2021年2月19日金曜日

昔日山行話 2006年〜2007年年末年始山行

今回は、2006年から07年にかけての年末年始山行について。
12月30日〜1月3日までの計画。日程は、12/30 新穂高温泉〜涸沢岳西尾根2300m地点、12/31 2300m地点〜白出のコル(穂高岳山荘)、1/1 白出のコル〜天狗のコル、1/2天狗のコル〜西穂山荘、1/3西穂山荘〜新穂高温泉(もちろん?ロープウェイ使用)。予備日は1日か2日取ってたかな?

天気はオール晴天だったが、元日だけは曇天と多少の降雪があり見通しが悪かった。とはいえ前進できないほどではなく、この山行は本当に天気に恵まれた、と言っても過言ではない。

メンバーは、山岳会の会長と当時期待の星だったH君と私の3人。

穂高平牧場から見える穂高の山並み。ここから見えるのは南岳から槍ヶ岳方面の稜線

白出沢を渡る辺りでしょうか。こちらは奥穂〜西穂間の稜線がちらっと見えてます。
稜線は雪が舞って風が強そうですが、本当にいい天気

この後、白出沢を過ぎて少し行くと右側に冬の登山道である涸沢岳西尾根の入り口があります。夏の間は、よく見るとリボンがぶら下がっていますが、ほとんどの人は気付かずに通り過ぎてしまうような場所です。ここからの急登をひーひー言いながら登り2300m付近の台地にテントを張りました。

2日目。快晴。この日は白出のコルまでです。が、私は確か少ししんどくなっていたような覚えがあります。あまりにしんどかったら下りるぞ、みたいな話があったと記憶していますが進みました。
この時私が考えていたことは、白出のコルまで行って無理なら、涸沢カール方面に下りてエスケープすればいい、でした。が、お分かりの通り、経験の浅さゆえのとんちかんな考えでした。

2300m付近から蒲田富士を目指してまず登ります。上の写真は蒲田富士付近と思われます。涸沢岳までの稜線で一番細くなる場所。強風だとおそらく足がすくんでしまいます。

この後、妙におっそろしい雪壁を必死のぱっちで登り白出のコルへ到着。しんどかったけどなんとか到着。そして、これからどうしようか、私の体力は大丈夫か?ダメならカール側へ下りて...の案は、そのカールをのぞき込んでおバカな考えだったと思い知ります。
たっぷり積もった新雪のカールを下りるなんて...ってヤツでした。ですのでとにかくがんばろうと気合を入れました。

冬期小屋の前にテントを張る
。夏のテント場です。冬期小屋に人がいました。テントと冬期小屋どっちがいいのかなぁ?午後4時前に頂上から下りてくる人(↑)

3日目。元日。
東の空に朝日が。今日もいい天気そうだ

奥穂高岳山頂。山頂標識の左横に見えるのはジャンダルム。そして続く西穂への稜線。
この日は、ジャンを越えて下りたあたりの天狗のコルまで。

正直、この日の内容をあまり覚えていない。山行記録を読み返してやっと思い出すくらい。記録にはかなり疲れておりテント場を整地する際、サボっているようにしか見えないくらいの働きしかできていない、と書いてある。また、夜になると風が強くなりテントが飛ばされそうだった、ともある。

4日目。この日は天気が悪かった。


やっと撮った写真。この日は天狗ノ頭で進む方向を間違い危うい方向へ進んでしまい、おっかなびっくり元に戻る、という場面もあった。強風でもあり視界も10mほど、と記録にある。
で、計画では西穂山荘まで行く予定だったが、中途半端に進んでも、ということで昼の12時ごろにこの日の行動を終わったようだ。間天のコルで4テンを設営するという荒技で一晩やり過ごした。雪があったので4テン張れたけど、夏に行くと、こんな狭いところでよぉ、泊まったな!というくらい狭い。

5日目。天気回復。
間ノ岳への道は、東側が正規ルートなのに、西側を進んでしまった会長。このトラバースはほんっとに恐ろしかった。今思い出しても足がすくむ。ちょっとでも足がずりっとすると奈落の底へまっしぐら。天気がよくて谷底まできれいに見えるもんだから、そしてまた見てしまったもんだから足がすくんだ。

西穂近くまで進んだ時、西穂の北側の小さいピーク前、見上げると上からのぞく人が。久しぶりに見る会長とH君以外の「人」だった。とはいえ、反対方向から登ってきたパーティが3組(2組?)あったが。

頂上へ着くとすごい数の人。冬の西穂の山頂にこんなにたくさんいるのか?
で、ほっとしたのか、涙がぶわ〜〜っと溢れ出す。怖かった、しんどかった、という想いがぐわ〜っと体の中心から湧き上がりそれが涙となって目から流れ出す。H君はそんな私を不思議そうに見ていた。
そんな私を見てか単独行のおじさんが、3人での写真を撮影してくれた。

この後、西穂山荘までももう一踏ん張り。西穂からロープウェイ駅までももう一踏ん張り。

間ノ岳あたりで振り返ったのかな。明神岳(と思う。方角的に)

あぁ、ここまで怖かった〜。しんどかった〜。無事ついてよかったよ〜。

帰宅後は数日、放心状態。ちょっと燃え尽き症候群のような精神状態に。時間が経てば楽しかった、よくやった、と都合のいいシーンばかりが頭に残り再び山に登るのでした。
しかし、何が一番辛かったかって荷物の重さ、でした。軽量化して行ったけどほんま重かったなぁ。