2020年1月15日水曜日

Joshua Tree National Park 〜クライミング その2〜

4日目からは公園の中心部へ。
トポ本に載っていたこれは登らなきゃ、みたいな写真を見てやってきたのが Ryan Campground から歩いてすぐにある Headstone Rock。

ハズの写真を拝借。雪があるにも関わらず、寒いにも関わらず登っている、登っている。4人の人がTRをセットして登ってました。近づいていくと、女性2人は朝っぱらからビールを飲んでご機嫌さん。挨拶をして準備にかかる。

Southwest Corner(5.7)、Cryptic(5.8)を登る。Joshua Treeで登り始めてから感じていたのが、リーチが遠い。要は、通常のアメリカ人が簡単に届く次の支点も、日本人からしたらあと少し、指先5センチくらいで届かない、ということ。このせいでJoshua Treeのグレードは辛い、と言われているのかもしれないがこれを差し引くと、そんなに辛いとは思わなかった(と私が言うか!)。

Southwest 〜を登り終わり、引き上げてもらう。風がきつくてものすごく寒い。真っ青な空の写真を見る限り暖かいように思えるがそんなことは全く、ない。しかも岩のてっぺんは吹きっさらし。ものすごく寒い。
Southwest 〜をリードするハズ。普通のフェースに見えますが、

上から見た結構露出感満載のコーナー登り。写真右側はすぱっと落ちてる恐怖感マックス。(とはいえ引き上げてもらってるんですが)

私たちが登っている間にも続々と人がくる。ロスからサンディエゴから早朝出発で10時過ぎにはこんな素敵な岩場に到着できるってほんまにええ環境。

翌日(元日)はちょっと遠い Mongolia という岩場にある Eastern Siberia 壁へ。駐車場から歩いて1時間。岩場への入り口から再び雪のかぶった巨岩群。どっちへ行くべきか慎重に足の踏み場を見極めながら(落ちて岩の間にはまったら映画「127時間」の世界になる感じ)、進んでいく。岩場の基部に到着した時は、駐車場から2時間経っていた。トポ本によると1時間やったのに。雪があるのと歩くストライドでかなりの誤差が生じる。
Eastern Siberia  への最後の分岐点。古くなった標識。かなり昔から登られている岩場なんだと思う。

まずは最初にYasmine Bleath(5.10a)。ピン間隔が近いのでありがたいがそうでもない事実あり。

 次にすぐ右横の Dos Chi Chisのピッチ1だけ(5.9+/10-)。2人だけの貸切かと思っていたら親子ペアが来場。どこの岩場でも登る人がいるが、順番待ちはそんなにないのでありがたい。
ランチを食べたら結構いい時間になったので、この壁のすぐ前にある低い◯ン◯ンのような形をした岩にある Gandy(5.9)を登る。

ほかのルートでも存在したが、特にここの岩場のルートで恐ろしいのが上の2枚のような剥がれそうな皮のような岩。ホールドある、とかスタンスある、とかって下手な持ち方、足の置き方をしようものなら、ベロっと剥がれてガクッと体が落ちると言う恐怖体験必須。
しかもなかなかええところにあるんですなぁ。これをつかまな次に進まれへん、みたいな。仕方ないので、そぉっと、引っ張るようなことはせずに押すようにして持ったり、足を置いたりして利用。

1月2日はクライミング最終日。Intersection Rock 横の駐車場に到着。この日も晴れているが風がある。前日は風がなくて暑くて半袖で登っていたのに。

寒くない岩場を探してう〜ろうろ。Old Woman 岩の Double Cross(5.8)を登ることに。珍しく順番待ちすることに。
グレードは5.8ですが、きれいな1本のクラックがまっすぐ伸びていて、人気ルートなのも分かります。2日前に来た時は、4組待ちでしたので諦めたルートです。
3人パーティのリードの人が登っている写真。彼のいる場所で地面から5mは登っていますが、ここまでノープロテクションで登るガッツがいります。彼の左足横あたりにアンダーガバがあるのでここにNPをセットしてもよいと思いますが、ここでウロウロするよりは、思い切って先に進んだ方がよいか...。どちらでもリードする人の判断です。怪我なく事故なく楽しく登れればそれでよし。

どこにNPをセットするか思案中のハズ。この後、TRをセットしてもらって登りましたが、楽しいルートでした。今度行くなら絶対にリードしたい(宣言してしまった)。

この後、もう1本(Sexy Grandma、5.9-)登ってランチ。午後から2ピッチの Overhang Bypass(5.7)を登ることに(↓)。このルートも登っておきたい1本!のようなルート。

2ピッチ目は10mほどだがクラックのハング越えでちょっと難しそう...。1ピッチ目は難なくこなす。楽しい楽しい♪
2ピッチ目。ハズがんばるが、ハングを越えてのクラックがこなせない。がんばれ!いけ!とビレイしながら応援するが、どっかーん!と5mほど落ちてしまった。その反動で私自身、目の前に岩に体を打ちつけてしまった。いてて。

意気消沈する2人...

気がつくとかなり日が傾いてきている。この時期の日の入りは4時50分頃。あと50分ほど。ハズが登れたとしても私はフォローできるのか?丸東の悪夢が頭をよぎる。
しかし、ここにラッペルリングはないので、降りるとなれば最低1本のスリングを残置しなくてはいけない。「Leave No Trace(全て持ち帰ろう)」という国立公園の鉄則標語も頭をよぎるが、12時間後にはホテルをチェックアウトして空港に向かわなくては。と大げさすぎる最悪の事態を考え始める。
結局、最後の最後にものすごく悔やまれるがスリング1本で懸垂下降した。
すいません。誰か回収して使うなりほかすなり好きにしてください。すいません。

最後にほんと、なんというかすっきりしない状態で終わったしまった今回の、初のクライミングトリップ。もし再度、行く機会があれば次はもっともっとすっきりきれいに登りを楽しみたい。