2012年9月3日月曜日

マッターホルン登山その3

2012年8月13日(月) 晴れ
3日目 ブライトホルン(4164m)

朝5時頃起床
6時前アパート出発
6時20分頃 ロープウェイに乗る
8時前 マッターホルングレイシャーパラダイス(M.G.P.)到着
8時10分頃 歩き開始
9時40分頃 ブライトホルン頂上
11時30分頃 M.G.P.
12時過ぎ ツェルマット帰着

あまり良く眠れなかったので時間になるとすぐに起きる。どうもイライラしている。相方に八つ当たりをする。あかんなぁ、と思いつつ、どうも納得しない。けど、また計画を変えるのはどうしても気にくわないので、ブライトホルンに向かう。

6時前にアパートを出る。まだ少し薄暗い。犬の散歩をしてる人もちらほらいるがまだ街はひっそりしている。そんな中、ツェルマットのロープウェイ駅に着くと、中学、高校生くらいの子達がわんさか。ここだけえらくにぎやかだ。どうやらスキーの夏合宿みたいなのに来てるらしい。ユニフォームを見ているとスイスはもちろん、Germany(ドイツ)とかU.S.A.(アメリカ)のジャージを着てる子もいたようだ。

6時半始発だがこの大人数の為、15分ほど早めにロープウェイが稼働し始めた。この子達はパスを持っているのだろう。チケット売り場は素通りでどんどん乗っていく。するとチケット売り場も1つだけ開けてくれた。往復のロープウェイ料金、49.50CHF。先日書いた、セーバーフレキシーパスを持っているので半額のこの値段。助かる。

ロープウェイに乗り込み、2階乗り継いでM.G.P.へ到着。すでに3884メートル。多くのホームページやブログにも書かれているようにすでに富士山より高い。数字をみただけでくらくらする(ような気がする)。ロープウェイを下りるとひんやりとした冷たい100mほどのトンネルを歩いて抜け、雪原に出る。トイレは、雪原に出る手前にお土産屋さん&レストランがあるのでここのを使わせてもらう。

雪原に出ると、先行した学生達が遠くのゲレンデを滑っている。夏でもこれだけ滑ることができる環境ならそらウィンタースポーツ、強いわなぁ、と感心する。

ちょっと歩くと雪が固められていて滑りそうなので凍ってはいないがアイゼンを付ける。練習と言うことでロープもつなぐ。つないでから私が先に行く。

たくさんの人が登っている。雪原をロープをつないで歩いて行く人達。トレースはしっかりついているが、クレバスだけは気をつけなくては。天気もよい。

歩き出して平らな雪原を歩く。すでに気温が高いのが雪がくさってきている。

頂上へ続く斜面の基部へ来た。ここでアイゼンをつける人もいた。コース資料ではここでアイゼンをつける、とある。トレースを見ていると、少し登ってから左上にトラバース気味に進むコースと、右手に行き、そこからどうなるか、今立っているところからは見えないコースの2つがある。左上トラバースルートを行くパーティが多い。コース資料でもこちらの方が多い、と書いてあったのでこちらを行くことにする。

登り始めてすぐ、ゆっくりゆっくり歩くガイド登山のパーティがいた。後をついていこうか、とちらりと思ったが、抜かすことにした。ちょっとペースが早いなぁ、と思っていたが調子がよかったのでそのままのスピードで上がっていった。

次に6人ほどのパーティがいた。うちの1人がガイドに「あとどのくらい?」と聞いている。そうか、この傾斜を見ていてあとどのくらいで頂上なのか、なんとなくでも分からないのか。だけどガイドに頼めば、山頂には連れて行ってくれる。けど、それは自分で地図読みをするとかしないとか、それがいいとか悪いとかじゃなくて、こうしてガイドを頼んで山を登るのがこちらでは普通の山行形態の1つなんだな、と納得する。

