2012年9月7日金曜日

マッターホルンヘルンリ稜登攀 その4


2012年8月14日(火) 晴れ
4日目 トリフトヒュッテハイキング

前日、夕食時には頭痛もほとんど消え、ご飯を食べれた。そして今後のことを話し合った。私としてはやはり最初に決めた計画通り、もう一度初めからなぞることを提案。
最初の計画  月曜 ハイキング
火曜 ブライトホルン 高度順応
水曜 ヘルンリ小屋まで
木曜 頂上狙い
金曜 予備日
土曜 予備日
日曜 移動日

こうなると、もう一度ブライトホルンに登らなくてはならない。というのもツェルマット周辺で比較的アプローチが容易で私が知ってる4000mというのがブライトホルンだからだ。
それに、私は必要であれば、その目的にかなっていれば、同じ山に登ることは別に苦にならない。一度登ったからもぉいいや、っていうのは、私個人あまり思わないのである。ま、今回は順応に失敗したからもっかい登らなくてはならないのだが。
が、相方は少々違う。一度登ったところにはあまり登りたくない、という感じ。気持ちは分かる。が、今回はもう一度登っていただかなくてはいけない。話をするが、彼女はどうも乗り気でない様子。

で、心理作戦に出た。おそらく私がここで元々の計画を「なぞる」ことに固執しブライトホルンに再度登ることを強く主張したら彼女は余計に違うところを登りたい、と主張するだろう。なので、さらりと3000m後半の高さの山の名前を2つほど言う。色々と彼女なりに考えている様子だがとりあえずそのうちの1つに決めた。ただ、それで高度順応になるのかどうか?彼女としても疑問があるようだ。私としては、まぁ、4000m以上に登りたいけれど、昨日はしんどかったけど一旦は登っているので、とりあえずどこかに登ったらなんとかなるかな。でもやっぱり4000mは越えておきたい、という考え。

しばらくして、彼女が言い出した。やっぱりブライトホルンに行きましょう、と。成功である。やはりここは3000m後半よりは4000m以上の山に登っている方が高度順応になる。

ということで、この日はハイキングで足慣らし、15日(水)はもう一度ブライトホルン、そして木曜と金曜でマッターホルンに挑戦する、ということになった。

この日はツェルマットからトリフトヒュッテを往復するルート。彼女の山岳会の方から借りたハイキングルート集に載っていたルートで、往復4時間と歩きごたえがあり、高度もそこそこ上がるコース。

朝は少し曇っていたがみるみる間に晴れていい天気に。
ルート本によると歩く日本人は少ないが現地のハイカーには人気の、お花がいっぱいのルートということである。ツェルマット北側の切り立った崖の上に立つエーデルワイスヒュッテ(借りていたアパートのベランダから正面上に見える)を通り、トリフト川沿いをトリフトヒュッテまで登る道だ。

ツェルマットの街の真ん中辺りから急坂を登り始めると老夫婦が数組歩いている。抜かして先を行く。民家やホテルの間を抜けると目の前に突然広がる草原。うわ、すごい。一気にアルプスの世界だ。そしてお花が咲いている。心が和む。

分岐で立派な道しるべが立つ。簡単に行き先と距離、所要時間が英語で書いている。まずはエーデルワイスヒュッテまで。アパートのベランダから見ているとどこをどうやって登って行くのか不思議だったが、そんなに急でもない普通の山道がついている。途中で岩登りの練習岩場があった。ペツルもちゃんと設置されていてギアがあったら登ってみたいなぁ。

そんな話をしながら進んでいくとエーデルワイスヒュッテに到着。
先ほど抜かした老夫婦は、岩場のところで追い越されすでのヒュッテのテラスの一番街側となる奥のテーブルに座って何か注文していた。ツェルマットのこじんまりとした街を眼下に見てのコーヒーとケーキもおいしいだろうなぁ。

ここからは一本道。道が続く通りに行けば迷うことはない。急な登りではないけれど結構歩きごたえのある道が続く。先を歩いていた若い女性2人に追いつく。右手の斜面から流れ出る小川の水を口に含んだりして、1人はすこしバテ気味だ。

10時15分頃、トリフトヒュッテに到着する。裏手は広がる草原。その奥にガーベルホルン氷河が見える。氷河の奥にそびえるガーベルホルンなどの山々。時々雲がかかってピークが見え隠れするがかっこいい山だ。

先ほどの2人の女性は、先に到着して草むら横に座って休憩していた2人と合流した。どうやら仲間のようだ。ちょっと休憩すると4人で小屋の北側の斜めに上がるルートに向かって歩き出した。ルートの先は斜面の上で向こう側につながっているようだ。どこに行くんだろう?

小屋の正面には昨日登ってたたきのめされたブライトホルンからゴルナーグラード方面の稜線が見える。綺麗やなぁ。大きいなぁ。広いなぁ。

20分ほど小屋の前でゆっくりして登ってきたルートを下りることにする。すると、登ってくる人が続々。あら、静かな山道と思っていたら結構登ってくる人達がいるんだぁ。

下り始めようとすると、ガイドさんかな?小屋の人かな?が話しかけてきてくれて、先ほど4人が進んだあの斜面のルートを行くとマッターホルンを正面に見ながら歩けるルートがあるよ。行ってみたら?あと、プラス5時間位でぐるぅっと歩いてツェルマットに下りることができるよ、と教えてくれた。おぉ、なんだか魅力的なそそられるルートだわ。でも、そのコースはガイドブックには載っていなかったのでここまでの往復分の水と行動食しか持っていなかったので、ありがとう、とだけ言って下り始めた。

途中でアイゼン、ロープ、冬靴を担いで登ってくる体躯のいい男性達何人もとすれ違う。どこに行くんだろう?トリフトヒュッテから奥のガーベルホルンの方へ行くのかな?どこ行くの?と聞いてみたいけれど、特に目が合うわけでもなく挨拶もないので聞きそびれた。

この日は無事、ハイキング終了。立てた計画を1つ1つこなすという行程がやっぱり安心するし楽しめる。

エーデルワイスヒュッテの前に植わっていたエーデルワイス。帰国してから知ったが、最近は自生のものが少なくなっているらしい。
そういえば、道端ではほとんど見なかった。


















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