2025年8月15日金曜日

農鳥岳手前までの山行記録

 山行日 2025年8月5日から6日

百高山制覇を目指して南アルプスは、農鳥岳から仙塩尾根にある安倍荒倉、新蛇抜、北荒川の三座を目指す計画を立てましたが、天気予報に翻弄され、結局一座も登らずに帰ってきた、という残念な山行記録。

8月4日(月)の夕方、関西を出発。途中、中部横断自動車道(個人的には、南北に走ってる道のなので「縦断」自動車道ではないかと思っている)の一部で通行止めがあったりなんかしたが、無事、奈良田の駐車場に到着。平日の割に車が多くて驚き。そして意外と寒くて熟睡できず。

日の出前に起床してちょこっと食べる。広河原までのバスに乗る人が多いらしく、起きてすぐの状態でバス停に向かう人多し。私たちは、大門沢を目指すのでバス利用はなし。帰りに利用する予定でしたが。

駐車場の簡易トイレはちょいとうっ、なので、8分ほど歩いたところにあるバス停のトイレを利用する。ペーパーがなかったので要持参。ま、山屋ならトイレットペーパーはみなさん持ってるでしょう。

色々と整ったところで出発。車道を半時間ほど歩き、奈良田第一発電所から林道へ入る。半時間ほどさらに歩くと、本当の登山口。

奈良田第一発電所のとこ 左方向へ進む(5:45)

登山口にある森山橋を渡ってちょっと行くと休憩所(6:30)

3年前、笹山ダイレクトを歩くためにこの道を使ったけど、今回、Wi-Fiも使える登山者用休憩所が設置されていた。ただし、工事稼働日の作業時間内だけやけど。

ここから標識、表示に従って進む。で、出てくるのが1つ目の吊り橋(↓)
斜めになってる (6:45)

登山道、3年前に比べてピンクテープが増えてる。途中で、外国人のお兄さん2人組が抜かしていった。どうやら外国からの登山客が多くなったからか。

大古森沢の丸太橋 (7:20)

曇っていたけど、木々の隙間から晴れ間が見えるようになってきた。

八丁坂では重さ14キロの荷物が肩に食い込む。重たい。ここら辺りで下山してくる人とすれ違うようになる。皆、雨具を着てたり、ザックカバーを使ったりしてる。ちょっと嫌な予感。
外国からの人も多い。

水が流れる登山道 (8:35)

丸太橋を渡り...(8:50)

また渡る (9:10)  さっきのとよく似てるけど違う橋

小屋に到着

大門沢小屋で大休止。稜線から下りてきた人に
、だんさんが上の状況を聞く。暴風、強風、雨は降ってないけど霧で濡れてくる、という状況。あちゃー、風が強いって予想してなかったなぁ。

先ほどの外国人の人がいて、スマホ見ながらまだこんなとこだ、みたいな話をしてる。思い切って、どこまで?と聞いてみると農鳥小屋までというので、私らも、と返して、またあとでね、と別れた。ま、足が長いので一歩一歩が広いので速いわなぁ。しかも体でっかいから体力あるやろし。「がんばって」とか言われたし。

オレンジの缶ジュース飲んで喉潤す。あぁ、おいしい。
さて、このままここにいるわけ...もなく、とりあえず今日の目標、農鳥小屋まで行くべく登山再開。

半時間ほど行くと小さい沢を渡る。

小屋から1時間ほどで、樹林帯を抜けて見晴らしのいい支尾根の先端に出る。富士山がうっすら見えてる。

涸れ沢を渡り、支尾根に乗る。狭くなった登山道に落ちてた看板。試しにスマホの機内モードを解除したら、アンテナが4本ちゃんと立った(iPhone 12mini)ちなみに大門沢小屋は圏外。

ここら辺で北岳方面から歩いてきた人たちとすれ違いが多くなる。みな、稜線は暴風、爆風、気をつけて、の3語を言って下りていく。風に吹かれたのがしんどかったのか、10時半ごろですでにかなり疲れた顔をしてる人もいた。

どーしよー。確かに上空見ると灰色の雲が出てる。

上に進むと次から次へと下りてくる人。そのうち、男女ペアに詳しく話を聞くと、どうも翌日笹山方面へ行く計画だったようで(多分)、この日、農鳥小屋で泊まる予定にしてたらしいが、小屋の人に翌日天気が悪くなるけど。下りますか?と言われたとか。小屋の人がそういうなら本当に天気が悪くなるんだろう、ってことでこっち方面に下りてきたと言う。確かに風はきつかったけど...、と残念そうだった。

この後、再度樹林帯に突入。この樹林帯がなんかしんどかった。いつまでも経っても樹林帯を抜け出ない。稜線まであと◯分って言われるけど、なんかそれがほんまにそんな時間で稜線まで行けるのか?という時間やったし、それに比べると自分の足が遅い気がして、はよ歩かなという焦りも出てきて、気持ち的にほんとしんどかった。

