2016年1月18日月曜日

15〜16年 年末年始山行 前穂北尾根 下山

さて、4日目。年が明けて2016年元日。いよいよ下山して家に帰る日。わくわく。早く帰りた〜い。濡れを気にせずぬくい部屋でお酒を飲んでゆっくりした〜い。

前夜は思っていたほど風が強くならずよかった。しかししんしんと降った雪はおそらく50センチは積もっていたかと思う。4時半に起き、6時半過ぎに出発の準備をする。
出発前にサブリーダーさんと新人さんがなんか言うてる。なんだろう?と思って聞いてみると2人のオーバー手袋ががちがちに凍りついてて手が動かせない状態。まるで黒い石膏の様に固まっている。「こんなんやったら岩とか何もつかまれへん!」確かに。参考までにメーカーは、NF社と山装備販売店が販売しているBブランドのものです。私は山を始めた時からずっとイスカ社のものを使っています。その当時、山について色々とアドバイスをいただいた方にはヘリテッジ社のゴアのがいいよ、と教えていただきましたが何せ高価〜。高くて手が出ず&すぐにぼろぼろになっていたのでイスカ社のオーバー手袋を使っています。

さて、家を目指して下山開始しようとするも登ってきたトレースが完全に消えていてうろうろする7人。経験者の私の記憶で正しい方向へ下りだしましたが、風がきつい!晴れてはいるけれど風がきつくて雪煙で行く手がさえぎられたり体を持って行かれそうになったり。旗竿立てておいてよかった〜!しかし、意外と見落としがちなのが下り口、でしたね。登り切ったところでも場所によっては旗竿を立てておくべし。




途中、一個所、右へ行くか左へ行くか迷うところがありましたが、記憶に従い左方向へ。風がきつくて数メートルなのに右方向の様子を見に行けない。が、サブリーダーさんが確認して下りれない、とのこと。こういうところでささっと動けるのはさすが、と思う。

樹林帯に入ってからは風も追っては来ず、日がさんさんと差して逆に暑いくらい。手袋を脱ぎ、帽子脱ぎ、ヤッケのチャックを開けたりするも暑い、暑い。ほんま春山のようでした。

稜線は風きつく 前夜の雪の影響か?すでに雪崩れが発生していた(屏風のコルから下方向へ)

河童橋から岳沢方面を見て 入山日より少し雪が増えた感じ

途中少し左膝に無理な力をかけてしまいこれが元で足が遅くなってしまった。 まぁ、ここから先は下るだけ、天気もいいしルートも分かるからなんとなく皆、それぞれのペースで歩けたので迷惑かけずに済んだけど。

徳沢に着いて1本取る。この年末年始(14〜15年の冬季から?)は冬季営業を止めたそうで、お酒も買えずちょいと痛いが一度はこの小屋のいいお部屋に泊まってみたいな〜と眺める。

この後、明神と小梨平で休憩し、大正池ホテルでコーヒーをいただく!という目標を立て先を急ぐ。

そうそう、小梨平には大小のお猿さんがおり笹の新芽(?)などを一生懸命食べていたのですが、そのうちの一頭がトイレの壁に埋め込んだ岩と岩の間に顔を突っ込んで何やらもぐもぐしてたんです。もぐもぐしてる時に近づくのはさすがに怖いので、去ってから何があるのか見てみたら...。岩と岩をセメントで固めてたんですが、そのセメント部分に生えたコケのような根のようなものを食べてたんですね〜。これにはびっくり、新発見!
雪が少ないといえども(通年は笹も雪の下のはず)、やはり食べるものは少ない冬季。確かに猿は猿でいろいろと害を生んでるようですが、まぁ、それでもなんとか次の季節まで生きようとありとあらゆるものを食べてるんだわ、とちょっと感慨深い。

猿の生き様に感動したものの人間の私はお金を出せば雪水でなく普通の水道水で湧かしたコーヒーを目標に、夏はバスが走る林道をひたすら歩く。
そして到着。ホテルのレストラン、あたたか〜い。そして皆さん、こぎれい〜。夏ではないのではそないに汚れてはおりませんが、スノーシューハイカーの方々に比べてどこかしら荒れた様相の私たちは端の方に座りいっぱいのコーヒーをこれでもか!というゆっくりペースでいただく。あぁ、おいしい。なんていうか、町の味♪
途中、隣のテーブルにケーキセットのシフォンケーキとガトーショコラが運ばれてきたのを、思わずじ〜〜〜っと「あれいくらやろ?」と思いつつ見つめてしまった私とTちゃん。

ま、ケーキは家に帰ればなんぼでも食べれる。ここは我慢。

半時間後、釜トン目指していざ出発。すると年輩のグループがいらっしゃって「ほら、ここから見てみ!」と進み出したのに進行方向と逆を見るよう声をかけられた。振り返ると...


すこし風があって鏡面とまではいかないけれど、大正池に映った穂高の山並み。
あぁ、ありがとうございます。帰り道って早く帰りたい、と帰ることばかり考えているのでなかなか振り返らないけど、声をかけていただいてよかった。

確かに、大正池ってこのアングルの写真を撮る絶好スポットなんですが、まさか背後にこんな素敵な景色が広がっているとは。

なんか色々と考えながらの山行でしたがケガなく事故なく無事に終了してよかった。
さて、次はどこに行きましょかね〜?