2013年3月2日土曜日

八ヶ岳 中山尾根登攀

2013年2月11日〜12日

ハズがまだ登ったことがないというので連休を利用して八ヶ岳の中山尾根に登りに行った。

途中でハズの山岳会の人達、私の山岳会の人達とすれ違った。そうだった。世間とは少しずれてる3連休なのだ。
天気はあまりよくない。風が強いとの話だったが正月に比べればまぁ、普通。

コースタイム通りに中山乗越に到着。少し休憩をして進む。しかし、急にハズの歩調が遅くなる。やっぱり連日の仕事の疲れか。時々、強い風が吹くのが分かる。樹林帯の中にいるので寒くはないが、ルート上はきっと強いだろうなぁ、なんて考えながら進む。

樹林帯がそろそろ終わるところでギアを装着する。ハズの調子がなんか違う。どうする?と聞くと行くだけ行く、というので進むことに。樹林帯を完全に抜けると細い尾根の向こうに中山尾根の下部岩壁が見えた。私が先に行くが雪がなんとなく不安定なので一度戻ってロープを出すことに。で、今度はハズに先に行ってもらった。

取付に到着し、どうするかもう一度聞く。時間のことを2人共気にしている。それでもここまで来たら、第一岩壁だけもで行きたい様子。とりあえず、じゃ、取り付く?と聞くと、行ってみる、という。時々晴れ間が見えるものの風はけっこう強い。
3.5m程登るとよっこらっしょ、と乗り越さなくてはいけない箇所がある。7年ほど前に来た時はここで少しだけ躊躇した。しかし、ちょっとがんばったら普通に乗り越せるはず。なのに、短いスリングを出してそれをアブミにして乗り越そうとしているので、これはないつもと違う。あかんわ、と思ってやっぱり下りよう、と声をかけるとそやな、と応じてくれた。

クライムダウンの体勢に入るハズ。先ほどから気になっていたことがある私。ゼロピンをかけていなかった。どうしても気になるので、ハズの動きをみて体勢が安定したのを確認してから下を向いてゼロピンをかけた。よしこれでオッケーと思って上を向こうとするといきなり頭に衝撃が。一瞬目の前が真っ暗になって何が起こったのか分からなかったが、あ、落ちた、と思って振り返るとハズが右後方をずるずると正体で滑っていくのが見えたので慌ててロープをたぐった。私の足元から5m程下で止まった。

足元から2mほどの高さにあった残置ハーケンが抜けたらしい。もう一段下りる際に、自分の方へ引っ張ることになったようだ。結果、抜けてそのままズドンと私の頭上を直撃、くるっと背中向けに一回転して正体の状態で滑り落ちたようだ。

少し頭痛がしたのと視界がなんだか焦点が合うような合わないような、もやぁっとしたベールがかかったような見え方だったが、吐き気や流血などはなかったので歩いて下山することにした。下山後、登山口近くにある総合病院を見つけて休日診察を受けた。とりあえず、頭の中はなんともないでしょう、ということでレントゲンやCTは撮らずに帰阪した。

帰宅してからヘルメットを見てみると、やはり足から落ちたようで、アイゼンの歯のあとが三カ所残っていた。その内のひとつはもう少しで貫通する感じのものだった。ヘルメットをせずに冬山のバリエーションを登りに行くことはありえないので、これはこれでいいのだが、ほんの数秒タイミングがずれて上を向いていたらおそらく顔の左半分がアイゼンの爪(先シーズン新調したばかりでかなり尖っている)でどうにかなっていた、と思うときゃ〜〜〜!こわ〜〜〜!だ。

おかげで買い換えなくては、と思いつつ3年ほど経っているヘルメットを買い換える機会となった。

3週間が経つが特に痛みなどもないので、帰阪してからはお医者さんには行かずじまい。少し気にはなっているのだけど。
何はともあれ注意一秒怪我一生。気をつけなくては。

下部岩壁取付まで
時折日は差すが...

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