この6人パーティも抜かしてしまい、頂上へ到着。
この時は普通に調子良く、写真を撮ったり行動食を食べたりして20分程山頂で過ごす。

帰りは、登ってきたトーレスと反対側のトレースとたどることにした。先ほど、傾斜の基部から見た、右手に行っていたルートだ。

少し歩き出すと、人幅くらいでトレースがある。おぉ!両端は切れ落ちている。右手は先ほどの基部へつづく斜面。しかし落ちてしまえば止まることなく行き着くところまで行ってしまうだろう。この下には確か、顕著なクレバスはなかったが落ちた弾みの衝撃でひょっとして雪面に穴が開くかも知れないので注意しなくては。
左手側は、すっぱり、これまたすっきりいさぎよく切れ落ちている。こちらは落ちたらいつどこで止まるのか、検討つかない。はるか下の方にツェルマットの街が見えている。行くわけないけど、あの辺まで転げ落ちて行ってしまいそうだ。

適度に緊張しながらこの細いトレースを進む。ずっと先には一度下り、そして再度上がっているトレースを歩くパーティが見える。好天気の下、4000mの山を楽しめる環境をうらやましく思う。

切れ落ちた尾根が終わったところから広い斜面を走るように基部まで下りる。そして、M.G.P.まで歩いて行く。この辺りから少々頭痛が始まった。

ヤバいなぁ...。

M.G.P.に着く頃には頭痛がひどくなってきた。がーん、がーん。まるで二日酔いだ。いつもそうだ。高山病の頭痛は二日酔いだ。何もいらない。食べたくないし飲みたくない。目をつぶってもくらくらするし、目を開けていても目が回るようでとにかく気分が悪い。

先ほどのトンネルで装備を外し、ザックに入れロープウェイに乗る。帰りは、ツェルマットの駅まで乗換なしの一直線。これにはかなり助けれらた。途中の乗換駅で待つ間、耐えられるかどうか不安だったからだ。ツェルマットの少し上の村、ツム・ゼーを通る頃には2人共、調子悪くロープウェイの箱の中でぐったり。

ツェルマットの駅についてとうとうしんどさ最悪に達する。ぎりぎりまで持たせてトイレに駆け込む。そして朝食から行動食、ここまで胃に入れたものを全て戻してしまった。

戻した後、胃はすっきりしたが頭痛がひどい。がんがん、頭を殴られ続けているようだ。なんとかアパートに帰り着きベッドに横になる。相方は先ほどまで少々辛かったようだが、回復している様子。

1時間ほど寝て、なんとか起きれそうだったので天気予報を見に山岳センターと観光案内所に行く。観光案内所にはタブレット式端末が自由に使えるように置いてあるので(ドイツ語と英語のみ。時々接続が切れていることがあった)、便利である。

向こう数日の天気は良さそうなのでとりあえず予定通り木曜にヘルンリ小屋に上がり、金曜に頂上を狙うことにする。ということでヘルンリ小屋に予約を入れなくては。しかし、コインが使える公衆電話がない、ということで、相方が山岳センターで借りましょう、というので、山岳センターで天気予報を聞きがてら電話を借りれるか聞くことにする。
「こないだのお姉さんやったら嫌やなぁ。絶対断われるよなぁ。」と言いつつ行くと、あのお姉さんがいた。もう1人いて、2人共電話をしている。もう1人のお姉さんに当たらないかと待っていたが、先日のお姉さんが先に電話をおいて声をかけてきた。仕方ないので、かくかくしかじかと説明すると「あらそう。じゃ、私がかけてあげるわ。今日はそんなに忙しくないから!」と言ってヘルンリ小屋に電話をかけてくれた。

なんだ、電話、かけてくれんやん。しかも、そんなに忙しくないから、って言うけどこないだもそんなに忙しそうじゃなかったよな、と2人でぼそぼそ話をする。すると電話を切ったお姉さんから驚愕の一言が。「金曜はね、天気悪そうなの。だから、もし金曜に上がらない、小屋に泊まる必要がない、と思ったら水曜の夕方までに連絡してね。」

え?金曜雨?観光センターの予報では晴れマークが並んでいたのに。

とりあえず、OKとThank youを言って山岳センターを出た。
不安がよぎる。金曜天気悪いって...。

斜面の顕著な線がトレース

頂上で。このあたりはかなり調子よかったのだが...
リスカム、モンテローザ方向
綺麗にトレースがついている
M.G.P.からの帰りのロープウェイの中から
写真を撮れるだけまだなんとか大丈夫だった

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