2018年8月28日火曜日

盆休み山行後半 赤沢山・西岳・赤岩岳 その1

山行日  2018年8月15日(水)〜17日(金)
行った山 北アルプス 赤沢山・西岳・赤岩岳
メンバー ハズと私

滝谷登攀を諦め13日に下山後、白馬のお世話になっている元民宿のおばさんちへ。
15日は、滝谷登攀が成功後、下山して休息を兼ねて少し贅沢しようと中房温泉の有明荘を予約していた。滝谷は中止にしたので疲れてもいなかったが、キャンセルすることもないし、中房温泉へ向かう。ここは、ハイカーに人気の「燕岳」の登山口となるので、ここでも駐車場の空きがあるか心配だったが、夕方4時頃に到着したら、登山口に一番近い第1駐車場に停めることができた。前半山行に続き駐車場にはツキがある今年のお盆。

有明荘でおいしい夕食をいただき、温泉に入りリフレッシュして後半戦に備えるべく早めに寝た。

2018年8月15日(水)
翌朝5時起き、無料のコーヒーをいただき出発。朝食は、お弁当にしてもらった。おいしそう❤️

登山口にはたくさんの人。駐車場から歩いて15分くらい。さて、ここから長い合戦尾根の登りが始まります。2008年の11月以来、久しぶりに来た。

順調に登る。100人抜き(?)の勢い。この日の予定は大天荘のテント場まで。天気はまずまず。でも翌日16日は悪くなる予報。とはいえ、どの程度悪くなるのか。

第2ベンチ、富士見ベンチ(富士山見えず)、合戦小屋の3ポイントで小休憩。小屋で名物のスイカは16分の1くらいの大きさで800円。何度聞いてもびっくりする値段。いつも予算に入れないので食べたことがない。

合戦小屋を過ぎて少し登ると左奥に見えて来る風景(↑)。写真左に大天荘岳、その左側に今日の目的地、大天荘が見える。そして、あらあら、よく見ると槍の穂先が稜線から見えている。こうやってみると地味だ。さてどこでしょう?

そうこうしているうちに燕山荘に到着。山荘前から見える風景にしばし見入る。(↓)鷲羽岳など北アルプス最後の秘境といわれる山塊がどーんと見える。いい天気だ。

小休憩ののち大天荘に向けて出発する(↓)。ここから雲上の歩きとなる。

いい天気で歩くのが楽しい。とはいえ、雲が出て来たのが少し気になる。

稜線の右から左からと雲が湧き出す。気になる黒っぽい雲も見え始めた。

この日もコースタイムより早いので、大天荘岳基部にある喜作レリーフに12時半までに到着したら、この日のうちに西岳ヒュッテのテント場まで行ってしまおうと計画変更を話していた。
そしてレリーフに12時半ちょっと過ぎに到着。これなら西岳ヒュッテまで行ける、ということで、コースを左にとらず(遠回りになるので)、大天荘ヒュッテのある右側へ取ることに。が、この頃からガスが急速に広がり始め(↓)、10分に1滴という感じだったが雨が落ち始めた。念のため、スパッツとザックカバーを付けた。

大天荘ヒュッテまでのトラバース道。ガスガス。

その途中、ハイマツ帯に雷鳥の親子が!雛以上親以下くらいの大きさの子供が二羽一緒だったが、こちらに驚いて、ハイマツの中に「うわ〜!!!」って感じで隠れてしまい撮れなかった。残念!

ヒュッテが見えて来ました。この頃には雷が鳴り始めていて1分に1滴くらいで雨が落ちる。
冷たいジュースが飲みたいのでヒュッテでとにかく休憩しよう、と言っていたこともあり、本降りになる前にヒュッテへ入るべく、スパートをかける。

午後1時10分頃、ヒュッテ到着。ヒュッテ内は静かでしーんとしていた。受付にいつもブログを読んでいる、憧れの支配人Kさんがいた。一昨年のGW山行で岳沢ヒュッテでお会いして2回目...とか考えていると本降りに。男性2人組や単独トレランナーが入って来た。

夕立かなぁ。30分くらいで止んだら西岳ヒュッテまで行けるなぁ(ここからコースタイム2時間半)、などとハズと話ししていたが、なかなか止む気配なく。ジュースを買って外を見ていたがひどくなるばかり。

地面を見てほしいのですが、1時20分頃にこんな感じだったのが...(この時もまぁまぁ降ってました)

10分後には...
この状態。見る見る間に雨が溜まって流れ出す状態に。こりゃあかんわ。ということで、不幸中の幸いで、いつか泊りに来たいと思っていた大天荘ヒュッテに宿泊することになった。

大天荘ヒュッテには、テント場はないので、小屋泊まり。おそらく翌日も泊まることになるだろうから、この日の夕食と翌日の朝食は自前で済ませ、素泊まりに。しかし、後から到着する人たちがずぶ濡れになっているのを見て、ほんとぎりぎりセーフだった。前半の滝谷でもそうだったが、ギリギリセーフでずぶ濡れになるのを免れていてラッキーだ。

そしてこの雨の中、到着する人、先を進む人、様々だ。日程的なものもあるのだろうけど、大雨の中の歩き、楽しくないのになぁ、と思ってしまう。
一人、紙地図を持たずにスマホのダウンロード地図だけで来た、なんとも言えない装備の若い男性が到着し、多分槍ヶ岳のことだろうと思うが「オオクラダケ(大倉岳?)へはここからどのくらい(時間が)かかりますか?」とKさんに聞いて怒られていた。

小屋の人が登山者を怒るの?という人もいるだろうが、登山は命がかかっている遊びだ。晴れたらなんのことはない道も一旦荒れたらとんでもない状態になる。そんな状態の中、「あぁ、ここから○時間だよ。歩いていればいつかは着くよ」と言う小屋の人の方が私は信頼できない。
登りたい山の名前を間違えて、この雨(風もすでに吹き荒れ始めていた)の中、電池がなくなったスマホの地図しか持っていなくて(こうなると無用の長物)、自分がどこにいるかも分からず、ザックカバーもろくにちゃんと装着できず、装備はずぶ濡れ状態でも、先へ進もうとする人の方が問題だと思う。

結局、この人、休憩所の隅で座って逡巡していたが、私が見かねて小屋に置いてあった、ヒュッテから槍ヶ岳までのルート案内図を見せて現状を説明してあげた。よく聞くと、槍ヶ岳に登った後、穂高を縦走したいらしい。いやいや、あなたにはちょっと無理かも。穂高を縦走しようと思ったらちょっとした岩場が出て来るので、ある程度岩登りや岩稜に慣れていないと厳しいよ、と話した。体力ももちろん必要だし。槍ヶ岳に登りたいなら、長いけど歩くのがメインとなる上高地からのルートの方が優しいよ、と教えてあげた。
その後、5分くらいして意を決したように立ち上がり小屋を出た。さ、どっちへ行くか?進むか?戻るか?心配で見ていたら、左方向、戻るほうへ進んだ。大天荘のテント場まで1時間ほど。気をつけて進めばこの風雨でも到着できるだろう。この後、遭難騒ぎはなかったので無事到着したと思われる。

雨の中の歩きより、晴れた空の下の歩きの方が楽しいのになぁ。休み期間は限られているけれど、停滞するとか、中止、目的地変更など、苦渋の決断をする判断は本当に重要だ。

その2に続きます...。のちほど。

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