2013年1月11日金曜日

ヨーロッパの続き その11 ユングフラウヨッホ登山

年が明けても、やっぱり去年のヨーロッパの山行の続きを書くことにする...

2012年8月21日(火) 晴れ
3:30起床 4:20小屋出発 4:45ユングフラウヨッホ前 6:00岩稜取付 8:30上部岩稜、ザッテル
10:20頂上 12:00ユングフラウヨッホ 15:00グリンデルワルド帰着

ここに来てマッターホルンに登れなかったことが悔しい様ななんとも言えないような気持ちになってじわじわと広がってきた。前日のメンヒは楽しかったが、この日のユングフラウヨッホはあまり気が進まない。が、ここに来た以上、登っておかなくては、と思い小屋を出た。

ユングフラウヨッホ駅の前でロープをつなぎ平らになった、ジープか何かの(前日にジープが走ってた)走行跡を行く。先行隊の足跡を探しながら行くが途中で消えた。目の前には立入禁止のためか(?)スキー場でコース横に張ってあるようなネットがあるが、1カ所ネットが倒れているところがあったので向こう側に行き踏み跡をたどる。

コース資料で見た、岩稜帯のある雨量計のところから登る。パーティとしては最後の方。後ろから3人1組がいたが途中で引き返したようで頂上まで来なかった。

岩稜帯を登るが相方がルートが見つけられない。私自身、集中力がない。うぅん、なんでそっちに行くかなぁ?と思いながら右、左、と指示を出す。

岩稜帯を過ぎ雪稜に出た。ここからはトレースをたどるがあなどれない。ザッテルの基部までのトラバースとザッテルまでの斜面の登りがまず侮れない。トラバースのトレースは思ったほど細いものではなかったが、この下にはぱっくりと口を開けている大きなクレバスがある。最悪、足元から下が、突然がぼっと落ち込むことも考慮しておかなくてはならないが考えても仕方がない。崩れないよう運を天に任せるだけだ。

ザッテルの基部に付くと、男性が1人雪の上に座っていた。サングラスをしてたのでよく分からなかったが初老の方のようだった。単独なのか仲間と来たのか分からないが、「なんとなく今日は調子が悪くてね。」と言っていた。「前にも登ってるから」今日はいいか、という感じだった。私も気分が全く乗らないのだ、と心で応答してから先に進んだ。

ここからは上から下りてくるパーティと行き違いがあった。岩稜帯のルートは分かりやすい。時々、向かって右側の雪の上に出たりしながら、最後の傾斜を登り頂上に。この辺りからガスが出始めた。すでにメンヒの上には傘雲があったのですぐには崩れないだろうが、しかしどうなるか、他国の天気は分からない。少し焦る。

頂上に着くと3人パーティがいた。10分ほどで下るつもりだったが、うち1人、ガイドさんが声をかけてきた。話がはずみ、10分のところが20分ほど滞在してしまった。話をしているととても楽しくて、今日はなんだか乗ってなかったけど、あなたとお話できてよかったわ、と言うと笑われた。このガイドさんはオーストリアからクライアントを2人連れてきていて、みんなスイスの山がいいと言うけれど、オーストラリアの方は東アルプスというのだけど、高さも3000m台が多いけれど向こうの山の方が静かで登るのが面白くていいんだよ、と教えてくれた。最後に名刺は持ってるか?と聞くと唯一持ってた1枚をくれた。向こう10年の内に連絡するね、という「10年!」と笑われた。日本にいると本当に時間が経つのが早くて、10年なんてあっという間に過ぎるのよね、と心の中で言いながらとにかく連絡するね、と言って別れた。

10時40分過ぎに下山開始。下りながら見ていると前日見ていたトラバース下のクレバスを越えるトレースを前のパーティが進んでいたので近道でもあるのでこちらを行くことにした。しかし、前日のクレバスを少し飛び越えるトレースはすでに飛び越えられないほど広がっており、この日は少し迂回するように足跡がついていた。

ここを下りとにかく早く安全地帯に、と思い先を急ぐ。ガスはとっくに消え、再びいい天気に。その代わり、雪がゆるみ左手の壁の上から雪と岩がごろごろ落ちてきた。当たることはないがものすごい音である。

ユングフラウヨッホまでの道も時々クレバスを飛び越えるところがあり、油断はならない。12時前にユングフラウヨッホに到着した。ギアを外して片付けると、せっかくなのでスフィンクス(展望台)に登りたいという相方について行った。

13時半発の電車に乗り15時ごろグリンデルワルドに帰着した。

ユングフラウの頂上
前述のクレバス 写真右手に3人パーティ
登ってきたユングフラウ ヨッホから振り返って
アパートからアイガー北壁
写真左上に向かう灯りがユングまでの途中駅の覗き窓

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