2016年1月23日土曜日

熊さん

昨日、(2016年1月22日)ヤフーニュースを見ていたらこんなニュースが目に入りました。

「ピレネー山脈のヒグマ、暖冬で冬眠せず AFP=時事 1月22日(金)10時11分配信
【AFP=時事】スペインとフランスの国境にあたるピレネー山脈(Pyrenees)で、冬季気温が例年になく高い状態が続いているため、この地に生息するヒグマ数頭が通常の冬眠に入らず、餌探しをしているという。環境と動物の専門家らが21日、明らかにした。(全文こちら) 」

山に登っていて会いたくないモノトップ3は、雷、蜂、熊です。雷や蜂は遠くで鳴っているのが聞こえたり、飛んでいたりと会ったことはありますが大きな被害などはなくきてますが、熊は会ったことも遠くにいるのを見たこともなく、このまま会わずに済めば、と思っているのですが。やはり鉢合わせになるとびっくりした相手がどう出るか予測不可能、こちらがケガなどした後その熊がどうなるか行く末も心配ですし。

この週末、また大寒波がやってくるとか言っており夕方になり冷え込んで来ていますが、地球規模でこの冬は異常気象のようです。その結果なのか、冒頭のピレネー山脈の冬眠しないクマ、ということなのでしょうか。

熊ということでこんな小説があります。吉村昭著「羆嵐」(くまあらし)という小説です。
15年の夏に北海道で宿泊したゲストハウスで熊の話になり、宿主さんがおっしゃってた北海道での熊にまつわる歴史に残る大惨事の小説です。山に登り出してから動植物にも興味を持つようになりました。北海道は本州にいないヒグマがおります。山地図を見てもところどころに「ヒグマ注意」という本州の山地図にはない注意書きがされています。クマに会ったらどうしようかと行く前は心配してましたが無用に終わりました。

人が自然に分け入って生活を始めるとそこにいた動物と摩擦が必ずといっていいほど起こります。それが原因かどうかは断言はできないですが、分け入ったがために起こったできごとを忠実に再現した小説です。
時代は大正初期、第一次世界大戦の頃です。場所は北海道の北部になるのかな。強引に言うと旭川市の真西にあたる現在の留萌市です。吉村昭は緻密な描写をされ、ものすごく想像力が膨みます。読みながら頭の中を映像が流れると言っても過言ではないと思います。よろしかったらぜひ。

ちょっと怖いですが表紙の写真を載せておきます。

「羆嵐」 吉村昭著 新潮文庫 490円(税別 2015年11月時点)
ISBN978-4-10-111713-3