2020年8月27日木曜日

口ノ深谷(比良山系安曇川)で沢登り

山行日 2020年8月23日(日)
天気 晴れ一時雨

毎年この時期に、暑さから逃れるため沢登りに行くのが習慣になってきた。今年は、明王院起点の三大沢ルートと私たちが勝手に称している3本の最後のルート「口ノ深谷」。
この沢の山行記録は「白滝谷」「奥ノ深谷」に比べて極端に少ない。参考にしたのはナカニシヤ出版の「近畿の山 日帰り沢登り」だ。

「斜瀑7m」と思われる。右側から登り滝の途中で左へ移り、そこからロープで確保して登った。最近のものと思われるスリングとカラビナのセットと水流の中に残置ハーケンもあった。

次に「10mの滝」。「左側を巻き登る」「入渓者は多く、巻き道はしっかりしている」と記載があったが、登り口を探してウロウロ。かなり手前の左側、洞穴が2つ縦に並んでいるところから登り、滝へ向かってトラバース気味に進む(1P目)。次に上に向かって適当に登る(2P目)。ここから先が大崩れ😵 手前に倒れている大木でその向こうがどうなっているか見えないが、20mほど先にうっすらと踏み跡らしきものが。足元はざっくり斜面が崩れており、その下は先ほどの滝の落ち口というのが分かる。間違って下へ向かって落ちたらアウト。

ということで、赤線のようにトラバース。写真奥が2P終了点。30mロープではぎりぎりだったので、赤線の中間地点より手前で一度ピッチを切り、安全地帯まで来て振り返って撮影。浮石いっぱい、木の根もしっかりしてないが、落ちない前提でランニングはセット可能。

先ほどの10mの滝の後、小さい滝をいくつも、

いくつも、
いくつも、
いくつも登って、すでに、トポ図(解説書)と現状が一致しない状態。どれがどれだか...?ここはどの辺だか...。
手前の方で「登山道が谷を横切る」と記載あるが、該当場所なし。ただ、沢の左側に赤テープが巻かれた倒木がある場所はあったが、右側にはそういった倒木はなし=登山道のような踏み跡はない。崩れたのかなんなのか...。

11時頃から雷⚡️が鳴り出した。おっとっと。どのくらい降るのか少し不安になる。
12時頃ランチタイム。長い1日になるなぁ、と改めて思う。

13時前からポツポツ降り出した。万が一を考えて避難できそうな斜面を確認しながら進む。「落下点までへつって右側を登る10mの飛瀑」は、ツルツル滑って登りにくい。雨も降ってきて集中できない。戻って左側を高巻いた。この後、雨が強くなってきたので、不安になった私は雨宿りがしたい、と「チョックストン滝4m」の横10分ほど停止。木の枝が傘になってくれたが、このままここにいても、というハズが言うので出発。
この後、再び、滝を越して、越して、越して、次に出てくるであろう「10mの美しい滝」を目指す。

と、この滝が見えてきた。うわ、きれい、確かに。これが10mの滝か?「直登は困難で、右側の巻き道を伝って越える」とあるので右側に巻き道を探すがあるような、ないような...。
う〜っすらついた踏み跡を辿るが、なんかちゃう。気がつくとかなり上の方に来ている。立ち止まって周辺を見るが、とにかく虫がすごい!そもそもこの沢は風が通らない=空気が滞っている=虫の生息地。ここまでも、滝の岩陰など、水が当たらない場所にわんさか虫がいたのだが、ざっと雨が降った後から虫の大群の襲撃を受け続けている。歩けば、虫の大群もついてくる。払っても払っても...無駄な労力。

虫を気にしながら、足元をに注意しながら高巻きを終えて沢に戻った。トポによると次は「落差15mの滝」なんだが...。ご覧のような(↑)河原歩きとなる。前方を見ると青空が見えており、地形的に15mの滝があるとは思えない。2人して「???」と思いながらも気を抜かずに進むと...

沢登りの終了点に到着した。ということは、先ほど苦労して高巻いた「美しい10mの滝」が実は「落差15mの滝」だったらしい。ほな「10mの美しい滝」はどこやったん?そんなんあった?いや、なかったで。10mもの滝がなくなるわけないよな?そこまで沢は崩れてないよな?
ともかく、トポの内容と現状把握がことごとく不一致な沢だった。

休憩の後、ワサビ峠へ向かう。
ワサビ峠の道標。ここからはしっかり踏まれた一般道。とはいえ、やや疲れモードの2人はコースタイムを少しオーバーする時間をかけて登山口へ帰着。

朝、駐車スペースにあった他の車はすでにない。思いがけず時間がかかった沢登りだった。

さて、虫の大群にやられた2人。早めに虫除けネットをかぶった私は、3箇所ほどの被害で終わったが、かぶるのが遅れたハズは顔から体からアブとブヨにやられてボコボコに。まるでデビュー戦を死闘したボクサーのような顔になった。

  • 奥ノ深谷は、全体的に暗〜い沢だった。楽しんで登るというよりややマニア向き。渋めの沢登りがしたい人には向いてるだろう。
  • 高巻き道は崩れているので、的確なルートファインディングが必要。また、メンバーが少しでも不安だという顔をしたら、時間がかかってもロープを出して進むべき。
  • ナカニシヤ書店のトポの時間よりも多くかかることを念頭に行動開始すべき。
  • 虫除けグッズ(スプレー、被る虫除けネット、強力な蚊取り線香)は必携。

所要時間
7時半頃 明王院から進んだ駐車スペース→8時過ぎ 入渓→8時20分「斜瀑7m」→
11時50分 「大岩を持つ6m滝」→2時15分 最後の15m滝高巻き→ 14時55分終了地点→
17時 御殿山コース登山口帰着