、ともかくちょっとわしらが下を通過するまでそこにおってくれへんか?君がいるところは浮き石が多いから落とされたらかなんからなぁ。」と言われた。
うぅん、小屋から少し上がったくらいですでにルートが難しいっていうか、間違えやすい...。少々不安がよぎる。

上を見上げるとまた違うパーティが下りてきた。そのルートをしっかり頭にたたき込む。で、とりあえず今いる場所からは下りた。すると、スペインチーム、ポーランドチーム、あともう1パーティが下見に来ていた。スペインチームの数人が私がいた同じところを上がろうとするので、「ちゃうで、そこ。私もさっき、そこ上がっていってん。面白そうなルートやろ?すやけどちゃうねん。そこちゃうでって下りてきた人に言われてん。正規のルートはな、あそこをぐるっと回りこんで...」と説明してあげた。
そこからは私達は、それぞれのチームが行くのを半時間ほど見ていた。

15時半過ぎに下りて小屋にチェックイン。そしたらガイドレスで登ると言ったらパスポートを出せ、と言われて下りてきたら返すからね、と人質に取られてしまった。不安が残る...。

そして次の日。いよいよ頂上を目指す日となった。


← ガスで展望がまったくない状態のハイキング道をヘルンリ小屋まで歩く。












←小屋の裏に回ると晴れ間が広がる。北壁の取付に向かうクレバス帯














下見で登るスペインチームの人達
小屋前からモンテローザ方面
夕焼けに輝く山々が何とも言えないくらい美しい





マッターホルン 写真右側を登って
行くのがヘルンリ稜

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