2025年9月29日月曜日

農鳥岳から仙塩尾根三座 その2

さて。テントを張っていよいよ目的の三座へ出発。


小屋の前を通過して直進 左下の道はトイレと水場へ続く道

一座目 展望なし 登山道からすぐそこ

滝見台とよばれる岩場から見える滝 まだガスが取れない

次に新蛇抜山 足元に小さい看板あり

20分ほど休憩 ここは展望よし

北荒川岳への最後の登りに向かう これが結構しんどかった

北荒川岳 標高が間違ってる こんなことあるんやぁ
正しくは2,698m

晴れてきた 北側を見ると塩見岳(ちょっと雲がかかってる)

南側奥には甲斐駒ヶ岳

ちょっと右側に間ノ岳と西農鳥岳

富士山も

帰りに気づいた大きなキノコ

この日も引き続き体調不調。なんとかかんとかテントに戻る。戻るとそこそこテントの数が増えてた。平日なのに結構この山奥まで来る人おるねんなぁ、なんて思いながら。

翌日は夜中2時起きの4時出発。さっさとご飯を食べて7時前くらいには寝た。となりの単独の若い人は6時くらいに就寝していた。どこまで行くのかなぁ?(最終日編へ続く)

2025年9月27日土曜日

農鳥岳から仙塩尾根の三座

山行日 2025年9月16日(火)〜18日(木)

再度、奈良田の駐車場。一昨年の笹山ダイレクト、先月の暴風で敗退以降3回目の駐車場。先月で、二度と来ないだろうと出発したのに敗退するとは...。今回も3日目の天気が怪しい予報。しかも広河原から奈良田までのバスが午後2時半出発が最終便という、時間的にきつい。

1日目(9/16) 晴れのち稜線曇り
午前5時に駐車場出発。三度目の車道歩きから林道歩き。奈良田第一発電所横の登山口に、工事関係のおじさんがいて、3週間ほど前にそこでクマを見たよ、と話してくれた。そういえば前回、帰ってくる時に突然うーっという唸り声を聞いた。やっぱりいるんや。

林道にいたオオクワガタ なんだかちょっと元気がなかった

並々のうろこ雲 季節が入れ替わったなぁ

いつも足元悪い貯水池横の道 こうして渡る(歩く)のも今日が最後

順調に高度を上げる。いい天気で風がないと暑い。ほぼコースタイム通りに大門沢小屋に到着。3連休明けでか、午前9時半ごろ、休憩する人おらず。

お約束のバヤリース 今期最後の2本をゲット 1本400円

フルーツゼリーがあれば食べたいと思ってたけどこちらはすでに売り切れてた。15分ほど休憩して登り始める。登り始めると、農鳥、北岳方面から下山してくる人たちとすれ違うように。さすがにこの日は、稜線が暴風です、と言う人はおらず。代わりに水場はまだ先か?とか小屋はどのくらいか?と聞いてくる人が数名。稜線、天気良すぎて暑かってんやろうなぁ。

寝不足で足が重くなる。デスゾーンの2700m過ぎたあたりから荷物が重くなってきた。誰か乗ってるんか?

キベリタテハ

大門沢下降点

下降点に到着。稜線に乗った。ここでも15分ほど休憩してしまう。黄色の鐘がついた鉄塔、遭難碑だった。今回は鐘を叩こうと思ってたけど、忘れてしまった。

一人男性が下りてきた。3000m峰の全座制覇をこの日達成したとのこと。拍手。西農鳥がその最後だったらしいが、前回来た時はガスで何も見えなかったのでもう一回登りにきたって。すげ〜。

だんだん調子悪なってきた。足が遅くなる。ザックの重さが2倍になった気がする。
農鳥岳に3時に到着。5時までにはなんとしても農鳥小屋に着きたいなぁ。

次に西農鳥岳へ。ガスが晴れて西農鳥までの道が見えた。その遠さに引く。この時間、誰もいないだろうと思っていたら、シニアの単独の人と出会う。お互い驚く。聞けば、この日の2時に広河原を出て、北岳、間ノ岳を経て、農鳥から大門沢、奈良田へ下山するらしい。なんかすごすぎ。ざっくり計算すると、奈良田へ到着するのは午後10時ごろ。ご本人も真っ暗になるけどね、ははは、と笑ってた。

やっとこさ西農鳥(3,051m) 小屋が小さく見える ここから激くだり

ウラシマツツジの紅葉 なごむ

3000mの夕暮れ もの悲しい雰囲気漂う 小屋は...まだ先やなぁ

4時40分に小屋に到着。テントの受付を済ませる。水は、天然水が流れてるが往復30分。汲みに行く元気なし。天水を購入。1リットル200円。ただし販売時間は午後5時まで(午前7時から)。ギリギリセーフ。

