2019年3月28日木曜日

強風の乗鞍岳

山行日 2019年3月24日〜25日
山域  北アルプス 乗鞍岳(3025m)

1泊2泊で乗鞍岳へ。この週末、一昨年は霞沢岳、去年は十石山と、2000m級のあまり誰も行かない山に登る楽しい山行を実施してきたが、今年は案が浮かばない。色々と考えた結果、乗鞍岳へ行くことに。

10年ほど前に無雪期に岐阜県側から行ったきり、ハズにいたっては、幼少のみぎりに家族で行って以来(マイカーでかなり上まで行けたという時代!)という乗鞍岳。
冬季は、長野県側からのアプローチ。位ヶ原山荘が営業しているので小屋泊まり山行とした。小屋泊まりだと本当に楽だ。なにより荷物が少ない!テントはないわ、寝具はないわ、食料は行動食+アルファだけ。その他、必要最低限の装備だけなので本当に楽だなぁ、と思った。

土曜日の夜、少し遅めに大阪出発。2時58分にMt. 乗鞍スノーリゾート(スキー場)の駐車場に到着。ここには2年前にアイスクライミングに来て以来だ。
運転を代わってもらい爆睡していたが、駐車場に到着する少し前に目を覚ますと吹雪に近いしっかりした降雪。聞いてないで〜。多少の雨は予想していたが、雪なんて。

仮眠して起きるとまだ降雪続行中。早朝には青空が広がっているはずの予報(予想)だったのに。ただし、高気圧が張り出してくるので風は強いと予想していた。

スキー場の駐車場。薄日は差すものの降雪中...

嫌な予感を抱きながら準備して歩き出す。スキー場のリフトを3つ乗り継げば、登山道が始まる場所まで数分で行けるが、9時前の始発まで待つのはもったいないということで歩く。
途中、バックカントリーで来たお兄さんに追いつかれ話しかけられる。地元の青年だった。とてもフレンドリーな人で話をしながらスキー場を歩く。聞くと、天気が悪いのは朝までだったのが、この日の早朝の予報で、降雪は午前中続くと変わったらしい。がーん。
ゲレンデ内は見通しもよく、青空も見えるようになって来ていたが、前方の上空を見るとまだまだ雲が厚く、しかも色が悪い。そして風もかなり強そうだ。

圧雪機にひかれそうになりながら(笑)ゲレンデを歩く(↑)
天気が良ければ頂上が見えるはずだが...


リフト3つ分を歩き「切り通し」と呼ばれる場所を歩き出す。初見で方向が分かるか不安だったが、とても分かりやすかった。3つ目のリフトを降りた場所からそのまま目の前に見える細長い森の切れ目を歩いていけばいい。リフトを降りたすぐのところにテントが張ってあった。
上の写真はリフトを降りたところから20分ほど歩いたところ。こんな感じでまっすぐ歩くべき道は続いているが、ガスが濃い時は不安になるだろう。また、1から6までの番号をふった看板が左右の木に目印として打たれているが、ガスっていたら見えないだろーな。


どこの記録にも乗っている分岐の写真(↑)。この時点でえらい風です。空が晴れる時間が少しづつ長くなってはきていたけど、まだまだガスが濃い時間の方が長い。山スキーヤーの人たちは躊躇せず先に進む。ハズも行く気満々。いやいや、ちょっと待ってよ。これだけ見通しが悪いのを進んでも、だだっ広い乗鞍岳の大雪渓。肩の小屋が建つコルまで無事に行けるかどうか。しかも、時々ものすごい風が吹く。立っていられないほどではないけれど、正面から風を受けて体力消耗必至である。

とはいえ、行きたいという我が強いハズ。行くしかないよな、というのは分かっていたこと。心の中でとてつもなく大きなため息をつき、とりあえず進んだ。

写っているのが人なのか木なのかよくわからん。時折こうやった青空がうっすら見えるが、基本、暴風。分岐から同じ速度で登っていた4人組の登山パーティも途中で引き返した。スキーヤーさんたちは先へ進む。どこまで行くの〜?
雪煙舞い上がり、前を見れない、顔は冷たい、方向分からんの三重苦。

ということで、この日は断念。行動を中止する時間には早いが、やっぱりこんな風の中進んだところで、頂上までの稜線で絶対に飛ばされるって。よろけるって。危ないって。

分岐まで戻り小屋へ向かう。分岐まで戻ってきたら、ほんの数百メートル戻るだけなのに風は収まり青空が見える。「やっぱり頂上行けたかな」と思ってしまうのは自然による悪魔の囁きか?


分岐から右方向へ進み、赤布を追って進むと40分ほどで小屋に到着。朝、下りてくる人がいたので、前日泊まった人のトレースがあるはずだが、降雪と風で消されて見当たらず。ま、いいのだけど。

12時過ぎに小屋に到着。私たちが一番乗りだった。

その2へ続く。

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