基本的に、山行についての記録を書いてますが、先月北海道の羅臼岳で起こったヒグマによって登山者が死亡したり、本州でツキノワグマによって怪我するなどの事故が頻発していて、なんとなく自分の思うところを書いてみようと思いました。
特に北海道について書きます。
私が初めて北海道の山に行ったのは、2015年8月末から2週間ほどの間。父ちゃんの百名山踏破計画の中で、幌尻岳とトムラウシ山に行きました。当時はなんでしょうね、ほとんど熊に対する警戒感がなかったです。父ちゃんがそれまでに数回北海道へ行ってたので、なんでしょう。なんか...大丈夫と思ってたんでしょう。対策を考えた記憶がほぼありません。とはいえ。
幌尻岳へ行く悪名高い北電林道で、こんなものが落ちてました。
トムラウシ山の時はうんこなど見ませんでしたが、9月頭の平日ということで、百名山とはいえ人がほとんどおらず、私たち2人と後から4人くらいだったかのガイドさんが引率したグループがいたくらいで、今か考えるとよく熊に出会わなかったな、と思います。
次に北海道へ行ったのは2年前、2013年の5月末から6月半ばまでの2週間。道北から道東へ。
この時はかなり熊対策を考えました。利尻島と礼文島にはいないだろうと思ってましたが、調べてみると、2008年くらいだったかな。利尻島に熊が現れたことがあったようです。泳いで行ったのか?こっそりフェリーに乗り込んだのか?この後は、目撃情報はないようです。
利尻と礼文の後は、網走、知床、根室、阿寒と周りましたが、一番真剣に考えたのは、やはり羅臼でした。
羅臼に登るにはルートが2つあります。今回事故が起こった斜里町側からと反対側からの羅臼町側からと。調べてみると、斜里町側の国道や普通の道で熊の目撃情報が多いと分かりました。それと、宿泊予算が斜里町より羅臼町の方が合っていた、という金銭的理由もあり羅臼側から登ることにしました。とはいえ、宿泊したライダースハウスが「民宿 熊の入った家」なんですが。羅臼町側でも熊が出るには出ると。
で、熊対策として私たちが持って行ったのは火薬鉄砲です。おもちゃのピストルに音が鳴る玉がわりのものをセットしてパンパン鳴るヤツです。熊鈴も持って行きましたが、山中では鈴よりこちらの音の方がよく広がる(聞こえる)という理由です。
この話を思い出して爆竹を持って行こうとダンさんと話をしたのですが、おじさんと違って登山中、火をつけるのにいちいち立ち止まってると進みません。また、風があるとライターの火が消えてしまうこともあるでしょう。
で、火薬鉄砲にしたわけです。これなら、腰ベルトのところに差しておき、熊と出合いそうなカーブの手前ですかさず鳴らせばいいのです。
これが功を奏したのか分かりませんが熊に会うことも遠目で熊を見ることもありませんでした。
先月の事故で殺処分された親熊があの辺りで生まれて育っていたのなら、2年前にもいたはずです。本当に会わなくてよかったです。
今回の事故で思ったのが、二人組で歩いていてどうして離れたのかな?200mって結構離れてしまってる。あと、トレランの人じゃなかったらしいですが、襲われた人はどうして走ってたのかな?あとは、カーブの辺りで襲われたということですが、熊もいきなり人が出てきて驚いたのだろうと推測します。
報道を見てると、どうも人慣れした熊=人を襲う熊、のようにいわれてますがこれはイコールじゃないと思います。人慣れしてようがしてまいが、先が見えないカーブで突然別の生き物が現れたら、それが人だろうが鹿だろうが他の熊だろうが、驚いて攻撃するのは動物の本能ではなかろうか?
また、人慣れしてようがしてまいが、人が食べ物を持ってると認識した時点で熊は人に近づくのでは?神戸市内のイノシシがそうだろう。人を襲おうと思ってなくても、人が持ってる買い物袋を食べ物が入ってると学習していて袋だけ奪おうとしたり。
「かわいそう」という一言で殺処分を非難する人もいるようですが、「かわいそう」というのは愛護精神とは大きくかけ離れていると思っています。熊は一度襲ったものを再度襲う学習能力があるので、そうであれば人に対して危害を与えるの可能性があるので殺処分をするのであって、なんでもかんでも「かわいそうだから」という理由で放置するのは違うと思う。誤解されるような書き方をしますが、学校で習った「生態系ピラミッド」というのがありますが、あれを守ることができるのは「人」だけだと思っています。大量に捕獲して絶滅させることができるのも、自然界の動物個体数のバランスを保つ知恵と手段を持っているのも「人」だけです。
これ以上書くととりとめがつかなくなるな。話があっちへ行ったりこっちへ行ったりする。
今日はここらでやめとこう。お腹空いてきたし。