2016年7月23日土曜日

台高 堂倉沢沢登り

2016年7月17日〜18日

2009年の夏に半分で終わった沢へもう一度...

2009年は若かった...(笑)


天気予報がころころ変わるのでとりあえず行ってみた。土曜の夜、国道169号線を走っているときれいなお月さんが見えていた。けど、さすが日本一降雨量の多い大台ヶ原山域。大台ヶ原ドライブウェイに入りトンネルを抜けるとものすごい霧。視界20m弱といったところか?夜中だったので対向車はいないと思いつつ、そんなん分からんし鹿の飛び出しもあるのでゆっくり走る。仕事で疲れているハズはそんな私の神経使った運転を知らず助手席で爆睡 zzz...

駐車場に着いた頃には、南の空には稲妻が。でも音はしないので雷神さんは遠いところにいるのでしょう。明日のことは起きてから、と仮眠する。

17日朝。なんとも微妙な天気。霧は晴れたが、沢の水量が分からん。天気予報もなんだかはっきりしない。一番困るのは沢を遡行している最中に雨に遭うこと。今回は空荷で堂倉沢を見に行くか、と一旦出発。15分ほど歩いてやっぱり荷物背負っていこうと引き返す。行って入渓できるのに装備を持ってこなかったら悔しいので。優柔不断な私。

全荷物を背負って再度出発。ハズは初めての堂倉沢。私は2度目。前回は、1日目の夜に雨が降り増水したので2日目はエスケープして終了。後半はどんなんか?今回も雨にやられるのか?

堂倉滝に到着。まずまずの水量。2009年に来た時の水量を基準にし、これなら行けるとレッツラゴー!

が、取付で迷う。以前の記憶にあったトレースがほぼなし状態。もっと簡単なアプローチ道があったがこれは違うところに行くんだと無視してしまった。最新の情報は大事だ。昭和の情報は参考にしつつも新しい情報も入手すべしと痛感。

私達の他に2人1パーティが入渓。静かな沢登りができた。
しかし沢登りなのに...ハズも私も濡れるのはなるべく避けたいという矛盾した行動から、へつりや岩を登ろうとするから時間がかかる、かかる。大きなトロや淵がでてきたら、どぼん!と行かずにさて、右から捲こうか左から捲こうかいちいち思案するものだから時間がかかって仕方がない。

なるべく濡れないように...

とうとう14時頃、雨が落ちだした。最初はぽつぽつだったのが、時々ざっと降る。沢登りに来てるから濡れるのは嫌じゃないけど、沢の増水が心配。なんとかこの日のビバーク地、1つ目の堰堤を越えた河原まで行けるかなぁ?雨がきつくなってちょっと雨宿りしたり。濡れていい装備してるのになんでだ?(笑)

結局、1時間ほど降って雨は止み、17時頃ビバーク地に到着。しかし、火を熾すことができずに残念。知識、火を熾す道具が不足。たき火が楽しみのひとつやったのに。とほほ。
狭いツエルトで寝れるか心配だったが、いびきをかいてたハズ。どこでも寝れる人は強い。
翌朝、「いやぁ、狭いから寝れるか思たけど、寝れたわぁ〜。意外といけるもんやな。」だとさ。

空が白じんできたと同時に目が覚めたので起きて朝食。東の空が明るい。うっすら青空が広がる。すがすがしい朝だ。新鮮な空気の中、珈琲を飲んでラーメンを食べる。チキンラーメンだけど家で食べるより数倍おいしい。

沢のビバークには紐がたくさん必要ですな〜。まるで住んでるみたい
増水もなく2日目、いける。沢の中をばしゃばしゃ行くも、途中で林道にかけられた橋や錆びた工事資材などが川の中に捨てられていてちょっと残念。でも水はほんとにきれいだ。三重県と奈良県の県境にこんなきれいな水の沢があるとはほんとに驚きである。

朝日が背中から射し暑いくらい。振り返るときらきらしている。

2つ目の堰堤を越えたところで、昨日、堂倉滝で出会った2人に出会う。どうもここらあたりまで林道を歩いて来た様子。足が濡れてなかった、とハズが言っていた。このお二人、足が速く、寒い寒いと言いながらもどぼんと浸かってぐんぐん進むのであっという間に見えなくなってしまった。なので、私達も意を決してどぼん!するが、やはり冷たい。晴れててよかった。


水を浴びてびしゃびしゃに。でも楽しい〜!


さらにいくつもの滝を越え、少し泳ぎ、ハイライトの2段25mの滝を登る。ここで終わりかと思いきや、まだまだ続く滝、滝、滝。規模は小さいながらも沢水を浴びながら滝を越えるのが面白かった。

水が細くなり、行く先の木々の間に青空が見えるようになってきたところで伏流水になり沢、終了。この後は適当に斜面を登り正木ヶ原にどんぴしゃで飛び出した。ものすごい青空が広がって、日出ヶ岳まできれいに見える。ひゃぁ〜、大台ヶ原でこんだけきれいに晴れたのって初めて〜!


感想としては思っていたより難しい沢でした。登攀の要素いっぱいで、2日目、谷の後半部分は、もっとたら〜っとした河原歩きが大半かと思いきや、滝が満載で気が抜けませんでした。沢登りが苦手な私としては、怖い個所がいくつかありロープを出してもろたりして時間がかかりました。
今回も、すべってこけて右半身を強打したり、膝に擦り傷&打ちつけたりと生傷絶えませんでした。

この沢の想い出は、2009年に入渓した時は、前の山岳会のIさんがいたこと。数年前に病気でお亡くなりになったのですが、焼酎が好きで、学生の頃、体操の選手だったということで身軽でクライミングがすごくて。眠くなると1.8リットルの箱焼酎を枕にしてごろんと寝る人でした。
今回、歩きながら時々Iさんのことを思い出してました。火の熾し方、ちゃんと習っときゃよかったなぁ、と小枝に火を着けようとしながら考えてました。
今でも向こうの世界で沢登り、クライミングしてはるんかなぁ?ちょっと感傷的になってしまいました。