農鳥小屋 一番奥、間ノ岳

この時期、農鳥小屋の売店は品切れ気味。2025年は9月30日までの営業のようで(公式HPによる)、今年のように9月半ばに品切れしたものは再荷上げはないよう。この日時点で、ソフトドリンクは全て売り切れ。この日も、だんさんと他の登山者がビールを買ったが、目の前でスーパードライが売り切れた。

寝不足でしんどかったので、早くに寝ようと夕食の準備する。たまたま夕暮れ時に外に出たら夕焼けではなかったけど、きれいに空が染まってた。

テン場から東側の空を見て 後ろからの夕日の光が七色だった
左の奥に鳳凰三山が見える

翌朝は、4時起き6時出発。予報が当たり、強風&ガス。

「風が弱いテン場」と書いてある札をほんまか?の表情で見るだんさん

直進すると間ノ岳 左へ向かう

ガスと強風の中、先行する私

こんな感じのトラバース道を進む 時々風きつい

最初の水場 清水がおいしい

最初の水場から20分ほどで2番目の水場 大井川源流

水量豊富 水分補給するならここが汲みやすい

ここから1時間ほどで三国平に到着。熊の平小屋へ向かって、なかなかきつい坂を下っていく。半時間ほどで、右が大きく崩れた場所が出てきた。

大崩壊地 左側奥に熊の平のヘリポートとテント場

上の写真のコル辺りでドコモ通じるポイントあり
試したら通じた

熊の平小屋到着

受付を済ませてからテントを張って、安倍荒倉、新蛇抜、北荒川へレッツラゴーする。(続く)


2025年9月9日火曜日

熊について もうひとつ

前回、書き忘れたことが。
北海道に行く時、熊スプレーを持っていくべきかどうかダンさんと議論になりました。
結果、持っていかなかったんですが。その理由として...

値段が高い
2年前当時で確か1本6,000円以上したと思います。アメリカ製のものは1万円以上とか。

使い方が難しい 値段だけで却下するのはどうかと思い、一応使用方法を勉強しました。今は便利ですね。動画で見ることができるので実際どのくらい噴射したらスプレーが飛ぶのか見ることができる。
で、使う場合は、熊との距離が近い。4mとか5mくらいの近さ。安全ロックを外して、プシュ〜っとノズルを引くって、ヒグマでしょ?ま、ツキノワグマであっても怖いんですが、北海道に限定して話をすると、ヒグマでしょ?でかいですよ。マジで。そのヒグマが、例えば、例えば、とっても温厚なヒグマだとしましょう。ゆ〜っくりのっそのっそと近づいてくる個体だったとして。...だったとしてもヒグマですよ。4mいや、1m譲って5mの近さに来るまで噴射するの我慢できるか?って。10m先にいるのを見つけて、落ち着いてロック解除して、5mの近さに来るまで(のっそのっそとゆ〜っくり、という条件で)我慢できるかなぁ。怖いよ〜、絶対怖いって。しかも風向きも考えなくてはいけないという。そんな。熊は風向き考えて向かってきませんよ。

非現実的。

値段が高いのと非現実的ということで持って行くのやめました。

でも実際に持ってる人を見たことあるんです。2009年にアメリカのイエローストーン国立公園へバックカントリーハイキングに行った時。

カップルの女性の方が(男性も持っていたかも。見えなかった)腰にホルスターを付けて熊スプレー缶を持ってたのを。それを見て父ちゃんが「熊スプレー持ってはるわ。」と言ったんですが、今思えば、父ちゃん不安を感じたんでしょうかね?

イエローストーンでは三座登ったんですが、山の麓のテントサイトでは結局、熊に会うことはありませんでした。そういえば、白人の親子が川で魚釣りをしてて、私たちが川にかかった橋を渡る時に挨拶するとギョッとされたなぁ。熊にあった訳じゃあるまいし。イエローストーンの山奥にだってアジア人はいるだろうよ。そんなに驚かなくっても、って。

ちょっと熊について話をしたかったので書いてみました。

私が山で会いたくないものトップ3は、1.クマ、2.雷、3.スズメバチ、です。雷には数年前の中央アルプス縦走中に稜線でどかーんとすぐそこで落ちた、鳴った、経験がありますが、やっぱり生きた心地しなかった。スズメバチはいつも行く岩場にいるのですが、これまたジッとしてればなんとかなるので、最近は対処方法が分かってきました。とはいえ大群だと恐ろしいですが。あとはクマ。クマさんだけには絶対に会いたくないなぁ。

