2013年10月19日土曜日

甲斐駒ヶ岳Aフランケ赤蜘蛛ルート登攀

2013年9月22日(日)〜24日(火) ハズ、ち〜ちゃん、りょ

その1
2年前にハズと2人で行ったけれど取付で岩を落としてからそのままになっていたルート。夏前に、移籍した山岳会のメンバー、ち〜ちゃんからお誘いを受け(ち〜ちゃんも数年前に黒戸尾根を10分登って大雨に降られ敗退していた)3人で行くことに。

その1では登りの話を。
まず、今回は八合目付近の台地にテントを張った。水場に水無し。七丈小屋まで往復して水を取りに行った。アプローチの下見は、2年前の記憶がまだあるので(岩とか山に関する記憶はしっかりしてるけど日常が最近やばい...)しなかった。天気はすこぶるよい。3連休の真ん中の日だったが、登山者があいもかわらず多い。
2日目、4時に起きて5時過ぎにテン場出発。持って行ったギアは、キャメロット#0.4から#1.0(2セット)#0.3#2.0(1セット)、リンクカム#0.5 #1.0(1セット)、アブミ、フィフィ、その他必要な登攀用具。

最近、マルチルートを登っていないのでなんだか怖い。高いところも怖い。残置ボルトが抜けそうで怖い。怖い要素ばかりを考えて怖がる私。うぅん、こんなんで登れるのか?登る他にもあれもこれもそれもどれもと色んなことが心配になる。数年前までなかったこと。これが年を取るってことか?勢いがなくなっていく...。

取付に6時過ぎに到着。3人で登る順番を決める。怖がっている私は、2番目。トポ図を見ると、おぉ!一番優しいルートばっかりやん!ありがとございま〜す。がんばりま〜す、と笑顔になる。

1P目の1つ目と2つ目の支点は遠いのでち〜ちゃん持参のちょんぼ棒でこなす。ここで時間をかけるわけにはいかないので、なんでもあり。フォローの私、少し苦労したが、2年前よりは難なくこなす。

2P目、リード。ここは2年前もリードしたので楽しみながら登って行く。上に人がいるので、20m程で切った。

3P目をリードするハズ。クラックを使ってすいすいと登って行く。その上に小さく見えるのは先行のシニア混合パーティの男性。しきりに下ばかり見てこちらの速さを警戒している。

ち〜ちゃんにクラックの登り方のヒントをもらいフォローする。少々痛いのとずれ落ちそうで怖いが、楽しい。もう少しちゃんとテーピングをしておけばよかった、と後悔する。

3Pは、中間テラスまでの4ピッチの中で核心となるV字ハング。2年前は苦労したのに、すいすいと登れた。アブミも練習してなかったのですが。V字ハングを越したら、砂や小石が多くなるので、滑りそうでやや注意が必要。

中間テラスに着き、食料エネルギー補給。シニアパーティ、まだ次のピッチが終わったところにいる。

これが、赤蜘蛛ルートの核心部分というかハイライト。スーパークラックルートと重なる部分。うちらはもちろん、アブミです。
しかしすごい壁ですね〜。この垂直の切れ落ちた壁。他にこんな壁、日本国内であるのでしょうか?上の方に小さい人がいますが、これが先行のシニアパーティ。なかなか動かない。動いてくれないことには、終了点を使うことができないので登り始めることができません。

やっと空いたので、ハズがこのピッチリードです。





ガスがかかってきました。慎重に残置リングを使いつつ、クラックにキャメロットをセットしながら、キャメアブミで登って行きます。後で聞いたら、やはりこのピッチ結構緊張したそうです。

そして私はフォローですが、怖くて下見れず。アブミの段を確認するのも下の方を見てしまうと恐ろしいので、アブミの段だけを見るようにして登る。やはり高いところは恐ろしい。でも、でも、でも登るのは楽しい!

終了点はちゃんとありますが、念のために余分なキャメロットでバックアップを取ります。
3人で登ると、一人が完全にメインロープから離れる時があるので、デイジー+スリングでバックアップを取って念には念を入れます。

恐竜カンテをリードするち〜ちゃん。この後、向こう側に回りこむという高度感満点のポイントです。

少々遠かったということで、う〜ん、と珍しく、この日、一度だけのうなり声を言うてはりましたが、もちろん難なくこなす。フォローもスムーズにこなしました。

この後は、私のピッチでしたが、楽しめました。そして赤蜘蛛大テラスに到着し、メインの登りは終了。ここから山に向かって右側を2Pほど登り、赤蜘蛛の頭の岩小屋に到着して終了なんですが...




とうとう夜になってしまいました。早めのヘッドランプは必要です。
この後、あと1ピッチ登って岩小屋に到着。3人が離れないよう気をつけながらテントに戻ったのが19時半でした。
待ち時間が長くて日が暮れましたが、3人でもなかなかどうして、素早くスムーズに登れました。満足、満足の岩登りでした。



あぁ楽しかった。