稜線に出る直前で、北岳から来た単独男性とすれ違う。この方も風が強いですよと。5分ほど話をしてすれ違った。
他にも農鳥沢を上がってこちらへ来たと言う男性とだんさんが話をしてたけど、風が強過ぎて手がかじかむので、着替え用の乾いたウールの靴下を手にはめて歩いてきたと言ってたらしい。
笹山ダイレクトを登ってきた人もいて、この人も稜線は風、景色は何も見えない、修行でした、と言ってた。

どうしようか。行くか戻るか。っていうてたら、韓国人の男性5、6人パーティが農鳥方面からやってきて、稜線の鐘のところで、奇声を上げて盛り上がってる。こんな風でも盛り上がる精神力。

雨具着ていざ出陣。ぼぼぼぼぼ。ひょー、前に進まれへん。一旦退散
写真じゃ分かりづらい風の強さ

翌日以降の天気、農鳥でテントを張るか、小屋に緊急宿泊するか、その場合、持ち合わせのお金は足りるか、などなど総合的に2人で考えるが、一番大事な、というか、肝心なお金の持ち合わせが心許ない。
例えば、この日、農鳥小屋に泊まったとして。農鳥のお金はあるが、最終日、広河原まで下りることができなかった場合や最終バスに間に合わなかった場合のお金がギリギリか...。でも、なんとかなるか、なんとかしようか、とういうことで、農鳥小屋まで進むことに。それにだんさんはこのくらいの風なら行けると思うと言うし。

もっかい稜線に出る。体が斜めになるものの、ガスが薄くなる瞬間があって、行く方向は分からんでもないし、斜めの状態で歩くことはできる。逆になんか、ザックが浮いて軽くなる感じがあって行けるかも〜って思い始めた瞬間(50mほど進んだか?)だんさんがやっぱり止めよう、と言うた。

だんさんが無理だと判断するなら無理かなぁ、と引き返すことに。

暴風でも一応鐘は鳴らす🔔

稜線から離れると風がおさまるからやっぱり行けそうな気がするが

大門沢方面に戻っても、往生際悪くどっかでテントが張れないか。翌日天気が良くて農鳥まで行くとしたら稜線に近いところで寝た方がいいわけで。
ところが、テン場となるいい場所はあるのだけど、水が取れない!どんだけ寒くても水は必要。水のありかはだいぶ下。樹林帯を抜けて、見はらしのいい支尾根のあたりで、大門沢に水が流れてるのが見えるが、水を取りに行ける道がない。

ってそんなこんなで結局大門沢小屋まで下ることになった。これはほんまに疲れた。

テントの受付すると小屋のお兄さんが明日はもっと悪い、という。ほんまかなぁ?私の見立てでは、2日目はそこそこいいはずやねんやけど。3日目は悪い。悪い中を歩く覚悟で来てるけど、翌日、この日以上に悪くなるんかなぁ?とお兄さんの言うことに懐疑的。

翌日は、帰るということで、ちょっと遅くまで飲み会をして寝た。

夜中、テントにポツポツ水が落ちる音がしてた。雨とは思わんかったけど、雨降ってたみたい。

翌朝起きると、霧雨。そんな中でも農鳥まで行く小屋に泊まった人が数人。
ほとんどの人が下山の人。お兄さんはボッカで農鳥小屋まで荷物を担いで上がっていった。

いつものことながら、最後の出発。6時半。雨は止んで、町の方は青空。上空は確かに風きつそうやけど、雲が流れるのが早い。時々うっすら青空見えるやん。やっぱり行けた。行けたで。くっそぉ〜😩

結構、下ってきたけど、ほら、青空。やーっぱり行けたで。あぁ、またこの道登らなあかんのか、と精神的ダメージが。

この写真の直立してる木、よく見ると、2本の根返りしてる木が寄りかかってる。なんとか支えてるけど、いつかは倒れて登山道をふさいでしまいそう...。

標高が下がると気温も上がり暑い、暑い。スポーツドリンクがどんどんなくなる。

登山者休憩所のある河原工事の場所。俯瞰すると大がかりな工事だなぁ。

奈良田第一発電所から駐車場までの道は、リニア電車の工事車両が行き来するので歩行に注意が必要。数十メートルおきに警備員さんが常駐していて、無線で「登山者2人下りていきま〜す」と連絡を取って安全運行に努めている。暑いのでご苦労様、と思う反面、なんだか登山者に媚びてリニア工事に反感もたれないようにしてるJR東海の思惑を見るような気もする。

駐車場まであと10分弱のバス停のトイレに立ち寄ったところ2人とも気が抜けたのか、自販機で飲み物買ってまったりする始末。そこへ、下山途中で抜かしたテント泊の2人組の男性が空荷で走ってきた。どうやら、女性の方は温泉で待ってるから、荷物置いて車取ってきて、という話になったよう。うちもそうしようかなぁ、と言うてみたら快く、いいよ、とだんさん言うてくれるけど、この猛暑の中1人で行かせるのは悪いので、気合を入れて最後、駐車場まで歩いた。

あぁ、また行かなあかんか。辛いなぁ〜。

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