2025年9月7日日曜日

熊について

基本的に、山行についての記録を書いてますが、先月北海道の羅臼岳で起こったヒグマによって登山者が死亡したり、本州でツキノワグマによって怪我するなどの事故が頻発していて、なんとなく自分の思うところを書いてみようと思いました。

特に北海道について書きます。

私が初めて北海道の山に行ったのは、2015年8月末から2週間ほどの間。父ちゃんの百名山踏破計画の中で、幌尻岳とトムラウシ山に行きました。当時はなんでしょうね、ほとんど熊に対する警戒感がなかったです。父ちゃんがそれまでに数回北海道へ行ってたので、なんでしょう。なんか...大丈夫と思ってたんでしょう。対策を考えた記憶がほぼありません。とはいえ。

幌尻岳へ行く悪名高い北電林道で、こんなものが落ちてました。


クマのうんこです。時間は午前9時半。まだ乾き切ってないうんこです。この日の早朝に落としたのか、前日だったのか?そこまでちょっと分かりませんが、そこそこ広い林道のど真ん中でうんちするんだ〜、くらいしか思いませんでした。でもその量がすごい。私の足が25センチとどでかいので、量がわかってもらえるかと。

トムラウシ山の時はうんこなど見ませんでしたが、9月頭の平日ということで、百名山とはいえ人がほとんどおらず、私たち2人と後から4人くらいだったかのガイドさんが引率したグループがいたくらいで、今か考えるとよく熊に出会わなかったな、と思います。

次に北海道へ行ったのは2年前、2023年の5月末から6月半ばまでの2週間。道北から道東へ。
この時はかなり熊対策を考えました。利尻島と礼文島にはいないだろうと思ってましたが、調べてみると、2008年くらいだったかな。利尻島に熊が現れたことがあったようです。泳いで行ったのか?こっそりフェリーに乗り込んだのか?この後は、目撃情報はないようです。

利尻と礼文の後は、網走、知床、根室、阿寒と周りましたが、一番真剣に考えたのは、やはり羅臼でした。

羅臼に登るにはルートが2つあります。今回事故が起こった斜里町側からと反対側からの羅臼町側からと。調べてみると、斜里町側の国道や普通の道で熊の目撃情報が多いと分かりました。それと、宿泊予算が斜里町より羅臼町の方が合っていた、という金銭的理由もあり羅臼側から登ることにしました。とはいえ、宿泊したライダースハウスが「民宿 熊の入った家」なんですが。羅臼町側でも熊が出るには出ると。

で、熊対策として私たちが持って行ったのは火薬鉄砲です。おもちゃのピストルに音が鳴る玉がわりのものをセットしてパンパン鳴るヤツです。熊鈴も持って行きましたが、山中では鈴よりこちらの音の方がよく広がる(聞こえる)という理由です。


話はさかのぼりますが、私が山を始めて間もない頃、1人で奈良県と三重県の境の山に登りに行きました。当時はとにかく登山の経験を積みたかったので1人ででも行ってやろう、と意気込んでました。登山口で車中泊し、翌朝、林業のおじいちゃんがやってきました。愛犬と一緒です。挨拶して話をしたら「熊出るよ」と。「鈴なんてあかんよ。(熊に)聞こえへんもん」と。「爆竹。爆竹が一番いいよ。音大きいしよぉ響くし」と言いながら愛犬と山の中へ。登山口から少し入ったところで、爆竹に火をつけて落とすと「パ〜〜〜ン!」っと響く音。

この話を思い出して爆竹を持って行こうとダンさんと話をしたのですが、おじさんと違って登山中、火をつけるのにいちいち立ち止まってると進みません。また、風があるとライターの火が消えてしまうこともあるでしょう。

で、火薬鉄砲にしたわけです。これなら、腰ベルトのところに差しておき、熊と出合いそうなカーブの手前ですかさず鳴らせばいいのです。
これが功を奏したのか分かりませんが熊に会うことも遠目で熊を見ることもありませんでした。

先月の事故で殺処分された親熊があの辺りで生まれて育っていたのなら、2年前にもいたはずです。本当に会わなくてよかったです。

今回の事故で思ったのが、二人組で歩いていてどうして離れたのかな?200mって結構離れてしまってる。あと、トレランの人じゃなかったらしいですが、襲われた人はどうして走ってたのかな?あとは、カーブの辺りで襲われたということですが、熊もいきなり人が出てきて驚いたのだろうと推測します。
報道を見てると、どうも人慣れした熊=人を襲う熊、のようにいわれてますがこれはイコールじゃないと思います。人慣れしてようがしてまいが、先が見えないカーブで突然別の生き物が現れたら、それが人だろうが鹿だろうが他の熊だろうが、驚いて攻撃するのは動物の本能ではなかろうか?
また、人慣れしてようがしてまいが、人が食べ物を持ってると認識した時点で熊は人に近づくのでは?神戸市内のイノシシがそうだろう。人を襲おうと思ってなくても、人が持ってる買い物袋を食べ物が入ってると学習していて袋だけ奪おうとしたり。

「かわいそう」という一言で殺処分を非難する人もいるようですが、「かわいそう」というのは愛護精神とは大きくかけ離れていると思っています。熊は一度襲ったものを再度襲う学習能力があるので、そうであれば人に対して危害を与えるの可能性があるので殺処分をするのであって、なんでもかんでも「かわいそうだから」という理由で放置するのは違うと思う。誤解されるような書き方をしますが、学校で習った「生態系ピラミッド」というのがありますが、あれを守ることができるのは「人」だけだと思っています。大量に捕獲して絶滅させることができるのも、自然界の動物個体数のバランスを保つ知恵と手段を持っているのも「人」だけです。
これ以上書くととりとめがつかなくなるな。話があっちへ行ったりこっちへ行ったりする。
今日はここらでやめとこう。お腹空いてきたし。

2025年9月1日月曜日

小槍から大槍クライミングについて

2週間前に行ったクライミングについてギアなどの情報を書いておこうと思います。

アプローチ
小槍にはルートが3本あるようです。私たちが登ったのは、一番右側「南壁」と呼ばれている、2ピッチのルート。

アプローチに関しては、次のブログを参考にさせていただきました。
「今日からきみは!!」の小槍クライミングのページです。

装備
60mシングルロープ1本、キャメロットC4 #2X1、キャメロット#0.3から#2まで1本づつ=1セット、60cmスリングヌンチャク(アルパインヌンチャク)4セットX2人、120cmスリングヌンチャク2セットX2人

ルートについて
予習していたら、小槍は1ピッチで登れる、とも色々なWebサイトに書かれていますが、私たちは3ピッチで登りました。
残置のある取付から壁に向かって右方向、10m弱のルンゼを登り小さい小さいコルまでー1ピッチ目
ここから途中、残置のある場所までー2ピッチ目 先行者が懸垂下降してたので、ここでピッチを切りました。
残置のある場所から小槍のてっぺんまでー3ピッチ目
終了点、いろんな残置スリングがありますが、とりあえず、終了点あり、です。
小槍の上には看板があるという前情報でしたが、ありませんでした。風で飛んだんかな?

看板を探す私

小槍の上から2ピッチ目の取付まで、懸垂下降でおります。

ひ孫槍はここから登り始めました。2ピッチ目の取付からひ孫槍の壁が始まる間、いくつかハーケンがあるので、ランニングをセットできます。
ひ孫槍は1ピッチで登りました。ただ、結構ランアウトします。キャメロットとキャメロットの間、3m前後は離れるので、もう少し詰めてランニングをセットしたい場合はナチュプロの数を増やしてください。

ひ孫から孫までは歩いて移動。そこそこ広いコルなので、座って休憩できます。

孫槍の取付は赤い残置スリングがあるところから。私たちはここからほぼ直上しましたが、右から回り込んでるグループもいるみたいです。よ〜く見るとボロボロのハーケンがあったりします。ほとんどしっかりしてますが、モノによってはグラグラするので使う前に要確認です。
孫槍は、30mちょっとのところで一度ピッチを切りました。孫槍は中間に終了点がないので、持ってるギアで終了点を作ります。ここは2ピッチで。2ピッチ目の終わりには、終了点あり。懸垂下降とロワーダウンで大槍との間のコルへおります。

大槍の取付には残置あり。大槍も1ピッチ。ただ、途中で左折するポイントがあるので、スリングのセットを気をつけないと、ロープが屈曲して重くなります。
頂上の一段下にある鉄杭でピッチ終了。


数年前の記録には2本あると書いてありましたが、1本は倒れて使えず。この1本でセカンドをビレイします。

一段上がって、頂上。頂上に2人とも上がってからロープを解きました。下山は、一般登山道。岩壁登ってきたので、恐る恐るおりる人を見ていると、そんなに怖くないよ、と思うのですが初めて登ってきた人には高所感とか人生初なんだろうなぁ。

余談
この翌週に、いつも行ってる岩場に行ったんですが、なんか壁がとても低く感じたのでした。まぁグレードはこちらの方が難しいんですが、低く見えるお陰で(?)あれ、なんか簡単に登れそう、と錯覚してしまうのでした。